Cookie(クッキー)

Cookie(クッキー)とは、ユーザーがWebサイトにアクセスしたときに、Webサーバーからブラウザー経由でユーザーの端末内に保存される小さなテキストデータ、もしくはファイルのこと。ブラウザー単位で保存される。正式には「HTTP Cookie」。

ユーザーの表示環境やログイン情報、Webサイトの設定や訪問履歴、ECサイトでのカート情報などを一定期間保存することで、ユーザーが再訪問した際などに操作性やユーザービリティが向上する。

ユーザーのインターネット利用時の利便性を向上するほか、アクセス解析や、ユーザーの閲覧やクリックといった行動履歴を元にした広告配信のターゲティングなどにも利用される。

Cookieの起源と由来

Cookieは、1994年にNetscape Communications Corporation社のエンジニアLou Montulliによって開発された。その後1997年に標準化され、多くのWebサーバーやブラウザーで利用できるようになった。

古くから、通信時にコンピューター間で受け渡されるデータのトークンまたは短いパケットのことを「マジッククッキー(magic cookie)」と呼ぶが、メッセージの書かれた小さな紙を中に入れた焼き菓子「フォーチュンクッキー(fortune cookie)」が由来であるとされる。

Cookieの種類

Cookieには、ファーストパーティCookieとサードパーティCookieの2種類がある。

ファーストパーティCookie

ファーストパーティCookie(1st Party Cookie)とは、ユーザーが訪問しているWebサイトのドメインから発行されるCookieのこと。そのドメイン内でのみユーザーの情報を取得して保存できる。

ユーザーの表示環境やログイン情報、Webサイトの設定や訪問履歴、ECサイトでのカート情報などを一定期間保存するのは、主にファーストパーティCookieによるものである。

サードパーティCookie

サードパーティCookie(3rd Party Cookie)とは、ユーザーが訪問しているWebサイト以外のドメインから発行されるCookieのこと。複数のドメインを横断してユーザーの情報を取得して保存、共有できる。サードパーティとは「第三者」の意味。

ユーザーの閲覧やクリックといった行動履歴を元にした広告配信のターゲティングなどに用いられるのは、主にサードパーティCookieによるものである。複数のWebサイトにまたがってユーザーの興味関心や行動を計測収集したDMP(Data Management Platform)や、行動などに基づいた広告(リターゲティング広告など)の配信などに用いられる。


ITPなどブラウザーによるCookieへの影響

Apple社のブラウザーSafariに搭載されたプライバシーとセキュリティ保護の機能「ITP (Intelligent Tracking Prevention)」により、2020年3月からサードパーティCookieは全面的にブロックされるようになった。
Full Third-Party Cookie Blocking and More | WebKit

Googleも、2020年にブラウザーChromeでのサードパーティCookieのサポートを2年以内に打ち切ると発表している。