ハロー効果(後光効果, 光背効果)

ハロー効果(halo effect)とは、人物や物事を評価する際に、非常に顕著で目立つ特徴に引きずられて他の特徴への評価が影響を受けること。「後光効果」「光背効果」ともいう。認知バイアスの一つ。仏像など聖人の背後もしくは頭上にある光輪に由来する。

目立って優れた特徴があれば他の特徴も優れているように見え、またその逆に目立って劣った特徴があれば他の特徴も劣っているように見える心理的現象である。前者をポジティブ・ハロー効果、後者をネガティブ・ハロー効果という。

人事評価の際に留意すべき項目として扱われたり、またマーケティングの領域でも多用されたりする。

ダークパターン

ダークパターン(dark pattern)とは、ユーザーにわからないように故意にだます目的で作られたユーザーインターフェース(UI)やそのデザインのこと。ユーザーが誤解をしたり、意図せず商品購入やコンバージョンに至ったりしてしまい、そのキャンセルも困難だったりするものである。

ユーザーの心理を理解してデザインされているが、企業側の利益が優先されているためにユーザーの利益にはならない。

例えば、サービスの無料トライアルから本契約への移行時期が近づいた際、ユーザーにその時期を気付きにくくさせたり、キャンセルに多くの手間をかけさせたり、または意図せず本契約をさせたりするようなユーザーインターフェースや表現などが挙げられる。

ダークパターンは短期的な利益にはつながることはあるが、ユーザーからの信頼を得にくく、長期的視点ではネガティブな効果となる。フールペナルティの手法の一つ。

ダークパターンはUIデザイナーのHarry Brignull氏によって定義され、「DarkPatterns.org」にて事例がまとめられている。

Dark Patterns

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ABC分析(重点分析)

ABC分析とは、在庫管理や顧客管理などの際に対象を重要度によってABCのグループに分類し、それぞれの特性に応じた管理方法を実施するために行われる分析手法のこと。重点分析。

例えば重要度が売上高の場合、累積で70%までの売上を占める商品をAグループ、70%~95%までの売上を占める商品をBグループ、95%~100%を占める商品をCグループに分類する。その上で、売上高への貢献度の高いAグループに対しては在庫管理や販売管理を強化し、一方で貢献度の低いCグループに対しては管理を簡素化することで、効果的な施策につなげられる。

商品の「売れ筋(Aグループ)」や「死に筋(Cグループ)」を把握することで、さまざまなマーケティング施策を効果的にすることができる。「パレートの法則(80:20の法則)」と似た考え方である。

ABCの分類を何%で行わなければならないという規則は特にない。

顧客分析の側面で類似した手法に、全顧客の購入金額の高い順に10等分の顧客グループを作って分析するデシル分析がある。

HiPPO

HiPPOとは、「The Highest-Paid Person’s Opinion」もしくは「The Highest-Paid Person in the Office」の略語で、組織における高給取り幹部による意見、もしくは高給取り幹部そのものを意味するビジネススラング。社長や役員、マネージャーのような、組織上の重要な役職に就き、高い給料を得ている者(の意見)に該当する。読みは「ヒッポ」。

重要な役職かつ高い給料を得ている者は発言力が強く、現場の業務を担当するメンバーの意見を一蹴できる。そのため、現場のメンバーは自分たちの意志意向を進める際に、HiPPOの意見を類推しつつ、どのように意見を述べるかを検討することになる。

「Hippo」は英語の「カバ」を意味する「Hippopotamus」の略語でもある。カバの外見からイメージされる「偉そうに見える重鎮」を連想させ、高給取り幹部を揶揄している表現とも言える。

FF外

FF外とは、相手のSNSアカウントを自分はフォロー(follow)しておらず(自アカウントのフォロイー followeeではなく)、また相手が自分のフォロワー(follower)でもない状態を指す。読みはおそらく「エフエフがい」。主にTwitterで用いられるインターネットスラング。

これまでTwitter上でコミュニケーションをとったことのない相手、ソーシャルグラフの外にいる相手に対してツイートをする際に、「FF外から失礼します」と前置きの挨拶として多く使用される。「あなたをフォローしておらず、あなたは私のフォロワーでもないですが」と前置きした上で、相手のツイートに対して自分の意見を述べるといった展開が多い。

Twitterの公式のルールやマナーではない。本来「FF外から失礼します」と前置きすることは一切必要ない。

2016年の後半から日本の一部ユーザーで自然発生的に利用されるようになったフレーズである。「初対面の人には一声かけてからやりとりをするべき」という思想に基づき使用されていると考えられる。あくまでローカルルール(勝手ルール)にすぎず、強要すべきではない。

