リキッド消費(liquid consumption)とは、モノを所有して長く使うという従来の考え方とは異なり、必要なときに必要なだけ、あるいはその時々の気分や状況に合わせて柔軟に消費する形態のこと。所有するのではなくアクセスであり、一時的な経験や利用権に対して対価を支払うような流動的で脱物質的な消費である。
2017年にイギリスのフルーラ・バーディ(Fleura Bardhi)とギアナ・エカート(Giana M. Eckhardt)が論文『Liquid Consumption』で発表した。彼女らは、リキッド消費は「短命的 (ephemeral)」「アクセスベース (access based)」「脱物質的 (dematerialized)」の3つの特徴を持つと定義している。
体験やサービスなどコト消費が重視されるようになり、デジタル技術の発達で一時的な利用やダウンロードが一般的になったこと、また環境問題への意識の高まりもあって、リキッド消費が一定のトレンドになったと考えられている。サブスクリプションモデルの拡大やシェアリングエコノミーもリキッド消費の一環である。使いたいときに必要なものを得ることができ、所有の責任や管理コストを負わないという利点もある。