チャットボット

チャットボット(chatbot)とは、テキストや音声によるユーザーとの会話を自動的に行うプログラムのこと。会話によるやりとりを通じて、人に代わって作業をしたり、人のように振る舞ったりする。対話である「チャット」と、ロボットが自動的に処理するプログラム「ボット」を組み合わせた造語である。

かつては、人のように振る舞うようアルゴリズムを利用してプログラムされていたことから「人工無能」「人工無脳」などとも表現された。しかし、自動音声認識や自然言語処理などのディープラーニングの技術の台頭とともに、人工知能を活用したものが登場している。

2016年にFacebookやLINEなどのメッセージングアプリがオープン化され、チャットボットプラットフォームとしてビジネス向けに開放されたのを契機に、さまざまな企業がメッセンジャー向けにチャットボットを公開するようになった。

2017年には、アマゾンやグーグルが音声アシスタントを搭載した端末としてスマートスピーカーを発表し、チャットボットを介したツールとしてより多くの場面で用いられるようになった。

オンターゲット率

オンターゲット率とは、主にデジタル広告(オンライン広告)において、広告の総インプレッションのうちどれだけ意図したターゲットにリーチできたかを表す指標のこと。ターゲット到達率。

あらかじめ設定したターゲット層に向けて、広告が実際に表示できたのかを把握するための指標である。デジタル広告は従来の広告と比べてターゲティング精度が高いが、メディアによってオンターゲット率に差が見られる。

カオスマップ(業界地図)

カオスマップとは、特定業界のプレイヤー(企業、プロダクト)やカテゴリー、関係性を表した業界地図のこと。デジタル広告やデジタルマーケティング系の業界で作成されることが多いが、他の業界でも見られる。

各企業と所属するカテゴリー、関係性、バリューチェーンなどが一覧性のあるマップで整理されていれば、全体像の把握に役立つ。多くの企業が入り交じった複雑な見栄えから「カオスマップ」と呼ばれるが、日本独自の呼称、和製英語である。英語では「industry landscape map」「industry cloud」などと呼ばれ、つまり「業界地図」である。

2010年にアメリカのLUMA Patners社のTerence Kawaja氏が発表した業界地図「LUMAscape」のうち、複雑なディスプレイ広告業界をまとめた「Display LUMAscape」が世界中で広くシェアされた。これを日本では「カオスマップ」と称して紹介され、日本版も作成されるなどで普及したのが起源である。


DISPLAY LUMAscape from LUMA Partners

単なる「業界地図」の一種である。情報量が多く多岐に渡るため、場合によっては一枚の図への表現が破綻しかけており、その状態を日本では「カオス」と呼んでいるにすぎない。それほど複雑でもなくバリューチェーンの視点も欠けた標準的な業界地図を「カオスマップ」と称したり、細分化すべき業界範囲を広く扱って無意味にカオスさを強調しているケースも見られる。

時流として注目を集めやすいことを利用して、客観性を欠いて特定企業を有利な表現にするなど、プロモーションの一環として恣意的に用いられるケースも散見される。

ローコンテクスト

ローコンテクスト(low-context)とは、コミュニケーションや意思疎通を図る際に前提となる文脈や価値観が少なく、より言語に依存してコミュニケーションが行われること。「ローコンテクスト文化」や「ローコンテクストな社会」などとして使われる。

言語で表現された内容が高い価値を有する傾向にあり、思考力や表現力、論理的な説明能力やディベート力といったコミュニケーションに関する能力が重視される。欧米を中心とした移民国家に多い。

ローコンテクストに対して、前提となる文脈の共有が多く「以心伝心」でコミュニケーションが行われることを「ハイコンテクスト」という。「ハイ」と「ロー」という表現を用いるが、優劣を表すものではない。

アメリカの文化人類学者エドワード・T・ホール氏が1976年に著書『Beyond Culture(文化を超えて)』で提唱した。

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ディープリンク

ディープリンク(deep link, deep linking)とは、1つ目の意味としては、Webページから他のWebサイトのトップページを除く個別ページに直接リンクすることを指す。深い階層にある特定ページへの外部からのリンクのこと。

2つ目の意味としては、スマートフォン等のアプリの特定画面に直接リンクすることを指す。Webページからリンクする場合だけでなく、アプリから他のアプリへのリンクも該当する。

スマートフォンの普及に伴うアプリ利用の増加と共に、「アプリ内の特定画面へのリンク」の意味として用いられることが多くなった。以下、この2つ目の意味としての説明となる。

ディープリンクを用いることで、アプリ内の特定画面への遷移がスムーズになり、ユーザーの利便性を向上できる。ディープリンク先のアプリがインストールされていない場合は、対象アプリのアプリストアへのリンク、あるいはインストールを促す画面が表示されることが多い。

