To-Be (理想の状態)

To-Beとは、「~となる予定の」「将来(の)」を意味する英語で、ビジネス領域では将来の理想の状態を表すものとして用いられる。「To Be」「ToBe」といった表記や小文字の表記もある。読みは「トゥービー」。

計画や課題解決の場面で、理想の状態や目標を定義する際に用いられる。理想の状態である「To-Be」に対して、現在の状態を英語で「そのままの、現状どおりの」を意味する「As-Is」で表す。「To-Be」と「As-Is」の間のギャップが課題に該当する。

N/A (該当なし, 無効)

N/Aとは、「該当なし」「適用なし」を意味する英語「not applicable」、もしくは「無効」「利用不可」を意味する英語「not available」の略語である。質問に対する回答がない場合や該当するデータがない場合、あるいは該当の項目を提供できない場合、未定である場合などに用いられる。

書類などの記入欄や表において、空欄のままでは記入漏れなのか「該当しない」「回答なし」なのかを判別できないため、明示的に「無い」ことを示すために記される。

ロバストネス原則(ポステルの法則)

ロバストネス原則(robustness principle)とは、「あなたがすることは厳密に、あなたが他人から受けることには寛容に (be conservative in what you do, be liberal in what you accept from others.)」というシステムやソフトウェアの開発における考え方、開発指針のこと。「送信は厳密に、受信は寛容に」とも言い換えられる。「堅牢性原則」。

他のシステムとの間で通信を行う際、処理をして送信する側は厳格なデータの仕様に準拠するべきだが、利用するユーザー側には入力データの多様性を許容して使い勝手を損なわないようにするべきである、というものである。

アメリカのコンピューター科学者でインターネットの創始者の1人であるジョン・ポステル(Jonathan Bruce Postel)が初期のTCPを規定したRFC 793において示した一節であり、それが一般化され知られるようになったものである。ジョン・ポステルにちなんで「ポステルの法則 (Postel’s law)」とも呼ばれる。

コンウェイの法則

コンウェイの法則(Conway’s law)とは、組織がシステム開発を行う際、その組織のコミュニケーション構造と同じ構造の設計を行ってしまうという法則のこと。1967年にアメリカのコンピュータープログラマーのメルヴィン・コンウェイ(Melvin Edward Conway)が提唱した。

これは、組織のコミュニケーションパターンが、結果として作られるシステムの構造に大きな影響を与えるというものである。システムやソフトウェアの開発には組織やメンバー間のコミュニケーションが不可欠である。組織の境界によってその関係性が阻害されていればコミュニケーションは阻まれ、統合されたシステムの開発は難しくなる。そのため、システムの構造は組織構造に依存したものになり、コミュニケーションがうまくいっていない領域のシステム連携には課題が多くなる。

コンウェイはほとんどの技術領域において当てはまるとしている。組織構造が複雑であればシステムも複雑になりがちで、組織間の連携がスムーズでない場合はシステム間の連携もスムーズに行えない。組織が機能別に分かれていればシステムも機能別に開発される傾向がある。

システムやソフトウェアの開発においてはアーキテクチャと整合性の取れた組織構造や円滑なコミュニケーション構造が求められ、そうでなければ構造上の欠陥を生むリスクを負うことになる。

バクロニム

バクロニム(backronym, bacronym)とは、既に知られた一般的な言葉に対して後付けで意図的に作られた頭字語、略語のこと。「back (後)」と「acronym (アクロニム)」を合わせた混成語、かばん語である。

一般的な言葉や特に意味のない単語に対して後から意味を持たせたり、もともと複数の単語の頭文字をつなげて作られた略語「頭字語(アクロニムイニシャリズム)」の内容を後から変更したりするものがある。以下のような例がある。

  • SOS:遭難信号であるSOSは、本来はシンプルで送信しやすいモールス信号(3つのドット、3つのダッシュ、3つのドット)というだけで意味を持たないが、「save our ship (souls)」の略称とされることがある
  • DVD:記録媒体であるDVDは、当初は「digital video disc」の略称として名付けられるも、マルチメディア用途の柔軟性を強調すべきという各社の意見から「digital versatile disc」の候補が挙げられるが、正式名称は単なる固有名詞「DVD」であり、略称ではない
  • RIP:欧米の墓に刻まれる表現RIP(R.I.P.)はラテン語「requiescat in pace (安らかに眠れ)」の略称であり、「rest in peace」はバクロニムである

