IT企業(IT company)とは、本来の意味ではコンピュータを基盤とした「情報技術 (information technology, IT)」の領域を扱う企業のこと。情報システム、アプリケーションソフトウェア、ハードウェアの開発や研究、デザイン、導入やサポート、保守運用などを行う企業のことである。その意味では「SIer (エスアイヤー)」と同義。
一般的にはソフトウェア開発、ハードウェア開発やシステム開発、情報処理サービスを事業の中心とする企業のことである。中心となる職種はシステムエンジニアやプログラマー、企業へのITシステムの導入支援を進めるITコンサルタントなどである。
IT企業は、必ずしもインターネットをはじめとした通信技術の領域を含まない。しかし、1995年以降のインターネットの普及に伴って情報技術が高速に進化し、「IT革命」などと「IT」がインターネットと関連付いた用語として広まってしまった。そのため「インターネット関連企業」の意味合いで用いられることも多いが、本来の意味ではない。例えばインターネット広告やWebマーケティング事業は、本質的には広告やマーケティングの領域であるため「広告業」「マーケティング業」である。Webサービス事業も情報技術(IT)を基盤にしているにすぎない。
テレビをはじめとしたマスメディアのエンターテイメント領域や一般の人の会話で用いられる「IT企業」「IT業界」は、多くは「(華やかで少し浮ついたような)インターネット関連企業」のニュアンスを含む。そのような一般的な認知が広まり、加えてインターネット関連企業も「IT企業」とくくられることを積極的に否定しないため、結果的に「インターネット関連企業」の意味も含んでいる状態といえる。
そのため一般的な印象やイメージは華やかで浮ついたようなものではあるが、本来のIT企業に従事するシステムエンジニアやプログラマー、ITコンサルタントの業務の実態は華やかでも浮ついた感じもなく、どちらかといえば堅実で落ち着いたものが多い。