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2024年サイゼリヤおいしかったメニューBEST10

2024年サイゼリヤおいしかったメニューBEST10

こんにちは、マキタニです。

2024年12月もそろそろ終わりそうですので、今年も「2024年サイゼリヤおいしかったメニュー」を発表いたします。今年に入ってからサイゼリヤで食べたメニューの中から選んでいます。

目次

食べたメニューは41種類119皿、訪問回数は44回

この1年間で食べたメニューは41種類119皿でした(ドリンクバーやワインなどを除く)。種類も皿数も訪問回数も、どれも年々減っています。サイゼリヤ自体がメニュー数を減らしているのに加え、今年は特に訪問回数は少なめでした。

メニューのカテゴリー別に見ると、今年も前菜が41皿と多いです。

食べたメニューのカテゴリー別皿数
食べたメニューのカテゴリー別皿数

サイゼリヤに行った回数は対象期間に44回でした。昨年が59回でしたので、-15回の減少は少し大きめです。

月別サイゼリヤに行った回数の推移
月別サイゼリヤに行った回数の推移

それでは始めましょう。各メニューの括弧の数字は食べた回数です。

第10位 ティラミスクラシコ[3回]

ティラミスクラシコ
ティラミスクラシコ

デザートの人気メニューの一つ「ティラミスクラシコ」。イタリア直輸入もののしっとりおいしい定番のデザートメニューです。

今年はデザートメニューを選んだ回数は合計6皿に留まり、あまり食べていません。その中でも3皿いただいていたのが、このティラミスクラシコです。

第9位 イタリアンプリン[2回]

イタリアンプリン
イタリアンプリン

デザートの人気メニューの一つ「イタリアンプリン」。こちらもイタリア直輸入ものの定番デザートメニューです。

隙あらば食べようと心掛けているのですが、今年はうっかり2回の摂取に留まりました。反省しています。来年はもう少しいただきたいです。

第8位 バッファローモッツァレラのカプレーゼ[4回]

バッファローモッツァレラのカプレーゼ
バッファローモッツァレラのカプレーゼ

2023年から一部地域で提供されるようになった「バッファローモッツァレラのカプレーゼ」。2024年10月の時点ではまだ一部地域で体裁の異なる「モッツァレラトマト」が提供されていましたが、執筆時点では全店舗共通でこの「バッファローモッツァ+ミニトマト」の体裁になったのかもしれません。

ミルキーなバッファローモッツァレラが大好きなので、比較的チョイスする機会が多かったです。

第7位 イカの墨入りセピアソース[7回]

イカの墨入りセピアソース
イカの墨入りセピアソース

今年の2月のグランドメニュー改定で、それまで提供されていた「イカの墨入りスパゲッティ」と差し替わる形で登場した「イカの墨入りセピアソース」です。今年の途中から登場したにもかかわらず、7回も食べていました。

それまでの「イカの墨入りスパゲッティ」はやや独特な生臭さもあるイカ墨の香りがきちんとしていて、「一部の人が好むメニュー」でした。一方、この「イカの墨入りセピアソース」は「出汁っぽさ」「魚介の香り」を強調した味です。「食べたときに口の周りや歯があまり汚れないように」とイカ墨の量も調整されました。

以前の「イカ墨感」を求める人には残念なリニューアルかもしれません。個人的には「嫌いじゃない」です。毎回「嫌いじゃない」と言いながら食べています。「嫌いじゃない」はつまり「(なんだかんだ言いながら)実は好き」という面倒くさい表現です。

言いたいことはちょいちょいあります(唐辛子がほしい、もう少しイカ墨感もほしい、など)。一方でこの「出汁っぽさ」「魚介の香り」を強調した味は「日本人の好きそうな味だなー」とも思うわけです。スパゲッティに絡む黒色のソースも「もしかしてこれは海苔じゃないのか?」とすら疑ったりします。

