ダークソーシャル

ダークソーシャル(dark social)とは、主にウェブサイトのトラフィックにおいて参照元が不明な「ノーリファラー(直接アクセス)」のトラフィックのうち、SNSなどのモバイルアプリやショートメッセージなどのソーシャルツールからの流入のこと。または、その参照元が不明な状況のこと。「ダークトラフィック」の一種。

モバイルアプリやショートメッセージなどでのリンクURLからのトラフィックは、リファラー(参照元)を持たないことが多い。そのため、一般的なアクセス解析ツールでは「ノーリファラー」「直接アクセス」と判断されてしまい、その詳細を知ることができない。

このような「一部状況下においてリファラー情報を取得できない」という事象はインターネットが始まったときから起きていたが、モバイルアプリやソーシャルメディアの興隆に伴い、その状況が「ダークトラフィック」と呼ばれて目立つようになってきた。

TwitterやFacebookなど一部のソーシャルメディアは、モバイルアプリやWeb経由でも、リダイレクト時にリファラー情報を付与させて、「Twitter経由」「Facebook経由」が判別できるように対処されている。

残存者利得(残存者利益)

残存者利得(残存者利益)とは、競争相手である他社が撤退した後、生き残った企業のみが市場を独占することで得られる利益のこと。

残存者利得は飽和市場や衰退市場で発生しやすく、かつては複数の企業がプレイヤーとして存在していたものの、各社が撤退した後に生き残った企業によって寡占や独占に至る場合がある。

インスタントカメラ市場における富士フイルム、レコード針のナガオカ、他にも学生服やジーンズなどの市場が例として挙げられる。

デジカメを抜いたチェキ富士フイルムの“残存者利得”|ダイヤモンド・オンライン

フォッグ式消費者行動モデル

フォッグ式消費者行動モデル(フォグ式消費者行動モデル:Fogg Behavior Model)は、スタンフォード大学のBJフォッグ氏(B.J. Fogg)が提唱する理論である。人の行動はその瞬間の「モチベーション」「実行能力、行動障壁」「きっかけ」の3つの要素に起因し、「B=MAP」という公式で表されるというものである。

  • 十分な動機、モチベーション(Motivation)
  • 行動するための能力、行動障壁(Ability)
  • 行動を起こすきっかけ(Prompts)

B (Behavior) = M (Motivation) x A (Ability) x P (Prompts)

この構成要素のどれか1つでも欠けていたり、十分でなかったりすると、人は「行動ライン(Action Line)」を越えることはなく行動を起こさない。

当初は「Motivation」「Ability」「Trigger (トリガー)」の3要素にて「B=MAT」の式で表していたが、2017年から「プロンプト (Prompts)」という言葉を使用するようになった。


▲フォッグ式消費者行動モデル(公式Webサイトより

続きを見る »

アンカリング効果

アンカリング効果(anchoring effect)とは、判断や予測が難しいときに最初に接した目安の数字や価格、特定の情報が判断に大きく影響する心理現象のこと。認知バイアスの一つ。アンカー効果。

情報が十分にそろっていないとき、最初に接した数値や情報が印象に残って判断基準にバイアスがかり、その後の行動に影響を与えるというもの。

例えば、商品を購入するとき、通常であればその品質や価値などのさまざまな要素を検討するが、「お一人様最大5つまで」と書かれていた場合、それが心理学的な目安となって、「いくつ購入するのがお得か」と考えてしまうようになる。

希少性の法則(希少性の原理)

希少性の法則(principle of scarcity)もしくは希少性の原理とは、供給が需要よりも少ない場合に商品やサービスの価値が生まれるという経済的原理の一つである。供給が少なく需要が多い商品の価格は上昇することがあるという、需要と供給の不均衡な状態の原理である。どこでも入手できるものよりも、数が少なかったり手に入りにくいものほど価値が高いと判断してしまう現象のことを表すこともある。

数が少なかったり手に入りにくい場合、「いま決断しないとなくなってしまう」「この機会を逃せば二度と手に入らない」「数が少ないなら高額は当然」などの意識が働く。そのため、「限定100個」「残りあと5個」「地域限定」などの希少性の表現に人は心を揺さぶられ、十分な検討をすることなく行動してしまう。

フレーミング効果

フレーミング効果(framing effect)とは、複数の選択肢から意志決定や判断をする際に、絶対的評価ではなく、そのときの心的構成(フレーミング)や質問提示のされ方によって、意志決定が異なる現象のこと。

例えば、著名なバイオリニストがコンサートホールで演奏すれば高価なチケットでも完売して人はみな耳を傾けるが、そのバイオリニストがこっそりストリートで演奏しても誰も振り向かずに通り過ぎてしまう、というものが該当する。

他にも、同じワインであることを伏せて、1杯ずつ異なる値段を付けて提供した場合、高い値段ほど人はワインを堪能しようとし、おいしいと感じてしまうという例がある。

それぞれ、取り巻く環境が異なれば異なった判断を下すことがある。

エンダウド・プログレス効果

エンダウド・プログレス効果(Endowed Progress Effect)とは、ゴールに向かって若干の前進を感じたときに、人はよりゴールに向かうモチベーションを上げようと努力する心理的効果のこと。ゴールに近づくほど人はモチベーションを上げる習性を利用している。

  • A)10ポイントたまれば割引が利用できるポイントカード
  • B)20ポイントたまれば割引が利用できるが最初にボーナスで10ポイント付いたポイントカード

例えば上記のようなAとBの2種類のポイントカードがあった場合、後者Bのポイントカードの方がより利用が促進される。どちらのカードもあと10ポイントで割引が適用されるが、後者Bの方が「ゴールに近づいている、前進している」と感じるためである。

BANT条件

BANT条件とは、主にBtoBの業界において、営業案件のセグメントやリードスコアリングに用いられる4つの条件のこと。以下の「予算(Budget)」「決裁権(Authority)」「必要性(Needs)」「導入時期(Timeframe)」の4つの条件のアルファベット頭文字を取って、「BANT」と表現される。

  • Budget(予算)
  • Authority(決裁権)
  • Needs(必要性)
  • Timeframe(導入時期)

デジタルボディランゲージ

デジタルボディランゲージ(digital body language)とは、オンライン上やウェブ上にて、クリックやサイト訪問などで顕在化する行動や情報のこと。はっきりと言葉などで表明したわけではないが、意向や意志などがくみ取れるようなアクションのことを指す。

リンクのクリックやタップ、スクロール、ファイルのダウンロード、ページ閲覧や滞在、検索行動、メールやメッセージの開封、誰かをチャットグループに追加したりメール宛先やCcに追加したり、といったさまざまな行動を含む。

サンクコスト(埋没費用)

サンクコスト(sunk cost)とは、埋没費用のこと。これまでに事業に投資した資金のうち、事業の撤退や縮小を行ったとしても回収できない費用や労力、時間のことをいう。

このサンクコストがその後の意志決定に影響を与えることを「サンクコスト効果」、別名「コンコルド効果」という。無駄だとわかっていても、それまでのサンクコストを無駄にしたくないという理由で、無理に事業を継続してしまうことを指す。サンクコストが大きいほど、元を取ろうとする心理が働き、合理的な判断ができない傾向がある。