千三つ(せんみつ)

千三つとは、マーケティングの領域においては「1000件のうち3件の確率」、つまり反応率が0.3%程度という意味の慣用句。読みは「せんみつ」。

不動産物件の成約率が1000件に3件程度だったことから、土地売買の職業のことをかつて「千三つ屋」と呼ぶことがあった。そこから派生して、商品開発の難しさやインターネットのバナー広告のクリック率なども概ねその確率であることから、「千三つ」と表現されることがある。

元々は「千回のうち3回ぐらいしか本当のことを言わない嘘つき」の意味の古い俗語である。江戸時代から用いられており、落語などでも登場する。

タレントでコメディアンのせんだみつお氏の芸名の由来でもある。

デジタルネイティブ

デジタルネイティブ(digital natives)とは、生まれたときから、または幼い頃からデジタル機器やインターネットが普及した環境で育った世代のこと。

商用インターネットが普及し始めたのは1990年代半ばからであり、1980年代半ばから1990年代初頭に生まれた世代「ミレニアル世代」が最初のデジタルネイティブである。「ネット世代」とほぼ同義。

デジタルネイティブの特徴として、オンラインとオフラインの境界線をあまり持たない、モバイル端末で常につながっている状態を必須とする、情報リテラシーが高い、情報は無料だと考えている、ソーシャルメディア(SNS)に積極的に参加する、コミュニティへの帰属意識が高い、といったものが挙げられる。

アメリカの作家Marc Prensky氏が、2001年の著書『Digital Natives, Digital Immigrants』で定義し提唱したのが最初である。

続きを見る »

プラグマティック・ペルソナ

プラグマティック・ペルソナ(pragmatic persona)とは、マーケティングにおける商品企画や施策を考える際のユーザー像「ペルソナ」のうち、ユーザーインタビューや調査を行わずに、プロジェクトメンバーが想像して作成する架空のペルソナのこと。調査データを元にせず、プロジェクトメンバーの知見や仮説を元に短時間で作成される。簡易ペルソナ。

本来のペルソナの作成には調査を含めて多くの工数を必要とするが、よりアジャイルな商品開発にはスケジュールや工数が見合わない。そのため、後に徐々に修正することを前提として作成される仮のペルソナがプラグマティック・ペルソナである。

プロフィール属性、性格や価値観、動機や課題などを文章化し、必要に応じて写真やイラストも使用する。本来の過程を踏まない仮のペルソナであることを前提共有した方が良い。

ペルソナ

ペルソナ(persona)とは、マーケティング領域においては商品企画や施策を考える際の仮想の象徴的なユーザー像のこと。

氏名、年齢、職業といったプロフィール属性、性格や価値観、趣味嗜好、動機や課題などを文章化し、必要に応じて写真やイラストも使用する。ユーザー視点を得られるというメリットがあり、UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上や改善などを目的に、プロジェクトメンバー間での合意形成の基盤作りとして作成される。プロジェクトの初期段階で取り入れると、要件を整理し優先順位を決定するのに役立つ。

ペルソナは、ユーザー調査やデプスインタビューといった定量調査および定性調査からパターンを発見し、肉付けして作成していく。調査結果というデータや事実を元にしており、「架空」ではなく「仮想」のユーザー像である。でっち上げや他のプロジェクトの再利用は避けるべきである。

通常、主要なターゲット層を代表するペルソナは多くて3人で良い。母集団が数多くの層で形成されているときは、副次的なペルソナを追加で4人まで設ける。

一方、ユーザーインタビューや調査を踏まえずに、プロジェクトメンバーが想像する架空で仮のユーザー像のことを「プラグマティック・ペルソナ」という。

もともと「ペルソナ」は仮面を表すラテン語で、そこから転じて人や人格といった意味を持つ。

サードパーティ

サードパーティとは、もともとは第三者のこと。当事者ではない非当事者のこと。「サード」とは、向き合う二者の当事者とは別の「第三者」の意味である。

日本では、IT関連やコンピューターの領域で用いられることが多く、ある企業が提供するコンピューター部品やソフトウェア、プラットフォームに対して、互換性のある商品を提供する第三者の企業が「サードパーティ」に該当する。転じて、その第三者企業が提供する商品もサードパーティと呼ばれることがある。後者の場合は「非純正品」「社外品」と同義である。

