バラフライ・エフェクト(butterfly effect, バタフライ効果)とは、ほんの些細な事がさまざまな要因を引き起こした後、非常に大きな事象の引き金に繋がることがあるという考え方のこと。
初期のわずかな差が将来に大きな差を生むというもので、どんなに初期の差が小さくてもさまざまな要因によって変化は進み、どのような結果や未来が訪れるかは誰にも判らないことを意味する。そこから、ほんの些細なことも、ときに歴史を動かすことがあるかも知れない、という意味につながる。
複雑なシステムにおいて初期条件のわずかな違いが最終的に大きな影響を与えることを示す理論「カオス理論」における予測困難性を表す表現の一つである。またバタフライ効果は因果関係が直線的ではなく、わずかな入力が大きな結果をもたらす非線形システムに特有である。
気象学者エドワード・ローレンツ氏(Edward Norton Lorenz)が1972年にアメリカ科学振興協会で行った講演で、この概念を発表した。バラフライ・エフェクトの名称の由来は、このときの講演の題名『ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすか』から来ている。ここでの趣旨は、「蝶の羽ばたきはトルネードを引き起こす可能性はあるが、そのような事象は計測精度を上げても予測はできない。年間のトルネードの発生数には影響せず、大局の動向をどう捉えるかの方が重要である」というものであった。
2004年に公開された映画『バタフライ・エフェクト』のヒットも、この考え方の普及につながった。
類似する表現として、日本のことわざ「風が吹けば桶屋が儲かる」がある。