バクロニム

バクロニム(backronym, bacronym)とは、既に知られた一般的な言葉に対して後付けで意図的に作られた頭字語、略語のこと。「back (後)」と「acronym (アクロニム)」を合わせた混成語、かばん語である。

一般的な言葉や特に意味のない単語に対して後から意味を持たせたり、もともと複数の単語の頭文字をつなげて作られた略語「頭字語(アクロニムイニシャリズム)」の内容を後から変更したりするものがある。以下のような例がある。

  • SOS:遭難信号であるSOSは、本来はシンプルで送信しやすいモールス信号(3つのドット、3つのダッシュ、3つのドット)というだけで意味を持たないが、「save our ship (souls)」の略称とされることがある
  • DVD:記録媒体であるDVDは、当初は「digital video disc」の略称として名付けられるも、マルチメディア用途の柔軟性を強調すべきという各社の意見から「digital versatile disc」の候補が挙げられるが、正式名称は単なる固有名詞「DVD」であり、略称ではない
  • RIP:欧米の墓に刻まれる表現RIP(R.I.P.)はラテン語「requiescat in pace (安らかに眠れ)」の略称であり、「rest in peace」はバクロニムである

「既に知られた一般的な名詞などと同じ綴りになるように命名されたアクロニム」は必ずしもバクロニムではない。