クリック&モルタル

クリック&モルタル(click & mortar)とは、インターネットを介した電子商取引(EC)と実店舗を組み合わせて連動させたビジネス形態のこと。「クリック」がインターネットやECを表し、セメントと砂と水による建築材料「モルタル」が実店舗を表す。

概念としてはオムニチャネルやO2Oと類似するが、O2Oの概念が登場する以前の1990年代後半から2010年頃にかけてアメリカを中心にして用いられた表現、概念である。当時のアマゾンに代表されるEC専業の企業に対して、トイザらスやウォルマートなど実店舗を中心に構えながらECとの連動を図る企業のことを「クリック&モルタル」と呼んだ。

インターネットがまだ普及していなかった時代からの実店舗を軸とした大手企業を、「ブリック&モルタル (brick & mortar)」と古めかしさを揶揄した表現で呼び、それに対してECを推し進める企業側がインターネットと連携した実店舗ビジネスの形態を「クリック&モルタル」と呼んだ。

2016年以降には、ECで注文した後に実店舗で商品を受け取る仕組みやビジネス形態「クリック&コレクト (click & collect)」が台頭している。