シズル(シズル感)

シズル(sizzle)とは、もともとは料理の際に食材を熱々の油で焼いたり揚げたり、また熱した鉄板に水を落としたりしたときの、ジュージューと音を立てる様子を表す英語である。そこから転じて、マーケティング領域では消費者の五感を刺激して食欲や購買意欲や喚起する広告表現や手法のことを表す。後者の「食欲や購買意欲を喚起するような表現や臨場感」を日本では「シズル感」と呼ぶ。

シズルが広告表現やマーケティングにおいて有効な手段であることを最初に指摘したのが、アメリカのコンサルタントElmer Wheeler(エルマー・ホイラー)氏である。彼は1937年の書籍『ステーキを売るなシズルを売れ(Tested Sentences That Sell)』で、販売やマーケティングのノウハウを5つの「ホイラーの5つの公式」にまとめた。その一つがシズル感である。顧客は商品のスペックや値段よりも感覚的な「買いたくなる理由」の方により魅力を感じるというものである。

ホイラーの5つの公式 (Five Wheelerpoints)

  1. ステーキを売るな、シズルを売れ (Don’t sell the steak – sell the sizzle.)
  2. 手紙を書くな、電報を打て (Don’t write – Telegraph.)
  3. 花を添えて言え (Say it with Flowers.)
  4. もしもと聞くな、どちらと聞け (Don’t ask if – ask which!)
  5. 吠え声に気をつけよ (Watch your bark!)