サイレントマジョリティ(物言わぬ多数派)

サイレントマジョリティ(silent majority)とは、公の場で積極的には発言をしないが、意見としては多数派である人たちのこと。「物言わぬ多数派」ともいう。

ある議論に対立する意見があるとき、例えば反対派の意見と肯定派の意見が同数のように見えても、肯定派の大多数は積極的に意思表示をしないため、実際には肯定派の方が勢力として大きいというような場面で用いる。

もともとは政治用語である。1969年に当時のアメリカのニクソン大統領が、政府批判を声高にする者は少数派であり、物言わぬ大多数は支持しているという文脈でこの言葉を用いた。サイレントマジョリティに対する「声高な少数派」を「ノイジーマイノリティ」という。

ネットニュース

ネットニュース(netnews)とは、1990年代あるいはそれ以前のインターネット初期の頃においてはBBS(電子掲示板)、あるいは記事などのテキストデータを保存し閲覧できるサーバーシステムのことを指していた。誰でも投稿でき、その記事が特定グループやコミュニティにそのまま配信される仕組みは、マスメディア主体の情報流通が主流の時代には画期的な特徴であった。

その後、マスメディアはインターネットでの情報発信を積極的に行うようになり、インターネットで流通する情報もマスメディアや一般企業によるもの、著名人や一般人によるものなど、多岐に渡り玉石混交の状態となった。

2010年前後以降に用いられる「ネットニュース」では、「信頼性の低い媒体からの真偽不明の情報」「出所不明の噂を『まとめサイト』などがまとめた情報」というニュアンスが含まれる。しかし、実際にはマスメディアのニュースや記事がそのような真偽不明の情報を「インターネットでは」「SNSで話題」などと紹介したり、インターネット上の情報を出所未確認のまま、あるいは引用元を紹介することなく各メディアで記事として配信することも多い。

そのため「インターネットで多く流通している真偽不明な情報」のみを「ネットニュース」と定義するにはもはや困難であり、「インターネットで流通している情報」と「オフラインの実世界で流通している情報」の境目はほとんどないと言える。

オペレーショナル・エクセレンス

オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence)とは、現場の業務遂行力(オペレーション遂行力)が競争上の優位性を持つレベルにまでに磨き上げられた状態のこと。略称は「Opex」。

オペレーショナル・エクセレンスを確立した企業では、高い業務品質と効率化を他社が真似できないレベルで維持して優位性を保持するだけでなく、継続的なオペレーション改善の意識が現場の末端にまで浸透していることが多い。オペレーショナル・エクセレンスに到達するには時間がかかるが、競合企業と差を付けられれば容易には追いつかれない。

オペレーショナル・エクセレンスを達成している企業の例として、トヨタやマクドナルド、フェデックスなどが挙げられる。

マイケル・トレーシー(Michael Treacy)とフレッド・ウィアセーマ(Fred Wiersema)が、1995年の著書『ナンバーワン企業の法則 – 勝者が選んだポジショニング』で提唱した概念である。優良企業の価値基準として、以下の3つを挙げている。

  • オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence)
  • プロダクト・イノベーション(Product Innovation)
  • カスタマー・インテマシー(Customer Intimacy)

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AOV(平均注文金額)

AOVとは、Average Order Valueの略で、ECや通販などにおける購入ユーザーの一回の平均注文金額のことである。ECや通販で把握すべき指標の一つ。

AOV(平均注文金額)は、ECや通販の総売上を注文件数で割ることで計算できる。

AOV = ECや通販の総売上 / 注文件数

トップボックス

トップボックス(Top Box)とは、顧客の満足度を測るようなアンケート調査における、5段階評価の一番左の最もポジティブな選択肢のこと。5段階評価のうち「5点」の良い評価、あるいは「とても満足している」といったものが該当する。トップボックスの点数は「トップボックススコア」と呼ぶ。

同様に、満足度調査などの5段階評価の左の2つのポジティブな選択肢を「トップ2ボックス(Top 2 Box)」と呼ぶ。5段階評価のうち「5点と4点」、あるいは「とても満足している、満足している」といったものが該当する。

一方、5段階評価の一番右の最もネガティブな選択肢は「ボトムボックス(Bottom Box)」、右の2つのネガティブな選択肢は「ボトム2ボックス(Bottom 2 Box)」と呼ぶ。