「既に知られた一般的な名詞などと同じ綴りになるように命名されたアクロニム」は必ずしもバクロニムではない。

イニシャリズム

イニシャリズム(initialism)とは、複数の単語で構成される合成語の頭文字をつなげて作られた略語「頭字語」のうち、略語のアルファベット1文字ずつをそのままアルファベットとして読むもの。略語を単語として素直な読み方をするのではなく、アルファベット1文字ずつをそのまま発音する頭字語のことである。

例えば世界保健機関「World Health Organization」の略称は「WHO」だが、アルファベット1文字ずつそのまま「ダブリュー・エイチ・オー」と発音し、イニシャリズムに該当する。

類似する頭字語にアクロニム(acronym)がある。アクロニムは略語を一つの単語のような読み方で発音するものが該当する。例えばアジア太平洋経済協力「Asia-Pacific Economic Cooperation」の略称は「APAC」だが、「エイパック」と発音し、アクロニムに該当する。

略語によってはアクロニムとイニシャリズムのどちらにも該当する場合もある。「できるだけ早く」を意味する英語「as soon as possible」の略語は「ASAP」だが、「エー・エス・エー・ピー」と「アサップ(エイサップ)」のいずれの発音も使用され、アクロニムとイニシャリズムのどちらともいえる。

アクロニム

アクロニム(acronym)とは、複数の単語で構成される合成語の頭文字をつなげて作られた略語「頭字語」のうち、その頭字語を一つの単語のような読み方で発音するもの。アルファベット1文字ずつをそのまま読むのではなく、略語を単語として素直な読み方をした頭字語のことである。

例えばアジア太平洋経済協力「Asia-Pacific Economic Cooperation」の略称は「APAC」だが、「エイパック」と発音し、アクロニムに該当する。

類似する頭字語にイニシャリズム(initialism)がある。イニシャリズムは略語のアルファベット1文字ずつをそのままアルファベットとして読むものが該当する。例えば世界保健機関「World Health Organization」の略称は「WHO」だが、アルファベット1文字ずつそのまま「ダブリュー・エイチ・オー」と発音し、イニシャリズムに該当する。

略語によってはアクロニムとイニシャリズムのどちらにも該当する場合もある。「できるだけ早く」を意味する英語「as soon as possible」の略語は「ASAP」だが、「エー・エス・エー・ピー」と「アサップ(エイサップ)」のいずれの発音も使用され、アクロニムとイニシャリズムのどちらともいえる。

リクープ

リクープ(recoup)とは、「取り戻す、回収する」「償う」を意味する英語である。ビジネス領域においては「損失を取り戻す」「投資費用などを回収する」などのように、ミスなどによる損失や初期投資、まとまった支出をなんとか別の手段で穴埋めするなど取り戻して相殺することに対して用いられる。

必ずしも金額として差し引きゼロにならなくても、損失や費用に見合う別の結果を得るケースも含まれる。その意味においては同じくビジネス用語の「ペイする」と類似する。

プチプラ

プチプラとは、「プチプライス」の略称で、「値段が安い」を意味する用語。フランス語で「小さい」を意味する「プチ (petit)」と英語の価格「プライス (price)」を組み合わせた和製英語の略語である。

主に化粧品や女性向けファッション、小物、雑貨などに対して用いられる。単に値段が安いだけでなく、「おしゃれ」「かわいい」「品質、コスパがいい」といった価値を表す意味を包含している。2010年代頃から若い女性を中心に使用されるようになり、おしゃれな100円ショップの商品の増加などもあって広く普及した。

「プチプラコスメ」「プチプラファッション」「プチプラコーデ」「プチプラ雑貨(グッズ、アイテム)」など、他の用語と組み合わせて用いることもある。

ガクチカ

ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」の略称のこと。学生が就職活動を行う際に、面接やエントリーシートなどでアピールを求められる定番の質問項目の一つ。主に学生の間で用いられる就活用語、スラングである。

企業が学生を選考する際、学生の興味関心や価値観、物事に取り組む姿勢などを推し量る質問項目として「学生時代にどのようなことに熱中していたか」「何に打ち込んでいたか」を用いる傾向がある。そのため、学生が事前に具体的な回答を準備したり、就職に有利という基準だけでボランティア活動など意図的に回答のための経験を済ませるなど対策を取るようになり、「ガクチカ」と略して呼ばれるようになった。

