ティア (tier)

ティア(tier)とは、「段」「階層」「階級」「列」のこと。階層構造にて成立する社会や組織、物理的な構成などにおける一つの「層」を表す。

ラグビーなどのスポーツ、ゲームなどでランキングを基準とした階層の分類にて「ティア1」「ティア2」「トップティア」のように用いる。ビジネスにおいては、商流の階層構造、ITシステムやデータセンターなどの品質の格付けなどでも用いる。必ずしも「ティア1」が階層や評価の上位というわけではなく、対象の分野や業界によって順序は異なる。

SN比 (S/N)

SN比(signal-to-noise ratio)とは、信号(Signal)の強さに対する雑音(Noise)の強さの割合のこと。デシベル(dB)の単位で表す。「S/N」「SNR」「Signal/Noise」「信号対雑音比」ともいう。

SN比の数値が大きいほど信号に対する雑音が少なく、高品質な信号であることを示す。音声信号を通信するシステムにおける雑音の影響や出入力の品質を評価する際などに用いる。

そこから転じて、情報デザインやビジネス領域において、意図した内容で情報を伝える際の「意味のある情報」と「意味のない情報、ノイズ」を判別、評価する際にも用いる。

JTC (Japanese Traditional Company)

日本語のインターネットスラングとして用いられる「JTC」とは、「Japanese Traditional (Big, Old) Company」の略で、伝統的な日本の大企業のことを意味する。

伝統的な日本の大企業の悪しき風習や良くない文化、もしくは「ありがちなこと」に対して揶揄、冷笑、自虐する際に用いることが多い。一般的な話として使用する場合もあるが、勤務先や取引先を匿名で表す際にも用いる。

略語の元となる「Japanese Traditional Company」そのものも、和製英語的な表現と考えられる。

本来は「歴史ある大企業」を意味するがネガティブなニュアンスを伴って用いられることもある「レガシー企業」と類似する。

ソフトパワー

ソフトパワー(soft power)とは、強制や報酬によらずに自国の魅力によって他国に影響を与え惹きつける能力のこと。国の文化や価値観による国際社会への影響力として用いられる。

1980年代後半にハーバード大学のジョセフ・S・ナイ教授(Joseph Samuel Nye Jr.)が提唱した。彼はいくつかの書籍にて現代の国際政治におけるソフトパワーの重要性を繰り返し指摘し、アメリカ政治学界の第一人者となった。

ソフトパワーに対して、国の軍事力や経済力、資源などによって他国を強制できる能力のことを「ハードパワー (hard power)」という。

続きを見る »

アクチュアルデータ

アクチュアルデータ(actual data)とは、Webサイト閲覧やアプリ利用、動画視聴、商品購買といった消費者の行動や反応を計測して得られる数値化されたデータのこと。マーケティングリサーチの領域で用いられる用語である。

実際の購入履歴やアクセス解析ツールをはじめさまざまなツールで計測されるデータであり、履歴として保存もしくは計測されるデータに限られる。サンプリングされたり、推測や評価、変換されたりするものではない。

消費者の行動は多岐に渡るため、データはさまざまな形式で各所に蓄積される。データ量も膨大で関連データの結合も容易ではないため、データ処理や分析には高度な専門知識や技術を必要とする。

産業の集積効果(集積の経済)

産業の集積効果(industrial agglomeration)とは、特定の地域に企業が集まったり近い業態の店舗が集中したりすることで得られる経済的な恩恵のこと。「集積の経済」。都市の地域経済の発展や生産性向上に重要な役割を果たす。

企業が集まることで取引や連携が効率的かつ頻繁になり、資本や顧客、労働力がさらに集まってくるようになる。また同じ目的の人が集まることで近いカテゴリーの企業や店舗が増加し、さらに集客が向上するなど、その地域経済の活性化につながるというものである。

