心理学に関するキーワード(117件)

心理学に関するキーワード一覧です。

スラッジ

スラッジ(sludge)とは、人々の行動をより良いものへと誘導する手法や仕掛けである「ナッジ」を悪用して、それを阻んだり不利な方へ誘導したりする手法や仕掛けのこと。「負のナッジ」と言える。もともとは英語で「泥」「ぬかるみ」を意味する単語である。 行動経済学の知見に基づく「ナッジ」 [……]

ピア効果

ピア効果(peer effect)とは、組織や集団に身を置くことでその同僚や仲間などの関係性の近い人から影響を受けること。所属するメンバーに触発されて、お互いの意識や行動に影響を与えるというものである。経済学や教育学において用いられることが多い。「peer」は「同僚」「同等の人」 [……]

マインドワンダリング

マインドワンダリング(mind-wandering)とは、一般的には集中して課題や作業に取り組んでいるときに、それとは無関係なテーマに思考や注意が移っていく心理的状態や現象のことを指すことが多い。「心ここにあらず」の状態である。学術的にもさまざまな見解があり、普遍的な定義としては [……]

ローボール・テクニック

ローボール・テクニック(low-ball technique)とは、最初に受け入れられやすい要求を承諾させた後に、相手に都合の悪い条件を加えたり当初の条件の一部を取り除いたりする交渉テクニックのこと。「特典除去法」「承諾先取り法」とも呼ばれる。「自分の発言や行動、態度、立場を一貫 [……]

ドア・イン・ザ・フェイス(譲歩的依頼法)

ドア・イン・ザ・フェイス(door-in-the-face technique)とは、あえて最初に大きな要求をして相手に断らせることで、譲歩案として本来の要求を承諾させやすくする交渉テクニックのこと。「譲歩的依頼法」とも呼ばれ、「一度断った」ことへの罪悪感からお返しをしなければ申 [……]

フット・イン・ザ・ドア(段階的要請法)

フット・イン・ザ・ドア(foot-in-the-door technique)とは、相手に目的の要求を承諾してもらうために、最初に小さな要求を承諾させて徐々に要求を大きくしていく交渉テクニックのこと。「段階的要請法」とも呼ばれ、「自分の発言や行動、態度、立場を一貫したものとしたい [……]

テンション・リダクション効果

テンション・リダクションとは、緊張状態から解放されたときに反動で注意力が散漫になり、寛大な気分になったり判断力が低下すること。マーケティングの領域で応用され、その効果を「テンション・リダクション効果」と呼ぶことがある。 例えば高額な商品の購入を検討しているとき、事前に入念な調査や [……]

パーソナルスペース(対人距離)

パーソナルスペース(personal space)とは、その人が心理的に自分のものだと捉えるその人を取り巻く空間領域のこと。 多くの人は自分のパーソナルスペースを大切にし、他人に侵害されると不快、不安、怒りを感じる。その範囲は性別や年齢、性格、対人関係や集団状況、文化などにより異 [……]

ゼロリスク・バイアス

ゼロリスク・バイアス(zero-risk bias)とは、特定の小さなリスクを完全に無くすことに対して高い意識を持っているが、それよりも重要な全体のリスクには注意を払わない傾向のこと。部分的なリスクを過度に評価して完全な排除を望み、それを全体のリスク低減よりも優先させようとする心 [……]

ブレミッシュ効果

ブレミッシュ効果(blemishing effect, blemish effect, ブレミッシング効果)とは、製品やサービスに少しネガティブな要素があった方が、すべてポジティブで完璧な状態よりも支持を得る効果があるという心理的作用のこと。 製品に少しの欠点や弱みがありそれを提 [……]

ゴーレム効果

ゴーレム効果(Golem effect)とは、他者からの期待値が低いほど成績が低下してしまうという心理的現象のこと。教師が生徒に対して見込みがないと思いながら接するとそれに応じて生徒の成績は下がる、といった例が挙げられる。 期待すると成績が伸びる効果「ピグマリオン効果」とは反対の [……]

メタ認知

メタ認知(metacognition)とは、自分が物事を認知している状態を客観的に捉えて制御すること。つまり「認知していることを認知すること」である。 メタは「高次の、超越した」の意味であり、知覚、情動、記憶、思考などの自己の認知活動を高次の第三者視点から俯瞰して認識することであ [……]

ヒックの法則(ヒック・ハイマンの法則)

ヒックの法則(Hick’s law)あるいはヒック・ハイマンの法則(Hick–Hyman law)とは、選択肢の数と人の意思決定にかかる時間の関係において、選択肢の数が増えると意思決定にかかる時間も対数的に長くなるという心理学的な法則のこと。1951年にイギリスの心理 [……]

ベンジャミン・フランクリン効果

ベンジャミン・フランクリン効果(Benjamin Franklin effect, Ben Franklin effect, ベン・フランクリン効果)とは、ネガティブな感情を抱いていた相手からの頼み事を引き受けることで、相手への感情や態度がポジティブに変化する心理的傾向のこと。 [……]

優越の錯覚(レイク・ウォビゴン効果)

優越の錯覚(illusory superiority)とは、自分の資質や能力が他の人と比較して優れていると過大評価する心理的傾向のこと。自己に関する肯定的な錯覚、認知バイアスの一つである。 この心理的傾向は、過去のさまざまな研究によって繰り返し報告されている。車を運転する人の多く [……]

