テックタッチ(tech touch)とは、カスタマーサクセスを実施する際に、大口顧客ではない多数の顧客に対してテクノロジーを活用して行う一律化した対応のこと。人の手の介入を最小限に抑えて、広範囲にかつ同時に対応することを目指したもの。「ノータッチ (no-touch)」と同一の意味で用いられることもあるが、異なるという指摘もある。
SaaSなどのビジネスで行われることが多い。メールや電話での対応、チャットボット、自動化したメール、動画やヘルプやFAQなどのオンラインコンテンツ、オンラインコミュニティなどが該当する。
顧客に対する過剰もしくは過小な対応を防ぎ、顧客のLTV(顧客生涯価値)の最大化のために自社のリソースを適切に割り当てる取り組みの一つである。
ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチ
カスタマーサクセスでは、LTV(顧客生涯価値)やARR(年間経常収益)、ACV(年間契約金額)などの顧客価値を軸として顧客を分類し、それぞれに対して最適なサポートアプローチを取るという手法がある。テックタッチはその一つである。そのサポートの分類と対応内容は以下である。
- ハイタッチ(high touch):大口顧客など自社への便益が非常に大きい顧客に対する、個別対応やカスタマイズ対応など、人手を掛けた柔軟な対応のこと
- ロータッチ(low touch)あるいはミッドタッチ(mid touch):ハイタッチとテックタッチの中間で、人手は掛けるが手厚いものではなく、集団的な対応が中心となるもの
- テックタッチ(tech touch):多数のロングテールな顧客に対して、人手の介入を最小限に抑えてテクノロジーを活用して行う一律化した対応のこと