Yes, and アプローチ

「Yes, and アプローチ」とは、相手の意見や提案を否定せずに受け入れ(Yes)、そこに新しいアイデアを付け加える(And)というコミュニケーション手法のこと。アイデアの自由な流れを促進し、創造的な思考を刺激することができる。

このアプローチでは、参加者が互いの意見を尊重し受け入れる環境を作り出す必要がある。これにより参加者は自由にアイデアを出し合い、また批判を恐れずに発言できるようになる。アイデアを単に受け入れるだけでなく、それを基に新たな視点や提案を加えることでより豊かな議論を生み出すことができる。

すべての意見を無条件に受け入れることではない。建設的な対話を通じて、例えば適切なタイミングで「No, but…」などとアイデアを建設的に精錬するなど、より良いアイデアや解決策を見出すためのコミュニケーション手法として捉えることが重要である。また、最終的な意思決定の場面では適切な判断基準に基づいた選択が必要となる。

1950年代にインプロビゼーション(即興演劇)の手法として生まれた。その後ビジネスや日常のコミュニケーションでも応用され、チームの創造性を高めるための有効な手段として利用されている。

UpSet plot (アップセット・プロット)

UpSet plot(アップセット・プロット)とは、複数の集合間の交差関係を効率的に可視化するためのデータビジュアライゼーション手法、もしくはそれによって作成されたグラフのこと。ベン図やオイラー図が3~4個を超える集合を表現するのに限界があったのに対し、UpSet plotは数多くの集合とその交差関係を表現することができる。

通常、横方向または縦方向に集合が配置され、それらの交差する部分がバーとマトリクス形式で示される。2014年にHarvard UniversityのAlexander Lexらによって考案され、大規模で複雑な集合データの分析において有用であるとした。

UpSet plot (アップセット・プロット)
Alexander.lex, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

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データ・インク比

データ・インク比(data-ink ratio)とは、グラフや図表全体のインク量に対するデータ表現に使われるインク量の割合のこと。データそのものを際立たせるための基準であり、データ・インク比が高いほどグラフはデータの情報伝達に焦点を合わせてシンプルになり、データが明確に伝わることになる。「良いグラフを描くには、余分なものをすべて削除すべき」という考えに基づく。

データ・インク比を高めることで不要な装飾や冗長な要素(視覚的ノイズ)を排除でき、情報の明確化と効率的な意思決定につなげられる。データビジュアライゼーションの分野で著名なエドワード・タフテ(Edward Tufte)が著書『The Visual Display of Quantitative Information』で提唱した。

あくまでデザイン原則であり、一概に「インクを減らせば良い」というわけではない。

レイジクリック

レイジクリック(rage click)とは、ユーザーがWebサイトやアプリの特定の要素を短時間で繰り返しクリックする行為のこと。この行動は主にユーザーがフラストレーションや混乱を感じていることを示しており、UIやUX(ユーザーエクスペリエンス)の問題を浮き彫りにする重要な要素とされている。

レイジクリックが発生する主な原因として、以下のものが挙げられる。

  • 要素が応答しない:ボタンやリンクが機能しない、または期待通りの動作をしない
  • デザインの混乱:クリック可能に見えるが実際にはクリックできない要素
  • 技術的な問題:ページの読み込みが遅い、JavaScriptエラー、バグなど
  • ユーザーの誤解:要素が何をするのかが明確でない場合やナビゲーションが直感的でない場合

レイジクリックは、ユーザー満足度の低下やコンバージョン率の低下、ブランドイメージの悪化といったネガティブな影響を引き起こしやすい。ユーザーがWebサイトやアプリを離れる原因となったり、ネガティブな口コミを広めてしまう可能性がある。

ケースワーカー

ケースワーカー(caseworker)とは、病気や貧困など生活に困難を抱える人やその家族に対して、福祉事務所などの専門機関にて問題の解決を支援する専門職のこと。生活保護の申請手続きや就労支援、家庭訪問などを通じて利用者の自立を支援する。またこのような業務を「ケースワーク (casework)」という。