ブーメラン効果

ブーメラン効果(boomerang effect)とは、コミュニケーションの送り手の意図に反して受け手の態度が意図から反対の方向へと変わる現象のこと。依頼や説得、行為を試みた結果、相手は意図とは反対の態度や意見、結果になり逆効果になってしまうこと。外部から自由を制限されるとそれに [……]

生存者バイアス(生存バイアス)

生存者バイアス(survivorship bias)もしくは生存バイアスとは、何らかの成功を遂げた一部の人物や企業、物事のみを基準とすることで誤った判断をしてしまうこと。 事象や手段を評価する際に、成功せず失敗に至った数多くの事象を考慮することなく、一部の成功事例のみをもって判断 [……]

正義中毒

正義中毒とは、自分の考えに反する他人の言動に対して「許せない」「間違った人を罰しなければならない」と過剰な攻撃をすることを当然の正義であるかのように感じている状態のこと。脳科学者の中野信子氏が命名した。 自分の倫理観や道徳観に反する他人の言動に対して過剰に攻撃的になり、正義感を振 [……]

黒い羊効果

黒い羊効果(black sheep effect)とは、非好意的に評価している内集団(自分が所属する集団)のメンバーに対して、同程度に非好意的に評価している外集団(自分が所属しない集団)のメンバーよりもさらに低く評価し、差別や除外すること。 内集団のメンバーと外集団のメンバーへの [……]

リンゲルマン効果(社会的手抜き)

リンゲルマン効果(Ringelmann effect)とは、集団で共同作業を行う際に、人数の増加とともに個々のメンバーの生産性が低下する現象のこと。集団形成で起こる怠惰現象である。「社会的手抜き (ソーシャルローフィング, 社会的怠惰, social loafing)」「フリーラ [……]

トキシック・ポジティビティ(有害なポジティブさ)

トキシック・ポジティビティ(toxic positivity)とは、どんなにつらい状況であっても常にポジティブな思考を維持すべきだという信念のこと、もしくはそれを過度に一般化しすぎる状態のこと。ネガティブな感情は抑圧すべきものでポジティブな状態を過度に強制、肯定するという状態であ [……]

インポスター症候群

インポスター症候群(impostor syndrome, impostor phenomenon)とは、特定の分野で社会的に成功した事実などがあるにも関わらず、自分の能力や実績を内面的に肯定できずに自分自身を過小評価してしまう心理的傾向のこと。「インポスター体験」「詐欺師症候群」 [……]

近接性バイアス

近接性バイアス(proximity bias)とは、日常的に物理的な距離が近かったり直接対面で接する時間が長かったりするほど、その相手を優遇して好意的な関係を持ちたいと思う心理的傾向のこと。 物理的な距離が遠い人よりも近い人の方が親密になりやすい。これは、何度も繰り返し接触するこ [……]

バイアスの盲点(バイアスブラインドスポット)

バイアスの盲点(bias blind spot, バイアスブラインドスポット)とは、自分の判断は他人よりもバイアスの影響を受けていないと思っている認知バイアスのこと。誰もが世の中にあるさまざまなバイアスや偏見の影響を受けていることを理解しながらも、自分自身についてはその影響は他人 [……]

確証バイアス

確証バイアス(confirmation bias)とは、自分の主張や思考に都合の良い情報ばかりを収集、選択し、反証する情報を過小評価や無視したり収集しようとしない心理的傾向のこと。認知バイアスの一種。多種多様な情報があったとしても自分の主張に有利な情報ばかりを重視するため、非合理 [……]

シミュラクラ現象(類像現象)

シミュラクラ現象とは、人は3つの点が逆三角形に配置されていると「人間の顔」に見えてしまうという錯覚や本能のこと。模様やデザインとして点や線が逆三角形に配置されていたとき、本来は人間の顔を意図しないものにもかかわらず、人間の顔に見えたりそこに感情を抱いたりするというものである。「類 [……]

メラビアンの法則(7-38-55のルール)

メラビアンの法則とは、「感情や態度を伝える際に矛盾したメッセージを発したとき、他人が受け止める影響の度合いは、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%である」という実験結果が通俗的に拡大解釈されたものである。 もともとは、アメリカのカリフォルニア大学の心理学者アルバート [……]

デフォルト効果

デフォルト効果(default effect)とは、人間の意思決定や選択が最初に設定されている初期値(デフォルト)に影響されるという心理的傾向のこと。変える必要のないものに対して思考エネルギーの消費を回避しようとしたり、現状からの変化を「安定の損失」と認識したりする「現状維持バイ [……]

気分一致効果

気分一致効果(mood-congruent effect, mood-congruency effect)とは、特定の感情状態と一致する感情的な記憶の想起が促進される心理的現象のこと。そのときの気分が思考に影響を与えるというものである。 ポジティブな気分のときには楽しかった出来事 [……]

ゼロサム思考(ゼロサム・バイアス)

ゼロサム思考(zero-sum thinking)とは、物事を白黒(0か100か)で判断したり選択肢を極端な2択に絞り込んだりしてしまう思考のこと。「ゼロサム・バイアス (zero-sum bias)」。 経済学の「ゼロサム」の概念から「社会関係もゼロサムゲームである」と極端に解 [……]