コンピューターの周辺器機を提供したり、もともとのソフトウェアと高い互換性を持つ類似ソフトウェアを提供したりする企業が該当する。

サードパーティCookieも、ユーザーが訪問しているWebサイトのドメインから発行されるファーストパーティCookieに対して、訪問しているWebサイト以外のドメインから発行されるCookieのことを指す。

錯誤相関

錯誤相関(illusory correlation)とは、もともと相関がないデータに相関があると思い込んでしまうこと。実際には関連しない事象に対して、関連性があるように錯覚すること。認知バイアスの一つ。

特定の属性の集団が特徴ある行動をとった場合、その事象の起こる頻度を過大評価してしまう、というものなどが挙げられる。こういった錯誤相関は、差別や偏見を生み出す要因の1つになる。

例として、血液型に対するイメージや「晴れ男、晴れ女」といったジンクスも、多くは錯誤相関である。

元プロテニス選手でスポーツキャスターの松岡修造氏が滞在先の天候や気温に影響を与えるというジンクスや噂があるが、これも錯誤相関の例の一つである。

ローンチ

ローンチ(launch)とは、新しいサービスや商品を立ち上げて世に送り出すこと。一般の人が実際に利用できたり購入できたりする状況にすること。「立ち上げ」「公開」「リリース」「開始」などと同義。サービスや商品を送り出す側が用いる言葉、ビジネス用語である。

特にデジタルマーケティング領域やスタートアップ企業の界隈において、Webサイトや自社サービスの公開の際などに用いられるビジネス用語である。新商品の発売の際にも用いられる。

サイロ化

サイロ化とは、システムや組織上の部門が、他との連携もしくは情報共有をせずに単独で業務を遂行し、全体の中で孤立してしまう状態のこと。孤立化、タコツボ化。

システムであればアプリケーションの仕様や規格の違い、組織であれば派閥やしがらみなどによって、外部との接触や接点が少なくなる。そのため、業務がその中である程度完結して遂行できるようになり、発展性や拡張性を失ってしまう。外部からもシステムや組織内での業務遂行フローが不明瞭になり、連携ができないといった弊害が生じる。

サイロは、もともとは穀物や飼料などを貯蔵する倉庫、施設のこと。そこから転じて、閉鎖的な状態に閉じこもっていく、もしくは溜め込んでいく様子を表すビジネス用語として用いられる。

コモディティ化(汎用品化)

コモディティ化(commoditization)とは、市場における各社の商品の品質や特徴が拮抗し、付加価値や差がなくなって画一化してしまう状況のこと。商品の一般化、同質化、汎用品化。

市場に参入した当初は付加価値を持っていた商品が、後発品との競争や市場の成熟化、技術の標準化の中で機能や品質における特長を失い、一般消費財や低関与商材のように定着してしまう状態のこと。コモディティとは、そのように一般化して差別化できなくなった商品のことを指す。

コモディティ化が起こると、消費者の商品選択の基準が品質機能から市場価格へと移り、価格競争が起こりやすい。

消費者にとっては高品質な商品を低価格で購入できるメリットがあるが、その市場の成長が鈍化する場合がある。

ワーケーション

ワーケーション(workation)とは、在宅勤務だけではなく休暇中の旅行滞在先での仕事を認めるテレワーク、リモートワークを表す英語である。「仕事(work)」と「休暇(vacation)」を組み合わせた造語である。アメリカを中心に広まりつつある労働形態である。和製英語ではない。

テレワークとして自宅など特定の場所だけを認めるのではなく、連絡がすぐに取れる状況であれば、旅行の滞在先といった不特定な場所での勤務も認めるというもの。パソコンなどを使って仕事やテレカン(遠隔会議)をすることを前提としていることが多い。

ワーケーション利用者は、旅行先で休暇を楽しみながら、特定の一部の時間帯だけを仕事に充てるという形態が一般的である。

特に日本では、長期休暇の取得促進を目的の一つとしていることがある。日本では2015年前後から大手企業や自治体で試験的な導入が始まった。「働き方改革」が求められる中、休暇でリフレッシュしつつ業務の生産性を維持するワーケーションは、新しい働き方として期待されている。