主に以下のような業務を行う。

  • 相談対応:利用者の現状や悩みを聞き取り、適切な支援策を検討する
  • 支援計画作成:それぞれの状況に合わせた支援計画を作成する
  • 定期的な訪問:利用者の生活状況を直接確認し、必要な支援を提供する
  • 関係機関との連携:医療機関や福祉施設などの関係機関と連携し、必要な支援につなげる

社会の中で日常生活を送るのが困難だったり問題を抱えたりしている人とその家族に対して適切な助言や支援を行う「ソーシャルワーカー」の一種である。

ケースワーカーになるには、地方公務員試験に合格し福祉事務所などに配属される必要がある。多様な相談内容に対応して利用者との信頼関係を築くことが求められ、コミュニケーション能力や問題解決能力が重要となる。

HRU (How are you?, 元気?)

HRUとは、「How are you?」の略で、「元気?」「どうしてる?」を意味する英語の略語、インターネットスラングである。相手に声を掛ける際の最初の挨拶として用いられる。小文字の「hru」や「Hru」といった表現もある。

メールやショットメッセージやソーシャルメディア(SNS)などのデジタルコミュニケーションにて、カジュアルな表現として用いられる。

類似の表現に「wyd (What you doing?, 何してるの?)」「sup (What’s up?, 最近どう?)」などがある。

ドゥーム・スクローリング

ドゥーム・スクローリング(doomscrolling)とは、ネガティブなニュースや不安を引き起こす情報をソーシャルメディア(SNS)などで延々とスクロールするように見続けてしまう行動のこと。「doom (破滅、絶望)」と「scroll (スクロールする)」を組み合わせた造語である。大量の情報に手軽にアクセスでき、またレコメンドされるようになった現代において顕著に見られるようになった行動や習慣である。

人間は本来、生存戦略としてネガティブな情報を収集しやすい傾向がある。しかしそれが過剰になるとストレスや不安感を増幅させ、精神に悪影響を及ぼし、睡眠障害などを引き起こすことがある。また情報過多により、重要な情報とそうでない情報を区別する能力も低下しやすい。

この習慣を断つためには、スマートフォンの使用時間を制限したり、ポジティブな情報やエンタメコンテンツの積極的な取り入れ、ネガティブな情報から距離を置くといった対策が推奨されている。

ピザ2枚ルール (two pizza rule)

「ピザ2枚ルール (two pizza rule)」もしくは「ピザ2枚チーム (two pizza team)」とは、チームや会議の規模はその効率性を高めるために2枚のピザを賄えるぐらいの人数、5~10人程度に制限すべきであるという組織管理のルールのこと。チームが小さいほどコミュニケーションは円滑になり、意思決定を迅速に行えるという考えに基づく。アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスが提唱したとされる。

チームが小規模であるほど、メンバー間のコミュニケーションは容易になり情報の共有がスムーズに行える。意思決定も迅速で柔軟性もあり、余計な干渉を受けずにプロジェクトを進めることができる。一方で、チームが大規模になるほどコミュニケーションは複雑で意思決定は遅れがちになり、生産性や効率が低下してしまう。イノベーションの促進にはブレーキがかかりやすい。

アジャイル開発などの場面でよく意識される考え方である。

リキッド消費

リキッド消費(liquid consumption)とは、モノを所有して長く使うという従来の考え方とは異なり、必要なときに必要なだけ、あるいはその時々の気分や状況に合わせて柔軟に消費する形態のこと。所有するのではなくアクセスであり、一時的な経験や利用権に対して対価を支払うような流動的で脱物質的な消費である。

2017年にイギリスのフルーラ・バーディ(Fleura Bardhi)とギアナ・エカート(Giana M. Eckhardt)が論文『Liquid Consumption』で発表した。彼女らは、リキッド消費は「短命的 (ephemeral)」「アクセスベース (access based)」「脱物質的 (dematerialized)」の3つの特徴を持つと定義している。

体験やサービスなどコト消費が重視されるようになり、デジタル技術の発達で一時的な利用やダウンロードが一般的になったこと、また環境問題への意識の高まりもあって、リキッド消費が一定のトレンドになったと考えられている。サブスクリプションモデルの拡大やシェアリングエコノミーもリキッド消費の一環である。使いたいときに必要なものを得ることができ、所有の責任や管理コストを負わないという利点もある。