学生にとっては就職活動の対策の一つの項目であり、採用側の企業にとってもどのように評価するかを求められる内容でもある。

サービスブループリント

サービスブループリント(service blueprint)とは、製品やサービスがユーザーに提供されるまでプロセスを、提供者をはじめ関係者とシステムの動きを合わせて時系列で可視化したツールのこと。ユーザー体験に関わるすべての業務プロセスを含み、サービスの設計や運用管理、ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善などさまざまな目的で使用される。「サービス設計図」。

銀行役員だったリン・ショスタック(G. Lynn Shostack)が1984年にHarvard Business Review誌にて発表した。ユーザー視点で可視化されるためカスタマージャーニーマップの一種でもあり、カスタマージャーニーマップに提供者などの関与を加えて可視化したものと言える。「ブループリント」は日本語で「青写真」の意味。

サービスブループリント
▲サービスブループリントの例。カスタマーアクションに呼応して、フロントステージとバックステージのプロセスがどのように連携しているのかを明示する

ダブルジョパディの法則

マーケティングにおけるダブルジョパディの法則(the double jeopardy law)とは、市場浸透率の低いブランドほど購入頻度も少なくなるという現象、経験則である。市場シェアの低いブランドは購買人数が少なく、またこれら商品の購買客の購買頻度(ロイヤルティ)も低いため、二重の苦しみ(ダブルジョパディ)を受けることになるというものである。この法則に則れば、ライトユーザーを積極的に獲得して市場浸透率を高めることこそが最も重要であるということになる。

この現象は、ブランドが幅広く交換可能で同じ嗜好の人の多くに購入されている場合に発生しやすい。ただし一定の範囲で定義された市場においてのみ発生し、他の市場におけるブランドとは関係しない。

以前から統計的に確認されていたが、南オーストラリア大学のマーケティングサイエンス領域のバイロン・シャープ教授(Byron Sharp)による2010年の書籍『ブランディング科学 (How Brands Grow)』にて紹介され、広く知られるようになった。

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スプリンターネット(サイバーバルカン化)

スプリンターネット(splinternet)とは、グローバルでオープンなはずのインターネットが政治やナショナリズム、宗教などにより分断された状態になること。20世紀に民族国家が乱立したバルカン半島の様子から「サイバーバルカン化 (cyber balkanization, cyberbalkanization)」「インターネットのバルカン化 (internet balkanization)」とも呼ばれる。

例えば中国では、政府がインターネット情報を検閲したり欧米のいくつかのインターネットサービスを遮断するなど「グレートファイアウォール」を構築している。技術や商業的な側面においても、ヨーロッパが個人情報の取り扱いを厳格化するなどデータの管理や移転に制限が設けられ始めている。

国や地域間での分断だけでなく、同じような考えや思想を持つ人がソーシャルメディア(SNS)などで強力につながって閉鎖的なコミュニティを形成し、世間から分裂することも該当する。

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Time to Value (TTV)

Time to Value(タイムトゥバリュー, TTV)とは、顧客が製品やサービスを利用し始めてからその価値を実感するまでにかかる時間のこと。カスタマーサクセスにおいて顧客の事業を金銭的な成功へと導くことは重要だが、同時に製品への投資に対して早期にその効果を実感してもらうことも利用の継続として重要な視点である。

特にSaaSなどのビジネスモデルであれば製品の利用から得られると期待する利益が価値に該当し、早い支払時期までにその価値を理解してもらう必要がある。早期に顧客にその価値を認めてもらえれば、それは顧客との関係性の基礎を形成し、その後の顧客体験の維持継続へとつなげることができる。

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アクハイア(アクハイアリング)

アクハイア(acqui-hire, acq-hire, acquihire, acqhire)もしくはアクハイアリング(acqui-hiring, acq-hiring)とは、人材獲得を目的とした企業買収、M&Aのこと。「acquisition (買収)」と「hire (雇用)」を掛け合わせた英語の造語である。2005年頃から用いられている。「アクイハイア」の表記もある。

企業の事業や製品サービスの獲得を目的とせず、その従業員を組織ごと獲得することを目的とした企業買収である。企業にとってエンジニアをはじめとした高度な技術やノウハウを持つ優秀な人材の確保は大きな課題であり、大企業や資金力のあるベンチャーやスタートアップが小さなスタートアップを人材獲得目的で買収するケースがある。企業をまるごと買収することで優秀な開発チームを効率的に確保でき、自社の事業の推進に役立てられる。