ゴーストレストラン

ゴーストレストランとは、実店舗を持たず、電話やオンラインデリバリーで注文を受け付けサービスを展開するレストラン、飲食業のこと。無店舗型のレストラン。「ゴーストキッチン」「クラウドキッチン」とも呼ばれる。

ゴーストレストランは、飲食用の店舗やテーブルと椅子、フロアスタッフ、配達網を持たない。キッチンは必要だが、キッチンも自前で所有せずに間借りしたシェアキッチンで調理を行うケースもある。注文と配達をUberEatsをはじめとしたサードパーティのフードデリバリーサービスを利用して補い、調理を中心とした最低限のコストで運営される。テイクアウトを組み合わせる場合もあるが、店舗での飲食はできない。2010年代からニューヨークを中心に広まったとされる。

従来のフードデリバリー店と異なり、基本的には客が来訪する店舗が存在しない。店舗物件のイニシャルコスト、家賃や店舗スタッフの固定費を大きく抑制し、リスクを小さくして飲食業を展開できるメリットがある。

フードデリバリーサービスとシェアキッチンといったシェアリングエコノミーの拡大と普及が、ゴーストレストランの台頭と成長を支えている。

レガシー

レガシー(legacy)とは、過去からの遺産や財産や業績、世代から世代へ受け継いだもののこと。

本来はネガティブな意味合いを持たない言葉だが、「過去から使われてきた古いもの」の意味から転じて、「時代遅れのもの」「古すぎる規格」といったネガティブなニュアンスを含むことがある。この意味では、老朽化と複雑化でブラックボックス化したシステムを表す「レガシーシステム」のようにパソコンや情報システムの領域で用いられることが多いが、「レガシー企業」など物や人に対しても用いられることがある。

また近年、「将来に大きな業績として評価されること、語り継がれること」を期待して、まだ未完成のものや予定している取り組みに対しても「レガシー」と呼ぶケースがある。

バズワード

日本語の文脈におけるバズワードとは、新しい概念を表しているように見えて実際には明確な定義や意味が定まっておらず、宣伝やキャッチコピーとして都合よく用いられる流行語のこと。

一般の人にはなじみの薄い、専門性や権威性を強く印象づける技術用語が多い。その言葉を使用しておけば、「なんとなくすごい」「高度な技術だ」「先端の取り組みだ」「時流に乗っている」などと、実態よりも誇大な印象を与えられる。IT業界で多く見られる。

バズワードではないかとされる言葉には、「IT」「マルチメディア」「ユビキタス」「Web2.0」「オムニチャネル」「ビッグデータ」、最近では「IoT」「AI」「スマート○○」「フィンテック」「○○テック」などが挙げられる。明確な定義を持つ言葉も多いが、実際の利用シーンでは「バズワード的」に大雑把なイメージとして利用されることがある。

「人間力」「女子力」をはじめとした「○○力」、「渋谷系」などの「○○系」も、具体的で明確な定義がないことが多く、バズワードの一種とする説もある。

アービトラージ(サヤ取り、裁定取引)

アービトラージ(arbitrage)とは、場所や時間、市場が異なることによって生じる価格の差から利益を得ようとする取引のこと。株式、証券、為替、相場商品などの取引で見られる。「裁定取引」「サヤ取り」「鞘取引」「鞘かせぎ」とも言う。

例えば株式の売買取引において、旧株と新株の間に値段の差ある場合、高い方を売り安い方を買うことで利益を生み出すことができる。この価格の差は時間の経過と共に小さくなり均衡した状態になることから、リスクが比較的少ない取引とされている。

古本などの商材で第三者に転売して利ざやを稼ぐ「せどり(競取り、背取り)」も、一種のアービトラージである。

多変量テスト

多変量テストとは、施策の候補を複数のパターンで実施する際、変更する複数の変数のすべての組み合わせを一定期間に同時に行い、どの組み合わせが効果的かを検証する検定のこと、もしくはその取り組み全体のこと。Multivariate Testを略して「MVT」と呼ばれることもある。

基準となるオリジナルパターンに対して、例えば「色」と「形」で検証する場合、オリジナルパターンとバリエーションパターンの色と形のすべての組み合わせで同時にテストを実施し、効果に統計的な有意差が見られるかどうかをもって判断する。

  • オリジナル色 × オリジナル形
  • バリエーション色 × オリジナル形
  • オリジナル色 × バリエーション形
  • バリエーション色 × バリエーション形

手法としてA/Bテストと似ているが、統計的な検証をするのにA/Bテストよりもさらに十分な件数(サンプルサイズ)を必要とし、実施期間も長期化する。

施策を全体に展開するのではなく、施策が有効かどうかを事前のテストで確認できる利点がある。