マグニフィセント・セブン

マグニフィセント・セブン(Magnificent Seven, M7)とは、アメリカの株式市場を牽引するビッグテック(Big Tech, 巨大IT企業)の総称で、GAFAMなどと称されることもあるGoogle(Alphabet)、Apple、Meta(Facebook)、Amazon、Microsoftに、TeslaとNVIDIAを加えた7社を指す。2024年頃から用いられ、「M7」と略されることがある。「ビッグ・セブン (Big Seven)」「スーパー・セブン (Super Seven)」とも呼ばれる。

  • Google (Alphabet)
  • Apple
  • Meta (Facebook)
  • Amazon
  • Microsoft
  • Tesla
  • NVIDIA

7社各社は卓越した技術革新力を持ち、時価総額が非常に大きく、株式市場だけでなく社会に大きな影響を与えている。

オファーウォール広告

オファーウォール(offerwall)もしくはオファーウォール広告とは、アプリやWebサイト内で表示されるプロモーションオファーの広告形式のことで、ユーザーはオファーと引き換えに特定のアクションを完了することでポイントやアプリ内通貨、コンテンツの利用といった報酬を得ることができる。リワード広告の一種。

オファーの種類にはアンケートへの回答、動画視聴、他のサービスの利用、ニュースレターへの登録といったものがある。ユーザーはオファーに対して能動的に反応して具体的なアクションを取るため、広告主にとっては成果報酬型となり、また通常のバナー広告や動画広告よりも高いエンゲージメントを期待できるとされる。

一方で、報酬目的の質の低いトラフィックの増加や詐欺のようなオファーの登場、ユーザー体験の低下や広告表示の増加、オファー完了に時間がかかる場合があるなどの課題もある。

シュリンコノミクス

シュリンコノミクス(shrinkanomics, shrinkonomics)とは、日本の少子高齢化や人口減少に伴う経済的影響を指す言葉で、人口の縮小する状況に対応する経済政策を表す。この概念は人口動態の変化の顕著な日本のような国に関連し、他国の参考となるケーススタディとされている。「shrink (縮小)」と「economics (経済学)」を組み合わせた造語である。

シュリンコノミクスの背景には、日本の急速な高齢化と低出生率がある。これにより労働力の減少、税収の減少、社会保障負担の増大などの問題が生じている。例えば労働力不足を補うために、女性や高齢者の労働参加を促進する取り組みや、AIやロボットといった技術の活用が重要視されている。

加えて、人口減少により経済成長が鈍化するリスクがあるため、政府は労働生産性の向上や税制改革などを通じて持続可能な社会システムの確立を目指している。しかしこうした政策は短期的な解決策に留まりやすく、長期的な視点で少子化と高齢化に対応することが求められている。

シュリンコノミクスは単なる「縮小経済」ではなく、人口減少を前提にした新しい経済モデルの構築を意味し、日本のみならず他の先進国でも議論され始めている重要な課題である。

ダークファネル

ダークファネル(dark funnel)とは、マーケティングやセールスのプロセスにおいて、ユーザーが意思決定を進める際に企業側から追跡や計測が困難なプロセスのこと。いわゆる購買ファネルの一部である。特にBtoBマーケティングにてよく用いられる。

一般的なファネルは見込み顧客がどのようにして最終的に購入に至るかをステップで示すが、ダークファネルはこれらのプロセスの中でオンラインやオフラインにかかわらず見えない部分に該当する。例えば以下のような行動がダークファネルに当たる。

  • ユーザーによる比較検討行動(街中や店舗、テレビ視聴など)
  • ソーシャルメディア(SNS)でのクローズドなコミュニケーション
  • 口コミや友人との会話
  • 匿名での情報収集。Cookie非同意などを含む

これらの行動は、企業のアナリティクスツールや計測によって容易に捕捉できず見えにくいため、「ダーク」と呼ばれる。特に認知の段階であるトップオブファネルなどファネルの初期段階で顕著である。デジタルマーケティングにてプライバシーに配慮した取り組みが進み、その範囲も拡大している。

マーケティングや営業の部門は、従来のデータ分析や測定手法では顧客の全体像を把握できず、適切なタイミングでアプローチすることが難しくなる場合がある。

DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)

