多変量テスト

多変量テストとは、施策の候補を複数のパターンで実施する際、変更する複数の変数のすべての組み合わせを一定期間に同時に行い、どの組み合わせが効果的かを検証する検定のこと、もしくはその取り組み全体のこと。Multivariate Testを略して「MVT」と呼ばれることもある。

基準となるオリジナルパターンに対して、例えば「色」と「形」で検証する場合、オリジナルパターンとバリエーションパターンの色と形のすべての組み合わせで同時にテストを実施し、効果に統計的な有意差が見られるかどうかをもって判断する。

  • オリジナル色 × オリジナル形
  • バリエーション色 × オリジナル形
  • オリジナル色 × バリエーション形
  • バリエーション色 × バリエーション形

手法としてA/Bテストと似ているが、統計的な検証をするのにA/Bテストよりもさらに十分な件数(サンプルサイズ)を必要とし、実施期間も長期化する。

施策を全体に展開するのではなく、施策が有効かどうかを事前のテストで確認できる利点がある。

A/Bテスト

A/Bテストとは、一定期間に施策候補を複数のパターンで提示して、特定の対象者に向けてどちらがより効果的かを検証する検定のこと、もしくはその取り組み全体のこと。スプリットテスト、スプリットランテストともいう。

基準となるオリジナルパターンに対して別のバリエーションを準備してテストを実施し、効果に統計的な有意差が見られるかどうかをもって判断する。そのため、統計的な検証をするのに十分な件数(サンプルサイズ)を必要とする。

施策を全体で展開するのではなく、施策が有効かどうかを一部の対象者に向けた事前テストで確認でき、また可逆的であるといった利点がある。

Webマーケティングの領域で行われることも多く、Webページの一部、ランディングページなどページそのもの、広告のコピーやデザインといったクリエイティブの改善を目的に実施される。

CTA (Call To Action)

CTAとは「Call To Action (コール・トゥ・アクション)」の略で、行動のきっかけ、行動喚起のこと。WebサイトやWebマーケティングにおいては、ユーザーにアクションを促すリンクやボタンなどの「行動喚起要素」を指す。

CTAは、以下のような行動喚起に対して用いられる。

  • お問い合わせ、電話
  • 資料請求、資料ダウンロード
  • 購入
  • ニュースレター(メールマガジン)購読
  • ユーザー登録
  • セミナー申込、予約
  • 続きを読む、詳しく見る

特にキャンペーン向けランディングページにおいては、CTAは訪問ユーザーをコンバージョンに転換させる重要な要素であり、どの位置にどのような表現やラベルで設置するかが鍵を握る。

行動喚起要素CTA (Call To Action) の基本のキホン – 真摯のブログ

可処分時間

可処分時間(disposable time)とは、消費者が自分の意志で自由に使える時間のこと。1日の単位で見た場合、睡眠や食事、仕事、家事といった生活を維持するのに必要な時間を除いた、残りの時間のことである。

インターネットの普及前は、テレビや音楽の鑑賞、読書、趣味、友人と会う時間など、可処分時間は一定のまとまった単位で利用、消費されることが多かった。しかし、インターネットの普及、ブロードバンドの普及、その後のスマートフォンの普及に伴い、従来のテレビや音楽、読書に費やされていた時間は、インターネット利用やスマートフォンゲーム、アプリといった新たなコンテンツ消費と取り合うようになった。

加えて、「駅のホームで電車が来るのを待つ時間」「交差点で信号が青になるのを待つ時間」「エスカレーターに乗っている時間」「ベッドに入ってから眠るまでの時間」「飲食店で食事を待つまでの時間」といった、スマートフォン普及前にはなかった「新たな細切れの可処分時間」も創出され、コンテンツ消費に利用されるようになった。

スマートフォンの普及後は、可処分時間は短時間化の傾向にあり、10秒程度といった非常に短い時間も可処分時間になり得る状況である。

可処分時間は、長さに個人差はあるものの「無限ではない有限の時間」であり、エンターテイメントやメディア、ニュース、ショッピングなどの領域で「可処分時間の奪い合い」が起きている。

所得から税金や保険などを除いた「可処分所得」の類似の表現として、2000年代前半から使用され始めた。

ネイティブアド

ネイティブアド(ネイティブ広告)とは、メディアが通常提供している記事やコンテンツと同様のフォーマットで表示され、コンテンツ群の一部としてユーザーの利用体験の邪魔をしない広告のこと。

ユーザーが「広告が煩わしい」と感じることなく、通常のコンテンツと違和感のない情報として閲覧したり利用したりする広告である。広告で得られる体験が、通常のコンテンツから得られる体験と同様であることが求められる。