F外失

2017年の後半から、一部のユーザーが「FF外から失礼します」の意味で「F外失」と略した表現を用いるようになった。読みはおそらく「エフがいしつ」。

FF外から失礼します – Twitter検索
F外失 – Twitter検索

ICEスコア

ICEスコア(ICE score)とは、改善案や着手すべき施策が多い際に優先すべきものを順序づける手法のこと。「影響力、インパクト(Impact)」、「信頼度(Confidence)」、「容易性(Ease)」の3つの要素を掛け合わせて算出する。

ICEスコア = 影響力(Impact) × 信頼度(Confidence) × 容易性(Ease)

影響力はその案が改善対象の成果やKPIに与える効果の量、信頼度はその案が成功する可能性や確率、容易性はその案の実行しやすさで、これら3つを数値化しスコア付けをする。

3つの値は、それぞれ1から10の相対的な基準で値付けする。明確な基準がない場合が多く、現実的には関与するメンバー間での合意を元に数字を当てはめるのが妥当だろう。

メディア『GrowthHackers』のSean Ellisによって提唱された。特にスタートアップ企業やスモールビジネスにおいて用いられている。

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ロングテール

ロングテール(long tail)とは、アマゾンをはじめとするEC(インターネット通販)などにおいて、主要な売上を占める売れ筋商品以外の「多品種で少量のニッチ商品」を大量にそろえることで、全体の売上を大きくする販売手法、もしくはそこから派生した概念、戦略のこと。

縦軸に販売数量や売上、横軸を商品として販売数量順(売上順)でグラフにした際、ベキ分布のグラフが恐竜の「長い尻尾(long tail)」に見えることが由来である。

雑誌『Wired』編集長だったクリス・アンダーソン (Chris Anderson) が、2004年に同紙に執筆した記事にて提唱した。

従来、マーケティングの分野では「パレートの法則」として上位20%の商品が80%の売上を占めると認知され、上位20%の商品に対して注力することが多かった。それに対して、物理的制約が少ないとされるインターネット販売、ECにおいては、下位80%のニッチ商品による売上も大きい場合があり、無視できない存在である。

ロングテールは年々長くなる一方で、近年ソーシャルメディアやSNSの波及力が増大化し、「みんなが話題にする同じ商品」が大ヒットとなる「モンスターヘッド」という現象も起きている。

E-A-T

E-A-Tとは、Googleが高品質なWebサイトやページに必要な要素として重視している3つの要素のことで、「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」のそれぞれの頭文字をとって表される。Google検索の検索品質評価ガイドラインの項目の一つ。

すべてのWebサイトは、E-A-T値がいかに高いかを示す必要がある。

情報の分野によって求められる基準は異なるが、あるテーマに対して権威性と信頼性があるとみなされるのに十分な「専門性」が必要であり、YMYLのカテゴリに該当する場合は特に重要となる。

タイポグリセミア現象

タイポグリセミア現象(typoglycemia)とは、文章に含まれる単語を構成する文字を並べ替えても、多くの人間はその文章を問題なく読めてしまう現象のこと。

人間は単語を、一文字ごとの理解ではなく一つの集合として視覚的に認識しており、人間の脳が単語を瞬時に予測、補正しているため、読むことができるとされる。ただし、脳による予測や補正は個人の知識やボキャブラリーに依存するため、現象の発生には年齢差や個人差がある。

タイポグリセミア現象を引き起こすには、「単語の最初と最後の文字は正しいものにする」などの条件が必要となる。日本語では「単語を構成する文字は6文字前後以内」などの条件が加わる。

「typo(タイポ、誤植)」と「hypoglycemia(ハイポグリセミア、低血糖)」の組み合わせによる造語。

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DAU/MAU比率(アクティブ率)

DAU/MAU比率とは、主にWebサービスやアプリなどにおいて日常的にどれぐらいの頻度で利用されているかというアクティブさ、粘着性(スティッキネス)を測る指標のこと。

ユーザーの粘着性(スティッキネス)エンゲージメントを表す重要な指標の一つである。WebサービスやアプリなどのKPI「アクティブ率」の定義や算出方法はさまざまであるが(他の代表的なものにアプリのダウンロード数を元にした「MAU/DL」がある)、この「DAU/MAU比率」がアクティブ率として扱われる場合がある。

「DAU/MAU率」、あるいは単純に「DAU率」などと呼ばれる場合がある。

計算式

DAU/MAU比率は、DAU(デイリーアクティブユーザー数)MAU(月間アクティブユーザー数)で割った比率で計算される。

DAU/MAU比率 (%) = DAU / MAU

基準や目安

アプリにもよるが、日常的な利用を見込んだアプリのDAU/MAU比率は10%~20%が標準的とされる。一般的には20%を越えると優秀な状態、40%~50%を越えるのは非常に限られたアプリである。

日常的な利用を想定していないアプリでは、DAU/MAU比率は必ずしもユーザーのスティッキネスを適切に評価しない場合がある。