ユーザーエクスペリエンス(user experience)とは、製品やサービスを利用することで得られる体験の総称である。製品やサービスのシステムとしての品質、利用するユーザーの属性、利用状況や文脈といった複数の要素が関与するユーザー体験である。「UX」と略される。
製品やサービスの利用中の体験だけでなく、利用前や利用後の体験、印象、感想、期待などを含むことがある。このユーザーエクスペリエンスを改善することで、ユーザーにより利用、支持されることが期待できる。
目次
User Experience Honeycomb(UXハニカム)
ユーザーエクスペリエンスにはさまざまな定義がある中、Semantic Studios社のPeter Morvilleが2004年に発表した「User Experience Honeycomb(UXハニカム)」では、ユーザーエクスペリエンスは7つの要素(6要素+Valuable)で構成される。
- Useful:有用さ、便利さ
- Usable:使いやすさ
- Desirable:望ましさ
- Findable:見つけやすさ
- Accessible:利用しやすさ、アクセスしやすさ
- Credible:信頼性
- Valuable:価値がある
User Experience Design – Semantic Studios
Valuableを除く6要素を評価軸としてユーザーエクスペリエンスの品質を評価することもある。
UXとUIの関係
ユーザーインターフェース(user interface, UI)とは、製品とユーザーが情報をやりとりする接点、インターフェースのことである。多くの場合はユーザーの目に見える状態にある。
ユーザーインターフェース(UI)は、ユーザーエクスペリエンス(UX)に作用し影響を与える要素であるが、UI以外にもさまざまな要素がUXに影響を与える。
UXとユーザービリティの関係
ユーザビリティ(usability)とは、製品やサービスの操作性や使いやすさのことである。製品をユーザーが特定の目的で利用する際に、効果的、効率的に満足して利用できるかの度合いのことであり、ユーザービリティテストなどで測定可能な製品側の設計品質の一つである。
一方、UXは製品の品質、利用するユーザーの属性、利用状況や文脈といった複数の要素が関与するユーザー体験であり、より複合的なものである。
UXとCXの関係
カスタマーエクスペリエンス(customer experience, CX)とは、顧客が商品やサービスと直接的または間接的に接点(タッチポイント)を持つ際に顧客に形成される、意識的もしくは無意識的な認識、反応、価値観のこと。日本語では「顧客経験」「顧客経験価値」と訳される。
UXは製品やサービスの利用しやすさを軸としているのに対し、CXはあらゆる接点での印象も含めた顧客の反応を含んでいるという違いがある。
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