そして私は日本人です。なんだかんだと「嫌いじゃない」と答えてしまいます。

なにはともあれ、「イカ墨パスタ」としてなんとか生き残ったことをポジティブに受け止めたいです。

メニュー名についてはどうなんでしょう、「セピア (sepia)」そのものが「イカ墨」を意味するので、訳せば「イカの墨入りイカ墨ソース」になってしまいます。しかし、サイゼリヤには他にも「シシリー風」「ボロニア風」「ディアボラ風」など「本来の意味からはだいぶ実態は違っているかもしれないけれど、変えるに変えられないメニュー名」も多くあり、1周回ってイメージや雰囲気としてこれはこれとして定着すればいいのかもしれません。

第6位 エスカルゴのオーブン焼き[2回]

エスカルゴのオーブン焼き
エスカルゴのオーブン焼き(手前)

サイゼリヤを代表するメニューの一つ、「エスカルゴのオーブン焼き」。

2020年から年間の「サイゼリヤおいしかったメニューBEST」を選んでいますが、おそらく初めてのピックアップです。頻繁に注文するメニューではありませんし、ランチに食べるメニューとして選ぼうとしなかったのが理由として大きいかもしれません。

あるとき、ふと「ランチでエスカルゴを軸に選んでもいいんじゃないか」と思い、試してみたら満足度が高かったんですね。エスカルゴとプチフォッカとスープでちゃんとランチとして成立します。

エスカルゴをプチフォッカにつめた状態
公式にもおすすめされているように、エスカルゴをプチフォッカに詰めて食べるのがおいしい

別の機会にもう1回試し、「なんだ、エスカルゴをランチに食べてもいいんだ」という結論に至りました。

イタリアでもカタツムリはメジャーではないものの意外に利用される食材です。さまざまなタイプの郷土料理があるようですが、サイゼリヤの「エスカルゴのオーブン焼き」は日本の洋食でも馴染みあるフランス料理のブルゴーニュ地方のスタイルです。サイゼリヤは「日本の洋食」由来のお店ですし、珍味的食材を日本人に馴染みのあるスタイルでここまで普及させたということで、変に馴染みないイタリアの郷土料理を導入しなくて良かったのだと思っています。

第5位 モッツァレラのサラダ[6回]

モッツァレラのサラダ
モッツァレラのサラダ

バッファローモッツァレラとルーコラを楽しめた「モッツァレラのサラダ」。2023年4月に登場したサラダのメニューですが、今年10月のグランドメニュー改定で提供休止になりました。

大好きなバッファローモッツァレラと大好きなルーコラがのり、オリーブ&ビネガーのドレッシングが使用されたサラダでした。食事のスタートとして「そこまで自己主張が強くないものの、最初の皿としての役割をきとんと果たす存在」であり、とても大好きでした。まさかなくなるとは思っておらず、油断していました。

さらに残念なのは、この10月のメニュー改定のタイミングでルーコラを使用したすべてのメニューが提供休止になったこと。サイゼリヤでルーコラが提供開始されたのが1994年でちょうど30年になるのですが、初めて私がルーコラを食べたのがサイゼリヤだったこともあり、さびしくなります。契約農家に栽培してもらっている野菜の一つですし、すぐの再登場は期待できないかもしれません。

第4位 アスパラガスの温サラダ[7回]

アスパラガスの温サラダ
アスパラガスの温サラダ

ここ何年かは春になるとグランドメニューに登場する「アスパラガスの温サラダ」。好んで食べるメニューの一つです。

よく行く店舗は6月のメニュー改定で下がってしまいましたが(一部地域では10月まで提供されました)、2月から6月までの4カ月という短い期間に7回もいただいたお気に入りメニューです。

今年のバージョンは「アスパラガス+グランモラビアチーズ」というやや物足りないスタイルでした。2回目の注文以降は「トッピング半熟卵」を追加注文し、かつて提供されていたスタイルでいただいて満足度を高めていました。

「アスパラガスの温サラダ」に追加注文の「トッピング半熟卵」をのせた写真
「アスパラガスの温サラダ」に追加注文の「トッピング半熟卵」をのせてヴェネト州のスタイルで食べるように