DE&Iとは「Diversity (多様性)」「Equity (公平性)」「Inclusion (包摂性)」の頭文字を取った概念で、企業や組織における人材活用と組織文化の在り方を表す言葉である。

Diversity(多様性)
性別、年齢、国籍、人種、性的指向、障害の有無、宗教や文化など、さまざまな背景や特性を持つ人々が存在することを尊重し、受け入れること。多様な視点や経験を持つ人々が集まることで、創造性や問題解決能力が向上する。
Equity(公平性)
すべての人が平等な機会を得られるように必要な支援やリソースが提供されること。公平性は単に平等に扱うだけでなく、それぞれの状況やニーズに応じた支援を提供することを意味する。平等がすべての人に同じものを与えるのに対し、公平はその人に必要なものを与えるということである。
Inclusion(包摂性)
多様なバックグラウンドを持つ人々が組織や社会において尊重され、積極的に参加できる環境を作ること。全員が意見を表明し、貢献できる雰囲気が醸成されることで、組織全体のパフォーマンスが向上する。

これらの概念は、企業文化の改善、従業員のエンゲージメント向上、イノベーション推進において重要とされ、現代のビジネスや社会的課題に対処する上で不可欠な要素となっている。

以前までの「D&I (Diversity and Inclusion)」に「Equity (公平性)」の概念が加わったのは、単に多様性を受け入れるだけでなく個々の状況に応じた公平な機会や支援の提供が必要だという認識が高まったためである。

自転車置き場の議論(パーキンソンの凡俗法則)

自転車置き場の議論(bike-shedding, bike-shed effect)とは、人々や組織は重要で複雑な問題に対して適切な時間や労力を割かず、代わりに些細な問題について延々と議論する傾向がある現象のこと。会議やプロジェクトの進行において重要で本質的な課題を無視して、「自転車置き場の屋根の色や材質」といったあまり意味のない議論に多くの時間が費やされがちであることを比喩する際に用いられる。

正式には「パーキンソンの凡俗法則 (Parkinson’s Law of Triviality)」と呼ぶ。1957年にイギリスの歴史学者で政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソン(Cyril Northcote Parkinson)が提唱した。「パーキンソンの法則」の一つ。

この現象が起きる理由として、複雑で抽象的な問題に対する理解不足や不安があるだけでなく、より具体的な物事の方が意見を述べやすく自身の知識や専門性を発揮しやすいといったものが挙げられる。人々は心理的安全地帯に留まろうとし、その結果誰もが意見を言えそうな話題に集中してしまうというものである。

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エコツーリズム

エコツーリズム(ecotourism)とは、自然環境や文化的な遺産を保護しながら、旅行者がその場所を楽しむ持続可能な観光の一形態のこと。単なる旅行ではなく、自然や文化との触れ合いを通してその価値を理解し、将来の世代へ引き継ぐための活動である。

もともと開発途上国の自然保護のための資金調達手法として取り入れられた考え方のため、国や立場によって定義はやや異なるが、概ね以下のような視点を持っている。

自然環境保護
エコツーリズムの中核には、訪れる場所の生態系を保護しその土地の生物多様性を守ることが含まれる。旅行者はその土地の自然の魅力を体験しつつ、そこに暮らす動植物の生息環境に対して悪影響を与えないように行動することが求められる。
地域文化との共生
エコツーリズムは単に自然を楽しむだけでなく、その土地に住むコミュニティとの関わりも重視する。現地の文化、伝統、生活様式を尊重し、観光を通じて地域経済に貢献することが重要となる。観光による収益が地域住民に還元されることで、持続可能な発展が可能になる。
教育的側面
エコツーリズムは、自然や文化に関する教育の場としても機能する。ガイド付きのツアーや体験活動を通じて、旅行者は環境問題や地域の歴史・文化について学ぶことができる。
持続可能な発展
エコツーリズムは、短期的な観光による利益を追求するのではなく、持続可能な形で観光を運営し続けることを目指さなければならない。観光業が環境や地域社会に与える影響を最小限に抑え、長期的な利益を生み出す必要がある。

キャンベルの法則

キャンベルの法則(Campbell’s law)とは、社会的なプロセスにおける定量的な指標が改善や評価の基準として重視されると、その指標そのものが操作され結果的に本来の目的を果たさなくなる事象のこと。

