カスタマージャーニー(customer journey)とは、商品やサービスを知った顧客が、認知から関心、購入、推奨に至るまでの行動や心理を時系列的に可視化したプロセスのこと。可視化されたものをカスタマージャーニーマップとも呼ぶ。
カスタマージャーニーで顧客の購買行動を可視化することで、顧客とのタッチポイント(接点)を洗い出すことができ、どうすれば顧客の体験が向上するか、企業はいつどこでどのようにアプローチしたりコミュニケーションを取ったりすべきかなどを改善できる。カスタマージャーニーは企業視点ではなく、顧客の行動視点で構成する必要がある。
古くからある、消費者の購買モデル「AIDA」をはじめとしたパーチェスファネル(購買ファネル)も、企業のマーケティング視点でのカスタマージャーニーの一種とも言える。
フィリップ・コトラー氏による「5A」のカスタマージャーニー
フィリップ・コトラー氏は、2016年の書籍『マーケティング4.0』において「5A」と呼ぶカスタマージャーニーのモデルを提唱している。デジタル経済の時代にはソーシャルな横のつながり(接続性)が反映されるべきであるとし、「認知(Aware)」「訴求(Appeal)」「調査(Ask)」「行動(Act)」「推奨(Advocate)」の5つの段階で構成、「推奨」の重要性が増すとしている。
- 認知(Aware)
- 訴求(Appeal)
- 調査(Ask)
- 行動(Act)
- 推奨(Advocate)
必ずしも、このような決まった構成やフレームワークをなぞる必要はなく、企業の顧客像(ペルソナ)を仮想した上で、顧客の行動に沿ったプロセスで構成すれば良い。