プロダクトライフサイクル (PLC)

プロダクトライフサイクル(product life cycle, PLC)とは、製品が市場に投入されてから衰退するまでの過程を生物の一生に例えて表したものである。「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つの段階で構成され、各成長段階に合わせたマーケティングが行われているかの確認や数年後の予測などに用いられる。「製品ライフサイクル」。

プロダクトライフサイクル

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ナレッジワーカー(知的労働者)

ナレッジワーカー(knowledge worker)とは、専門的な知識と経験によって知的生産物を創出し、企業や社会に付加価値を生む労働者のこと。「知的労働者」。「ナレッジ(知識)」と「ワーカー(労働者)」を合わせた造語で、経済学者のピーター・ドラッカーが提唱した。

高度経済成長期の製造業などで顕著に見られた、画一的に働く「マニュアルワーカー(単純作業労働者)」との対比として位置づけられた。労働力に対する報酬だけでなく、組織や社会に与える影響や貢献にも価値を置く点が特徴である。

需要が有形のモノからサービスへと変化し、より多様性や付加価値が求められる中で、ナレッジワーカーの価値や存在に注目が集まっている。

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ROMる(ロムる)

ROMる(ロムる)とは、かつての「2ちゃんねる」をはじめとした電子掲示板やメーリングリストなどのインターネットコミュニティにおいて、投稿せずに閲覧のみを行うことを表す日本のスラングである。Twitterをはじめとしたソーシャルメディアや、動画の生配信などでも用いられる。そのような行動のユーザーを「ROM専(ロム専)」「ROM垢(ロム垢)」「ROM勢(ロム勢)」と呼ぶ。

投稿やコメントをせずに見ているだけという意味だけでなく、前提を理解してもらうためや流れを維持するために、場違いな発言ユーザーに対して「空気を読め」の意味で用いたり、自らの控えめな態度あるいは自虐的な表現として用いることがある。

「ROM(ロム)」は、「読むだけの人」を意味する和製英語「Read Only Member(リードオンリーメンバー)」の略である。読み出し専用メモリー「ROM (Read Only Memory)」をもじった言葉であるとされる。

マッチポンプ

マッチポンプ(match pomp)とは、自分で起こした問題を自ら解決しようとすることで利益や報酬を得ようとする、自作自演による偽善的な問題解決手法のこと。

ビジネスにおいては、何も問題はないにも関わらず故意に自ら問題を作り出し、その解決手法の販売によってやや不正に売上を上げる手法を「マッチポンプ商法」と呼んだりする。

やらせやねつ造、でっち上げに類似するが、自らそれを解決しようとし利益を得ようとする点が特徴である。非難や不同意の意味合いを含むことが多い。

火付けをマッチに、もみ消しや解決をポンプ(水)にそれぞれ例えたことに由来する和製外来語である。1960年代の自民党の不祥事「黒い霧事件」にて、衆議院決算委員長だった田中彰治のゆさぶり手法を指して呼ばれたのが名称普及のきっかけの一つとされる。

シングルサインオン (SSO)

シングルサインオン(Single Sign-On, SSO)とは、IDとパスワードによる一度の認証で複数のWebサービスやクラウドサービスを利用できる仕組みのこと。一度認証されればサービスごとに異なるIDやパスワードを用いることなく、都度ログインする必要もない。略称は「SSO」。

ユーザーがサービスごとにIDとパスワードを複数管理する必要がないという利便性を持ち、シングルサインオンのパスワードを強固に管理することでセキュリティを確保できるといったメリットがある。パスワードの使い回しによる流出や漏えいのリスクも減らせる。

シングルサインオンの認証方式には、以下の4種類がある。

  • リバースプロキシ方式:ブラウザとWebサーバーの間にリバースプロキシサーバーを設置し、リバースプロキシサーバーにエージェントソフトを導入する方式
  • エージェント方式:Webサービスのサーバーの中に認証を代行する「エージェント」モジュールを組み込む方式
  • 代理認証方式:Webサービスのログインページに対し、ユーザーの代わりにIDパスワードを送信し、自動的に代理入力する方法
  • フェデレーション方式(SAML認証):異なるWebサービス間でパスワードの代わりの「チケット」と呼ばれる情報を受け渡しする方法