ある問題を解決するために特定の指標を測定してその指標の改善を目標に政策や行動を取ると、その指標そのものが改ざんされたり、指標の改善にばかり目が向き本来解決すべき問題から目が離れてしまうという現象である。

キャンベルの法則が生じる理由として以下のものが挙げられる。

  • ゲーム化:指標が改善の対象になると、人々はその指標を改善することにゲームのように取り組むようになり、本来の目的を見失いがちになる
  • 短期的視点:指標の改善は短期的には達成しやすいが、長期的な視点ではより重要な問題が放置されやすい
  • 指標の誤用:指標が必ずしも問題の本質を捉えているとは限らず、指標の誤用によってかえって問題を悪化させる可能性がある

例えば、学校教育にて学生の学力向上を目標にテストの点数を改善しようとすると、テスト対策に重点が置かれてしまいより深い理解や応用力が育まれにくくなる。企業が生産性を上げるために「製品の生産数」を評価指標に用いれば、品質の低下を招きやすい。

1979年にアメリカの社会学者ドナルド・T・キャンベル(Donald T. Campbell)によって提唱された。

グッドハートの法則

グッドハートの法則(Goodhart’s law)とは、特定の指標が人々の行動を評価するための目標として設定されたとき、人々は目標に対してなんとか達成しようとその指標を操作するようになり、その結果その指標は測定しようとした本来の目的からかけ離れて適切な指標ではなくなる現象のこと。

経済学や政治政策、データサイエンスの領域において特定の指標が行動の目標に設定されると、その指標が本来の意味を失うか、歪められる可能性がある。特に、システムや個人がその指標の数値を改善するために行動を調整し始めると、指標が本来の目的を果たさなくなるというものである。

例えば政府が経済成長を測るためにGDPを主要な指標として採用して政策目標とする場合、政府はGDPを上げるために短期的な対策を講じる可能性があり、環境汚染や不平等の増大など長期的な問題が無視されるリスクが生じる。学校にて生徒の理解力の向上を改善するために「テストの点数」を目標の指標にした場合、教師や生徒は試験対策など「テストのためだけの学習」を行うようになり、本来の物事への理解がおろそかになりやすい。

目標が設定されるとそれを達成しようとする圧力がかかり、本来のプロセスが歪められて元々の目的が失われてしまいやすい。データドリブンの組織が目標設定を行う際、指標が現実的な目標と一致し続けるよう注意を払う必要がある。

イギリスの経済学者チャールズ・グッドハート(Charles Goodhart)が1975年のイギリスの金融政策に関する論文でこの理論を提唱した。彼による定義は「測定されると決まった指標は、それが目標にされた瞬間に有効性を失う」である。

カーブアウト

カーブアウト(carve out)とは、自社の事業の一部を切り出して新会社として独立させる会社分割の手法のこと。経営戦略の「選択と集中」の一環として企業のノンコア事業を切り離して他社に譲渡したりする他、親会社の資本に加えてファンドなどの外部資本を入れることで成長の活性化を図る際などにも用いられる。

類似する表現に「スピンオフ」「スピンアウト」がある。自社の事業を切り出して新会社として独立させる際、独立後も資本関係を維持する会社分割を「スピンオフ」という。一方、自社の事業を切り出して新会社として独立させる際に資本関係を維持せずに会社分割することを「スピンアウト」という。「スピンオフ」「スピンアウト」のいずれも「カーブアウト」の一種と言える。

WYD (What you doing?, 何してるの?)

WYDとは、「What(‘re) you doing? (What are you doing?)」の略で、「何をしてるの?」「いま何してる?」を意味する英語の略語、インターネットスラングである。口語として「are」が省略され「What you doing?」となり、それら単語の頭文字の省略である。相手を誘う際の最初の挨拶や、メッセージを送ったもののの返事や反応がないときなどに用いられる。小文字の「wyd」や「Wyd?」といった表現もある。

主にチャットやソーシャルメディア、ショートメッセージといったデジタルコミュニケーションで、カジュアルな表現として用いられる。

類似の表現に「hru (How are you?, 元気?)」「sup (What’s up?, 最近どう?)」などがある。