グロス

グロス(gross)とは、「全体の」「総体の」という意味の英語である。ビジネス領域でも「グロス重量」「グロス面積」のように「全体の」「合計の」という意味で用いられる。

ただし、広告業界やマーケティング業界における「グロス」は、「合計の金額」「全体の金額」という「金額」の意味を含む名詞として用いられる。特定の広告キャンペーンにかかった原価や手数料、諸経費をすべて含む「広告キャンペーンの総額」という意味で「グロス」は用いられる。ビジネス用語の一種。

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タスクフォース

タスクフォース(task force)とは、特定の課題に取り組むために一時的に設置される特別組織のこと、あるいはそのような一時的な役割や業務を担うこと。タスクフォースのメンバーは各組織から横断的に選抜され、課題を達成すれば解散となる。もともとは「任務部隊」を表す軍事用語。

「プロジェクトチーム」とほぼ同義だが、タスクフォースの方がより緊急性が高く短期間での解決を求められることが多い。

課題に対して迅速かつ柔軟に対応できるという長所があるが、課題を達成すれば解散となるため、そこで得られた知見をいかに組織として共有するかが求められる。

DMU (Decision Making Unit, 意思決定主体)

DMUとは、Decision Making Unitの略で、最終的に購買を決定する権限を持つ人、あるいはその関与者のこと。「意思決定主体」「意思決定者」。

DMUに対して適切なアプローチをするために、DMUの特定と購買プロセスの明確化が、営業やマーケティングでは重要となる。

BtoBにおいては、エンドユーザーが必ずしも決裁権限を持つわけではなく、購買決定までに複数の人や組織、企業が関与することがある。それぞれの立場によって判断要素が異なるため、アプローチ方法を変える必要がある。

ドラスティック

ドラスティック(drastic)とは、「抜本的な」「思い切った」「徹底的な」「極端な」という意味の英語。ビジネス領域では、物事を根底から覆すような大きな変化の際に使用する。

「ドラスティックな変化」「ドラスティックな取り組み」といった用い方をされる。従来のルールややり方を大きく変えて劇的な良い結果を生み出したり期待したりする際に用いられ、ポジティブな意味合いを持つことが多い。

アジャイル

アジャイル(agile)とは、元々は「機敏な」「素早い」「頭の回転の早い」という意味の英語である。ビジネス領域では、環境や状況の変化に機敏かつ柔軟に適応して、効率よく理想の状態に近づいていくことを指す。

仕様変更を前提として反復的な開発を進めていく「アジャイルソフトウェア開発」、用意周到な計画ありきではなく環境変化への迅速な対応を目的として目標や戦略戦術を短期間で決定する「アジャイル経営」「アジャイルマーケティング」といった用い方をされる。

「アジャイル」は、上流の計画が分解されて下流まで計画通りに進むことを前提とした「ウォーターフォール」モデルに代わるものとして、環境変化への柔軟性を求めるベンチャーやスタートアップ界隈を中心に支持されている。

アノテーション

アノテーションとは、もともとは注釈、記注の意味である。IT分野においては、データやプログラム記述に対して注釈となる情報やメモを付与すること、もしくはその付加情報のことを指す。

Javaのプログラムの中にメタデータとして注釈を加えたり、文書を出力する際に「社外秘」「日付」などを付与したり、分析ツールのデータの日付にイベント等を付与する機能などが該当する。

慣習価格

慣習価格とは、長期にわたって一定に維持された価格が消費者の意識に定着している価格のこと。「○○といえばこの値段」という心理的価格の一つ。

自動販売機の缶ジュース、ガム、豆腐、もやしなどの価格が例に挙げられる。

慣習価格の製品は、価格を下げても需要は大きく伸びない。一方で、そのままで価格を高くすると消費者は値段に反応して需要は大きく減り、売れなくなってしまう。原材料費や人件費などの生産コストが高騰した場合、サイズや内容量を減らして価格を維持するといった調整が行われることがある(シュリンクフレーション)。

名声価格(威光価格)

名声価格とは、価格の高さが品質の良さを連想させたり、購入者が所有することで優越感や満足感を得たりするような価格のこと。「価格が高いからこそ買う」という心理的価格の一つ。「威光価格」とも呼ばれる(読みは「いこうかかく」)。

消費者が価格以外に商品の品質や価値を判断できない場合ほど、高い価格を付けた方が商品価値が高まる。その需要に応じて市場が価値を決める場合と、販売者側が意図的に価値を高くコントロールする場合の両方がある。

高級ブランド品、貴金属や宝石、美術品、購入頻度が少ない商品などで見られる。

端数価格

端数価格とは、198円や980円のように端数をつけて消費者に安さを印象づける価格のこと。200円や1000円といった切りの良い値段よりも安く感じさせることで、消費者の購買意欲を高めるという心理的価格の一つ。そのような心理的効果を「端数価格効果」「端数効果」と呼ぶこともある。

例えば、200円を198円として一番大きな位の数字を一つ小さくしたり、1000円を980円として桁を一桁小さくすることで、より心理的に価格を安く印象づけられる。

日本では伝統的な商習慣で「8」を端数とすることが多いが、欧米では1.99ドルや199ドルのように「9」を端数とすることが多い。スーパーマーケットなどの小売業で多く見られ、比較的低価格の商品に設定される。

パワーワード

パワーワードとは、もともとは相手に強い影響を与え、何かを喚起するようなインパクトのある言葉、フレーズ、文章のこと。

一方で、2012年頃から「意味不明だが、とにかく強烈なインパクトのある言葉、フレーズ、文章」という意味にて、インターネットスラングとして利用されるようになった。Twitterで連載されていた小説「ニンジャスレイヤー」での一幕がきっかけとされる。

この後、この投稿の意味合いから少し異なる意味合いでインターネット界隈に広まる。「意味不明だが、笑えるインパクトのある言葉」「自説を無理矢理に論証しようとする謎の理論」「突拍子もない常軌を逸した文章、説明」というように、使用する本人はいたって真面目だが、インパクトがありネタ的な要素を含むようにしか見えない言葉や文章をパワーワードと呼ぶ。やや嘲笑的な意味合いを含むことがある。