SIer (システムインテグレーター)

SIerとは、システム開発や保守運用などを請け負う事業者「システムインテグレーター (system integrator)」に対する通称である。システムインテグレーション(system integration)の略称「SI」に「~する人」の意味の接尾辞「-er」を付けた和製英語である。読みは「エスアイヤー」「エスアイアー」。

顧客のITシステムの開発や保守運用を行うため、本来の意味の「IT企業」に近く、中心となる職種はシステムエンジニアやプログラマー、顧客へのITシステムの導入支援を進めるITコンサルタントなどである。「ITベンダー」「システムベンダー」とも概ね同義であり、また大企業のSIerが子会社へ再委託する構造を持っていることも多いため、「ITゼネコン」とも呼ばれたりする。

アクティブユーザー

アクティブユーザー(active users)とは、主にWebサービスやアプリなどで一定期間のうちに1回以上サービスを利用したユーザーのこと、もしくはそのようなユーザーの数を表す指標のこと。そのサービスの利用実態を把握するための指標で、月次(MAU)や週次(WAU)、日次(DAU)のようにサービスに適した単位で集計される。

サービスの利用実態を把握する際、累積の会員ユーザー数では利用をやめた休眠ユーザーなどを含み、正確な把握には向いていない。継続して定期的にサービスを利用しているユーザーを把握することで、サービスの成長やリテンションの状況を評価できる。

一般的にはユーザー登録やログインをして利用するサービスで用いられる指標である。そのため、デバイスや端末が異なっても重複してカウントしないことが求められる。通常のWebサイトのようにログインせずに利用するサービスでは、ユニークユーザー数やユニークブラウザー数の指標を用いることが多い。

オンサイト

オンサイト(on-site)とは、「現場で」「現地で」を意味する英語である。ITの領域においては、企業が顧客の業務を行う際に顧客の元へ直接出向いてサポート業務を行う「オンサイトサポート」「オンサイト保守」などのように用いる。

オンサイトに対して、「現地から離れて」や「遠隔地」のことを「オフサイト(off-site)」と呼ぶ。遠隔地からの電話やメールによるサポートを「オフサイトサポート」、普段の会議室から離れた社外の場所で開かれる会議を「オフサイトミーティング」などのように用いる。

MVV (ミッション・ビジョン・バリュー)

MVVとは、「Mission (ミッション)」、「Vision (ビジョン)」、「Value (バリュー)」のそれぞれの頭文字を取った略語である。

経済学者のピーター・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)が2002年の著書『ネクスト・ソサエティ (Managing in the Next Society)』にてその重要性を記したのが普及のきっかけとされる。

ドラッカーは書籍にて、「これからの企業はミッション、ビジョン、バリューを定め、組織全体で明確な存在意義や価値観を共有できている状態が望ましい」と説いている。

  • ミッション:企業や組織が果たすべき使命や存在意義、目的。理念
  • ビジョン:企業や組織が目指す未来、理想像。経営方針
  • バリュー:企業や組織の価値観、行動基準。行動指針

「MVV」の略称はおそらく日本固有のものである。ビジョン・ミッション・バリューの順の「VMV」の略称も見られる。

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プロダクトアナリティクス

プロダクトアナリティクス(product analytics)とは、Webサービスにおけるユーザーの行動を把握、分析すること、もしくはそれらを行う分析ツールのこと。登録ユーザーIDおよびイベント軸によるユーザーアクションやエンゲージメントの計測によって、カスタマージャーニーがどのようになっているのかを分析できる。

SaaSをはじめとしたサブスクリプションサービス、EC、ゲーム、メディアなどのWebサービスを対象とする。リピートやコンバージョンのきっかけは何かなど、ユーザーがどのようにそのサービスを利用しているのかを分析、視覚化することで、より最適なユーザー体験に向けた改善につなげられる。UIを使って高度なデータ分析を容易かつ瞬時にできることが多い。

アクセス解析がWebサイトのページビューを主な計測軸として用いるのに対し、プロダクトアナリティクスはイベントを計測軸とし、アプリやWebサイトといったプラットフォームを問わずそれらを統合した分析を行える。ユーザーIDも計測軸とするため、リテンションLTVの把握も可能である。

主要なプロダクトアナリティクスツールに、Mixpanel、Amplitude、Heapなどがある。