イタリアのヴェネト州の郷土料理では、アスパラガスは卵と組み合わせます(どちらかといえばホワイトアスパラガスです)。ですので「アスパラガス+卵」のスタイルが本来あってほしい体裁なのですが、サイゼリヤの価格維持の影響がこういうところに出てもどかしいというかなんというか。まだこれは追加注文によって各自でなんとかできて事なきを得たケース。

第3位 きのことほうれん草のクリームスパゲッティ[4回]

きのことほうれん草のクリームスパゲッティ
きのことほうれん草のクリームスパゲッティ

迷いつつ第3位はこの「きのことほうれん草のクリームスパゲッティ」。今年2月のメニュー改定で新しく登場したメニューです。3種のきのことほうれん草とパンチェッタが入り、ホワイトソースで仕上げたスパゲッティです。執筆時点のサイゼリヤのパスタの中で一番値段の高いメニューです(といっても600円です)。

きのこの香りがふわっと香り、まろやかなホワイトソースとよく合っておいしいです。と言いつつ、気温が暖かくなり暑くなり、6月を過ぎると見向きもしなくなってしまいました。これは「冬のメニュー」ですよね。ブラックペッパーがデフォルトで多めにかかっているのもいいです。個人的好みを言えばほうれん草は少なめでいいです。

第2位 田舎風ミネストローネ[9回]

田舎風ミネストローネ
田舎風ミネストローネ

いろいろな野菜の入った「田舎風ミネストローネ」。根菜類や葉物の野菜、白いんげんなどの豆類、ショートパスタなど、さまざまな具材が煮込まれたスープです。

去年の「BEST20」では1位に選びましたが、やはりおいしいです。去年も書いているのですが、白いんげん豆が入ったメニューは贔屓しがちです。

今年ふと試したアレンジメニューに「パッパ・アル・ポモドーロ」があります。イタリアのトスカーナ地方の家庭料理で、固くなったパンをトマトソースで煮込んだ料理です。サイゼリヤの「ミニフィセル」をちぎって「田舎風ミネストローネ」にひたひたに浸し、オリーブオイルをかけてパン粥のようにしていただきます。おいしいです。

「田舎風ミネストローネ」にちぎった「ミニフィセル」を浸して作ったアレンジメニュー「パッパ・アル・ポモドーロ」
「田舎風ミネストローネ」にちぎった「ミニフィセル」を浸して作ったアレンジメニュー「パッパ・アル・ポモドーロ」

第1位 柔らか青豆の温サラダ[16回]

柔らか青豆の温サラダ
柔らか青豆の温サラダ。オリーブオイルをスプーン1杯にブラックペッパーを追加したもの

サイゼリヤの影の人気メニューで、毎年「おいしかったメニューBEST」でも選んでいる「柔らか青豆の温サラダ」。今年は訪問回数が少なかったにも関わらず16回もいただきました。

今年2月のグランドメニュー改定からグランモラビアチーズがかかるバージョンに変わりました(ペコリーノチーズの利用休止に伴うもの)。

今年試したアレンジメニューに「リージ・エ・ビージ」があります。エンドウ豆の産地ヴェネト州の郷土料理で、エンドウ豆と米のミネストラ(スープ)、もしくはエンドウ豆のリゾットです。サイゼリヤでは「ライス」と「トッピング粉チーズ(グランモラビアチーズ)」とオリーブオイルを使ってアレンジしていただきます。

青豆とライス、グランモラビアチーズとオリーブオイルで作ったアレンジメニュー「リージ・エ・ビージ」
青豆とライス、グランモラビアチーズとオリーブオイルで作ったアレンジメニュー「リージ・エ・ビージ」

これでランチとして成立するのですが、「青豆」「ライス」「トッピング粉チーズ」という謎な組み合わせになり、従業員に「ん?」と思われるかもしれません。でも良いのです。サイゼリヤですから。

以上、マキタニの選ぶ「2024年サイゼリヤおいしかったメニューBEST10」でした。気になるメニューはありましたか?

