サイト越えトラッキングを防ぐ

「サイト越えトラッキングを防ぐ」とは、Apple社のブラウザーSafariのバージョン11.0から搭載されたセキュリティ機能の一つ。複数サイト間におけるユーザー行動の追跡計測(クロスサイトトラッキング)を制御する仕組み「ITP」を、ユーザーのプライバシー保護と利便性のバランスを考慮して、ユーザーがSafariで設定できる機能である。デフォルトでは「オン(有効)」になっている。


▲iPhoneでは[設定>Safari]の「プライバシーとセキュリティ」の箇所に「サイト越えトラッキングを防ぐ」の項目がある。デフォルトでは「オン(有効)」

機能の詳細

ユーザーはWebサイトを閲覧する際、行動時のさまざまな情報を端末のCookie(クッキー)に保存している。Cookieに保存された過去の閲覧状況やログイン情報等を活用することで、ログインが保存されたり、ECサイトのカートに入れた商品が保持されたりなど、Webサイトの利便性は向上する。

一方で、過去の閲覧データを元にした広告表示(リターゲティング広告)なども、Cookieのデータを活用している。Webサイトの閲覧時に過去に閲覧した他サイトの広告(リターゲティング広告など)が表示されることがあるのは、このCookieの仕様とWebサイトでの行動の追跡計測を元にしたものである。

このようなCookieの仕様のうち、プライバシー保護の観点から過去に閲覧した他サイトのCookie(サードパーティCookie)を制御できるようにし、サイトにアクセスするとSafariのITPの機能により即時にCookieを無効にできる。この制御する機能が「サイト越えトラッキングを防ぐ」である。

アップル社は、アップル製品に関するプライバシーの取り組みについてWebサイトにまとめており、Safariのこの機能を「インテリジェント・トラッキング防止機能」として紹介している。

プライバシー – Apple(日本)


オン(有効)とオフ(無効)の違い

この機能が「オン(有効)」であれば、サイトにアクセスした後もそのサイトに関する広告はSafariでは表示されにくくなる。その一方で、例えばポイントサイト経由での購入でポイントが付与されるような仕組みでは、うまく機能しなくなるといった事象が起きることがある。

「オフ(無効)」にすれば、サイトにアクセスしてから24時間経過後も引き続きそのサイトに関する広告がSafariで表示される可能性を有する。一方で、ポイントサイト経由での購入でポイントが付与されるような仕組みは有効に機能する。