アウトパフォーム

アウトパフォーム(outperform)とは、金融や投資の領域において株やファンドの運用指標がベンチマークとなる基準を上回っていること。ファンドや銘柄、ポートフォリオなどの運用成績が、「日経平均株価」「TOPIX (東証株価指数)」「S&P 500」といったベンチマークに対して収益が上回っている状態を指す。もともとは「~よりパフォーマンスが優れている」を意味する英語である。

ビジネスの領域においても、何かの基準よりも上回っている状態を「アウトパフォーム」と呼ぶことがある。

アウトパフォームに対して、ベンチマークを下回っている状態を「アンダーパフォーム」、ベンチマークに近い状態を「ニュートラル」と呼ぶ。

タグライン

タグライン(tag line)とは、ブランドや商品の主義主張を表明するメッセージとして短い言葉で表したもののこと。顧客層に対して約束する機能的あるいは感情的な価値を簡潔に伝えるためのメッセージ、スローガンである。

短く誰にでもわかる表現であることがほとんどであり、長期間に渡って使用することを前提としている。顧客層に対してだけでなく、社内に対しても自分たちの主義主張を体現するものとして扱われる。CI(コーポレートアイデンティティ)の要素の一つ。

類似するものにキャッチコピーがある。キャッチコピーも顧客に対してメッセージを簡潔に伝える表現だが、「ターゲット層により異なる」「変化する」「一時的なキャンペーン向けである」「販売促進の性格が強い」といった特徴がある。

P2C (person to consumer)

P2Cとは、「person to consumer」の略で、個人が企画、生産した商品を消費者に直接販売するビジネスモデルのこと。特に著名人やインフルエンサーといった影響力を持つ個人がその発信力を生かし、小売店などの中間業者を介さずにECなどで消費者に直接販売するものを指すことが多い。

ソーシャルメディア(SNS)や手軽に利用できるサービスが普及し、一定のファンやフォロワーを持つ個人が自身の企画した商品を販売することが容易になった。一般人でも注目を浴びることができること、商品の制作や流通を大きな負担なく依頼できること、広告やPRを含めた販売促進も個人の発信力と少額の広告などで賄えることなどが揃い、仕組みとして成立したと言える。

企業が商品の企画製造から販売までを垂直統合して手掛ける「D2C (Direct to Consumer)」と類似するが、主体が企業か個人か、ブランドとして初期の顧客層がどれだけいるかなどに違いがある。

極北

極北とは、物事が極限まで達したところや状態のこと。「極致(極地)」「最果て」「極み」「突き詰めた状態」と似たニュアンスで用いられる。読みは「きょくほく」。

もともとは「北の果て」「最北」の意味で、その地域の最も北の場所や北極を指す。そこから派生して、物事の極限に至った状態を呼ぶようになった。ある種の称賛や驚嘆を伴って用いられる。

カンバセーショナルコマース

カンバセーショナルコマース(conversational commerce)とは、メッセージアプリやチャットボット、音声アプリといったオンライン上のコミュニケーションチャネルを通じて、消費者とリアルタイムで対話をしながら購買を促すeコマースのこと。「会話型コマース」「会話型EC」などとも呼ばれ、「Cコマース」と略されることもある。

Webサイトに設置されたチャットボット、LINEやFacebook Messenger、WhatsAppやWeChatをはじめとしたメッセージアプリなど、さまざまなコミュニケーションチャネルで消費者と会話をやりとりしながら展開するeコマースである。ライブ配信によるライブコマースも広義としては含まれる。2010年代後半から世界のEC市場の一角を占めるようになった。

データを活用してそれぞれの消費者に対してパーソナライズされた対応を取ることができる。対応はAIを活用して自動化されたものと企業の担当者が直接行うものを組み合わせることで、より多くの顧客に対応できる。

EEA (欧州経済領域)

EEA(European Economic Area)とは、欧州経済領域のこと。EU(欧州連合, European Union)にEFTA(欧州自由貿易連合, European Free Trade Association)のノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインを含めたものである。

EFTAの加盟国がEUに加盟することなくEU市場に参加できるように1994年に発足した。EFTA加盟国のうち、スイスはEEAには不参加である。

ハドルミーティング(ハドル会議)

ハドルミーティング(huddle meeting)とは、必要なタイミングにて最低限のメンバーで行う短時間のビジネスミーティングのこと。必要なときにさっと関係者が集まり、ミーティングが終わればすぐに解散してそれぞれの仕事に戻るといったスタイルの会議である。ミーティングは10分から30分程度とされる。「ハドル会議」ともいう。

思いついたタイミングで短い時間で情報共有を行うため、早い段階での内容共有や方針の確認、指示命令、生産性の向上などが期待できる。また会議時間の短縮化にもつながる。

「huddle」は「身を寄せ合う」「しゃがむ」などを意味する英語だが、アメリカンフットボールにおいてプレイの合間にフィールド上で円陣(ハドル)を組んで行う短い作戦会議のことも指す。ハドルミーティングはこのアメフトのハドルに由来する。

マルチポスト(多重投稿)

マルチポスト(multi-post, multipost, multiposting)とは、同じ内容の文章や画像を複数のWebサービス(電子掲示板、メーリングリスト、質問サービス、ソーシャルメディアなど)に同時に投稿すること。多重投稿ともいう。

1990年代後半から2000年代にかけては電子掲示板やメーリングリスト、質問サービスでの多重投稿のことを主に指していた。同じ内容の記事や質問を複数の異なる場所に投稿すると、より多くのユーザーの目に触れる機会を得るが、一方でマナーに反するともされる。複数の電子掲示板や質問サービス(Yahoo!知恵袋や教えて!gooなど)に同じ内容を投稿すると、既に他の場所で最適な回答を得たにもかかわらず別の場所で善意ある新たな回答者の労力を無駄に使用することになる、といった例が挙げられる。

2010年頃からはソーシャルメディア(SNS)でも複数のチャネルに同一内容で投稿することをマルチポストと呼ぶようになった。ソーシャルメディアにおいては電子掲示板や質問サービスほどではないが、他のチャネルで見た内容と同じものを再び見ることになり、稀に反感を買うことがある。

RFV分析

RFV分析とは、Recency(リーセンシー、最新の利用日)、Frequency(フリークエンシー、利用頻度・利用回数)、Volume(ボリューム、利用量)の3つの指標軸を用いて顧客を分類する顧客分析の手法のこと。顧客のサービス利用状況や満足度、ユーザーエンゲージメントの分析手法である。RFM分析と視点は類似する。

単一の指標で分析するのではなく、複数の指標を組み合わせて分析することでより実態を把握できるようになる。サービスによってRecency、Frequency、Volumeの重み付けは異なる。それぞれの指標を用いてスコアリングし、ユーザー層ごとにセグメントに分けることで、それぞれに適した施策を検討できるようになる。

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ピア効果

ピア効果(peer effect)とは、組織や集団に身を置くことでその同僚や仲間などの関係性の近い人から影響を受けること。所属するメンバーに触発されて、お互いの意識や行動に影響を与えるというものである。経済学や教育学において用いられることが多い。「peer」は「同僚」「同等の人」を意味する英語である。

能力や意識の高い集団に属すれば、お互いに競争し合い切磋琢磨することで組織全体のレベルの向上につながる。これを「正のピア効果」という。

一方で、必ずしもポジティブな効果だけではない。他のメンバーとの能力の差が大きい場合に、かえって自身の能力が低下することがあり、これを「負のピア効果」という。集団の中にネガティブな態度や能力の低いメンバーが一定数いる場合も、悪影響を受けて自身や組織全体のモチベーションの低下、レベルの低下につながる。