ファクトブック

ファクトブック(factbook)とは、企業や組織が自社の市場におけるポジショニングや業績、歴史、サービス内容などを理解してもらうために、事実を客観的に整理した企業案内資料のこと。証券アナリストや投資家、報道機関などを対象に、自社の理解促進を目的に作成される。

メディアに自社のサービスなどを記事で取り上げてもらう際、記者にその背景や付帯するさまざまな基礎データを適切に理解してもらえれば、より具体的で価値のある記事として仕上げてもらいやすくなる。

対象者の知りたい情報が図表などと共にまとめられ、ストーリーとして伝わりやすいことが望ましい。事実を適切に伝えるという性質上、年1回など一定の頻度での更新も求められる。

エアリプ(空リプ)

エアリプとは、主にTwitterにおいて「@アカウント名」のメンションの付与や標準のリプライ機能を使用せずに投稿された、特定の誰かに宛ての(と推測される)返信や言及のこと。「空リプ(からりぷ)」とも呼ばれる。

「エアー (air)」は本来の英語「空気」「空中、空」の意味から派生した「~しているように見せる」「~のフリをする」を意味する日本固有のスラングであり、返信機能「リプライ (reply)」と組み合わされた造語である。

世代や状況によって使用のニュアンスは異なるが、以下の用途で用いられることが多い。

  • 特定の誰かに対して何かを察してほしいとき
  • 特定の誰かに直接伝えるにはストレートすぎるので間接的に意見を言いたいとき
  • はっきりと伝えたいわけではないが、フォロワーなどを含めて反応を知りたいとき
  • 会社や学校から自分自身やフォローの関係性を特定されたくないとき

検索避け

検索避けとは、文章中の特定されそうなキーワードを避けて伏せ字や余計な文字を混ぜたり、隠語を使ったりして検索されにくくすること。読みは「けんさくよけ」。

親しい間柄や趣味嗜好が近い人たちのコミュニケーションの手法の一つとして用いられる。一般の人や「公式の存在」に見つけられたり特定されたりしてほしくないが、わかる人には伝わるようにするために用いられる。アイドルやタレントの人名、作品名などをはじめ、さまざまなものが対象となる。

かつては、ややアンダーグラウンドな文化の領域にてGoogle検索にインデックスされないようにする用途で用いられた。後にソーシャルメディア(SNS)での検索も一般的になったのに伴い、さまざまな趣味嗜好の領域へと利用は広まっている。自分にとっては熱心な趣味嗜好の対象である「推し」だが、一般の人にとってはそうではなかったり多様な意見があったりすることを踏まえて、同じ趣味嗜好の人たちの中でコミュニケーションするために用いられる。反対に、対象についてネガティブな投稿をする際にも用いられる。

「あ/い/う/え/お」と記号を含めるもの、「○いうえお」「某いうえお」と伏せ字を用いるもの、「藍上尾」のように無関係な変換を用いるもの、「ア行」のように関連性は高いが異なる単語を用いるものなど、さまざまな方法がある。

有名人やアーティストを表す特定の絵文字の組み合わせ「ファンマーク(ファンマ)」も、検索避けの文脈が少なからず関与していると捉えることもできる。

ピッチ

ピッチ(pitch)とは、「(的に向かって)投げる」「(投手がボールを)投げる」「繰り返しの周期や距離、度合い」などを意味する英語だが、ビジネス領域においては「短い時間で相手に提案し売り込むこと」を意味する。

通常のプレゼンテーションとは異なり、数分や数十秒といった非常に短い時間にて、キーパーソンをはじめとした限られた人数に対して簡潔に提案するものを指す。特にIT業界スタートアップ企業や起業家が投資家などに対して事業計画をプレゼンテーションするものが該当する。エレベーターが相手の行先の階に着くまでに提案を売り込む「エレベーターピッチ (elevator pitch)」、投資家などが審査員となり出資やメンタリングを募る「ピッチコンテスト」などがある。

アメリカサンフランシスコにあるシリコンバレーで生まれた言葉とされる。