キャンベルの法則

キャンベルの法則(Campbell’s law)とは、社会的なプロセスにおける定量的な指標が改善や評価の基準として重視されると、その指標そのものが操作され結果的に本来の目的を果たさなくなる事象のこと。

ある問題を解決するために特定の指標を測定してその指標の改善を目標に政策や行動を取ると、その指標そのものが改ざんされたり、指標の改善にばかり目が向き本来解決すべき問題から目が離れてしまうという現象である。

キャンベルの法則が生じる理由として以下のものが挙げられる。

  • ゲーム化:指標が改善の対象になると、人々はその指標を改善することにゲームのように取り組むようになり、本来の目的を見失いがちになる
  • 短期的視点:指標の改善は短期的には達成しやすいが、長期的な視点ではより重要な問題が放置されやすい
  • 指標の誤用:指標が必ずしも問題の本質を捉えているとは限らず、指標の誤用によってかえって問題を悪化させる可能性がある

例えば、学校教育にて学生の学力向上を目標にテストの点数を改善しようとすると、テスト対策に重点が置かれてしまいより深い理解や応用力が育まれにくくなる。企業が生産性を上げるために「製品の生産数」を評価指標に用いれば、品質の低下を招きやすい。

1979年にアメリカの社会学者ドナルド・T・キャンベル(Donald T. Campbell)によって提唱された。