この10年間のサイゼリヤの動きを整理してみる

さて、2020年から年間「サイゼリヤおいしかったメニューBEST」を5年続けてきて、サイゼリヤにも少なからず変化がありました。こちらは一利用者として利用するだけですが、企業としてのサイゼリヤにとってはなかなかなハードシングスの多い期間だったはずです。

サイゼリヤのメニュー数の変化と社会情勢
サイゼリヤのメニュー数の変化と社会情勢

上図は10年間のサイゼリヤのメニュー数の変化と社会情勢を並べたものです。2019年の「消費税増税」以降、「コロナ禍」「円安加速」「イタリア産豚肉製品の輸入停止」「オリーブオイルの世界的な高騰」「輸送費高騰」「鶏卵をはじめさまざまな食材の高騰」といった厳しめの外部要因が並びます。その中で、サイゼリヤのメニュー数は2019年をピークに減少が続いています。

サイゼリヤは消費者に向けて「値下げをしない」のメッセージを送りつつ、経営の舵取りをしていました。メニュー数を減らしてコントロール要素を絞ったというのは施策の一つです。ここに挙げていない取り組みは表からは見えないものを含めてもっと多いはずです。その中で、2024年8月期の国内事業を営業利益27億円の大幅黒字で着地させたのには、まずは頭を下げたいです。お疲れさまでした。

一方、結果として全体のメニュー数は減少し、メニューの体裁や食材などの合理化も進みました。魅力的だったメニューのいくつかは姿を消し、体裁が変わり、テーブル調味料のいくつかは有料や廃止になり、一部利用客からの「味が云々」「質が云々」の声も目立つようになりました。

私も足を運ぶ機会が減りました。「アレンジしにくくなったなー」「組み合わせしにくくなったなー」というのが理由になるでしょうか。きっとそこに魅力を感じていたのでしょう。昨年の訪問回数59回に対して、今年の訪問回数は44回になりました。

2025年のサイゼリヤはどこに向かうのか

さて、2025年のサイゼリヤはどのような方向に進むのでしょうか。

基本的には2022年の社長交代以降の方針が継続されると思われます。外的要因の状況好転は期待できませんので合理化の推進は継続し(メニューやオペレーションなど)、新規出店は引き続き未出店商圏を中心に展開し、中期的な拡大に向けて体力づくりと整備を進める、と捉えています。

  • 合理化の推進の継続(メニューやオペレーションなど)。外的要因の状況好転を期待できないため
  • 国内未出店県への積極出店の継続
  • 合理化を基盤にした中長期の拡大路線。そのための国内の新工場建設およびベトナム進出(種まき)

この中で「メニュー開発での趣味嗜好的こだわり」「イタリア郷土料理の探求」などを再びねじ込むのは、なかなか難しいと感じます。

例えば「イタリア料理らしい魅力的な新メニュー」はそこまで期待できないと受け止めています。変数を減らし、どちらかといえば「サイゼリヤ的定番メニュー」をより強固なものにする方向でしょう。「サイゼリヤらしいメニュー」をより多くの人にチョイスしてもらうようなムーブです。小エビのサラダ、ミラノ風ドリア、辛味チキン、エスカルゴ、タラコソース シシリー風などが「サイゼリヤと言えば」で挙がる「(一般的なイタリア料理ではない)洋食的イタリアンのメニュー」ですが、それをより全面に中心に据えたメニュー構成です。

それは個人的な嗜好ではないのですが、企業としてサイゼリヤが「生き残る」「繁栄する」には妥当な動きであることも確かです。

株主総会では社長から「デザートの拡充予定」の発言があったようです(デザートのカテゴリーはこの4年間でメニュー数を大きく減らしています)。加えて、合理化を進める中での新しいメニューもいくつかは登場するでしょう。調達量などに影響するので勝手な素人発言ですが、例えば「イカの墨入りセピアソース」に使用している「ヤリイカ」は執筆時点で他のメニューに使用されておらず、違うメニューでの利用もあって良いのでは?と思ったりします。

かつて所属した企業です。変わらず2025年もサイゼリヤには行きますし、気にかけている企業には変わりません。何か突発的に気になるメニューが出てくればラッキー、ぐらいに思いつつ、静かに見守りたいと思います。

良い2025年を。

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