投稿者「シマウマ用語集」のアーカイブ

アトム化(原子化)

「アトム化」とは、「孤立化」という意味で用いられることが多い。もしくは「これ以上分割できない小さな単位に分割する」という意味でも用いられる。「原子化」ともいう。

「アトム」は「原子」を意味するが、ギリシャ語で「それ以上分割できないもの」という意味の「atomos」に由来する。

例えば社会などの共同体が近代化する中で、人間が労働の役割を持った機械部品のような存在になってしまい、人間らしさや個人としての存在を失ったり周囲との関係が希薄化したりする様子や現象を「人間疎外」「アトム化(原子化)」と呼ぶことがある。

本来の共同体は人間の集まりである。しかし、近代化が進み技術が発展する中で機械化されたものが増え、それを維持するために人間が労働する、つまり機械が人間を必要としその維持を目的として人間が機能するという状況が生まれてきたということである。

FMCG (fast-moving consumer goods, 日用消費財)

FMCGとは、「fast-moving consumer goods」の略で、消費者向けの日用消費財のことである。比較的短期間で消費される低価格の製品であり、食料品や飲料、洗剤や洗面用品、化粧品、一般用医薬品、文房具、消耗品などの非耐久消費財が該当する。

コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ディスカウントストアなどの小売店は、限られた商品棚の回転率を上げるためにこのFMCG(日用消費財)を中心に取り扱っている。

GA (general availability, 一般公開版)

GAとは、「general availability」の略で、ITやシステム、ソフトウェアの領域では一般公開されたバージョンのことを表す。「正式版」「正規版」のこと。「GA版」とも呼ばれる。

ITやソフトウェアの開発の最終段階において、開発者がテストやデバッグを終えて一般ユーザー向けに公開したバージョンのことである。開発初期や開発途中の試作版は進捗に応じて「アルファ版(α版)」「ベータ版(β版)」「プレビュー版(PR版)」などと呼び、改善や検証を重ねていく。これらの一般公開前の試作版と区別するために「GA版」と呼ばれる。

OOTB (out of the box)

OOTBとは、「out of the box (アウト・オブ・ザ・ボックス)」の略で、ITやシステム、ソフトウェアの領域では「入手後すぐに利用できる」という意味で用いられる英語のフレーズ。元は英語で「箱から取り出して」の意味。

製品やソフトウェアを導入する際、ユーザーによるインストールや初期設定が最初に必要となる場合があるが、そのような事前の設定の必要なく入手後すぐに本来の利用目的で利用できる状態を表す。また、カスタマイズやオプション設定のない状態の「標準機能」という意味で用いられる場合もある。その意味では「バニラ」と類似する。

ゼロトラスト・セキュリティモデル

ゼロトラスト・セキュリティモデル(zero trust security model)とは、セキュリティの対象となるものに接続するものを基本的にすべて信用せずに安全性の検証を行うセキュリティモデルのこと。単に「ゼロトラスト」とも呼ぶ。

従来のセキュリティモデルは、例えば社内と社外のようにネットワークを分離してその境界線上にセキュリティ対策を施す「境界型防御」の考え方を中心に据えていた。境界型防御においては、セキュリティ対策によって外部の脅威から守られている内側は安全とされてきた。しかしクラウドサービスやモバイル端末、「BYOD (Bring Your Own Device)」の利用などが増加する中、境界線はあいまいになり境界型防御が機能しなくなり始めた。そういったセキュリティリスクが増加する中でゼロトラストの考え方に注目が集まるようになっている。

KOC (Key Opinion Consumer)

KOCとは、Key Opinion Consumerの略で、中国の消費者に影響力を持つインフルエンサーのこと。特定のカテゴリーやジャンルに特化して影響力を持つ「KOL (Key Opinion Leader)」よりも立場は一般の消費者に近く、広い範囲の情報を扱うことが多い。

KOLには及ばないことが多いが、ソーシャルメディアのWeiboやWeChat、動画SNSなどで多くのフォロワー数を抱える。

マスメディアの情報がそれほど大きな信頼を得ていない中国では、KOLやKOCを活用したマーケティングやプロモーションが普及し、消費者もより信頼のある新しい情報を得るためにKOCアカウントをフォローしている。

デスティネーション・ストア

デスティネーション・ストア(destination store)とは、消費者が「そこに行けばきっと(探している/ほしい)商品があるに違いない」と期待して目指して来店するようなお店のこと。消費者がその店の名前や場所を知っていることがほとんどで、その商品のカテゴリー内で純粋想起第一想起として挙げられる店舗でもある。消費者が目的や動機を持って来店する「目的来店」の来店先も含み、むしろより特別な目的を持って想起する。

圧倒的な品揃えの量販店や総合店の場合もあるが、専門性や趣味性の高い領域の商品を品揃え深く扱い、また店主のこだわりや価値ある希少な商品を扱うお店、そこでしか体験できないようなお店のことを指すことが多い。

ブーリアン型(論理型, ブール型)

ブーリアン型(boolean datatype)とは、プログラミングなどにおける真理値(真偽値)を扱うデータ型のこと。「true (真)」もしくは「false (偽)」のいずれかの値を持つ。二者択一条件を表し、AND条件やOR条件などの条件分岐、論理演算などにおける重要な変数である。単に「ブーリアン (boolean)」、あるいは「論理型 (logical datatype)」「ブール型」などとも言う。

例えば、ユーザーが特定条件を満たしているかどうかの判断の際などに用いられる。

パワーユーザーカーブ

パワーユーザーカーブ(power user curve)とは、ユーザーが該当の製品やサービスを1カ月(もしくは1週間)の間にアクティブに利用した日数によってユーザーのエンゲージメントを把握しようとするヒストグラム(分布のばらつき)のこと。該当の製品やサービスを毎日のように頻繁に利用し、高いエンゲージメントや愛着をもって夢中になっているユーザー「パワーユーザー (power user)」の存在を把握するのに用いられる。

SaaS領域などのスタートアップ企業において、パワーユーザーの存在は貴重で大きな価値を持つ。そのパワーユーザーの存在や状況の把握としてパワーユーザーカーブが用いられる。1カ月間アクティブな利用日数として1日から30日をグラフの横軸に置き、そのユーザー数をヒストグラムで表す(このパワーユーザーカーブの表現を「L30」と呼ぶことがある)。

パワーユーザーカーブ(L30)
▲パワーユーザーカーブ(L30)

グラフの右側で日数が増えるほどユーザー数が再び多くなってカーブが上がっている場合、一定のパワーユーザーが存在していることになる。

続きを見る »

直リンク(インラインリンク)

直リンクとは、インターネット上に公開されている画像などのメディアファイルやデータファイルのURLを、別のWebサイトから直接参照すること。インラインリンク(inline link, hotlink)ともいう。

例えば、他サイトの画像をそのURLのまま自サイトのページに直接貼り付けて埋め込み表示させることなどが該当する。この場合、自サイトのページが参照されるたびに画像の設置された他サイトのサーバーにリクエストが発生して負担をかけるため、マナー違反として望まれないことが多い。Webサイトやサーバーによっては禁止されていたり、技術的に外部からの参照をブロックされていることもある。

一方、直リンク(インラインリンク)の違法性に関してはさまざまな議論があるが、少なくとも日本においては著作権の侵害、公衆送信権の侵害には該当しないという判決がいくつか出ている。