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ランディングページ

ランディングページ(landing page)とは、複数の意味で用いられることがあり、広義では「ユーザーがWebサイトに訪問した際に一番最初にアクセスした(着地した)ページ」のことを指す。後述する狭義の意味と区別するために「閲覧開始ページ」「入口ページ」と呼ばれることがある。一般的なアクセス解析ツールでは、この閲覧開始ページの意味で用いられている。

狭義では、「広告をはじめとしたキャンペーン向けに準備された集客の受け皿となるページ」のことを指す。多くは明確な行動喚起要素(CTA)が準備され、コンバージョン獲得を目的としたり、コンバージョン率最適化(CRO)の対象となったりする。大半は「閲覧開始」でのアクセスだが、必ずしもすべてがそうとは限らない。広義の意味と区別するために「LP」「キャンペーンLP」などと略称で呼ばれることがある。キャンペーンの要素が集約されたページになるため、縦に長いページ構成が多い。

またそれとは別に、ハブスポットをはじめとしたマーケティングオートメーションのツールでは、「ページ内に設置した入力フォーム経由でユーザーの情報を取得するページ」のことを「ランディングページ」としている。多くはキャンペーンや特定需要のリード獲得を目的としているため、先述の「キャンペーンLP」と似ているが、必ずしも集客の受け皿ページというわけではなく、サイト内から誘導する場合もある。入力フォームを備えており、コンテンツオファー(ホワイトペーパー、eBook、PDF)のダウンロード等を準備しているという特徴がある。

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チェリー・ピッカー

チェリー・ピッカー(cherry picker)とは、セールやバーゲン、クーポン提供時といった特売の時期のみ来店し、特売の商品だけを購入して帰る客のこと。同様の意味の「バーゲンハンター」は和製英語。

スーパーやデパートなどの小売店や飲食店は、特売商品やクーポンを用意して客の来店のきっかけを作り、他の商品も購入してもらうことで全体的な売上の向上を図ることがある。チェリー・ピッカーのように、他の商品にまったく目もくれずに特売商品だけを購入されてしまうと、店側は利益を上げることができない。

チェリー・ピッカーに対してどのように対応するか、影響をどれだけ小さくするかが、小売店や飲食店の課題の一つである。

オワコン

オワコンとは、一時は人気を博するもいまは時代に合わなくなったり見捨てられてしまったりした、旬を過ぎたコンテンツに対する呼び名の一つ。「終わったコンテンツ」を略したインターネットスラングである。

当初はゲームやアニメ、マンガに対して用いられたが、その後サービスや人物に対しても用いられるようになった。

主観的な表現であり、「発言者が終わってほしいと思っているコンテンツ」や「おそらく世の中の評判としては終わったと思われているだろうコンテンツ」に対して、「オワコン」と称していることがある。多くは軽蔑のニュアンスを含むが、後者には自虐的かつ擁護のニュアンスを含むことがある。

「オワコン」と呼ばれるものの中には、実際にはまだ人気を保っていたり、流行時の「にわかファン」が離れただけの状態など、適切な評価では「終わっていない」ことも多い。自説を主張する文脈の中で、発言者が対象を意図的に蔑んだり必要以上に低く評価するためのレッテルであり、むしろ対象への人気に対して嫉妬や危機感を抱いている状態か、単なる悪口とも言える。

類似する表現に、一定のコミュニティの中で楽しまれているが新たなファンの増加が見られない低迷したコンテンツ「閉じコン」がある。

ベスト・オブ・ブリード

ベスト・オブ・ブリード(Best of Breed)とは、企業のシステムやソフトウェア、データベースを構築する際に、ベンダーやアーキテクチャーの違いにこだわらず、各分野でそれぞれ最適な製品を選定して組み合わせること。「マルチベンダー」とも呼ばれる。

各分野で異なるベンダーの製品を採用し、個々の機能の必要性や業務適合性を優先させる手法である。

一方で、同一ベンダーの製品に統一してシステムを構築することを「スイート(Suites)」と呼ぶ。スイートには、システム連携が容易であったり保守やサポートが統一されたりといったメリットがある。

ポチる

ポチるとは、ボタンやスイッチを押す際の擬音語「ポチッ」を元にした動詞であり、EC(インターネット通販)で購入ボタンを押して商品を購入することを表すことが多い。Twitterなどのソーシャルメディアやブログなどで用いられるインターネットスラングの一つ。

テレビアニメ『ヤッターマン』のボヤッキーのセリフ「ポチっとな」が語源とされる。