優越の錯覚(illusory superiority)とは、自分の資質や能力が他の人と比較して優れていると過大評価する心理的傾向のこと。自己に関する肯定的な錯覚、認知バイアスの一つである。
この心理的傾向は、過去のさまざまな研究によって繰り返し報告されている。車を運転する人の多くが「自身は全ドライバーの上位30%である」と評価したり、学生の多くが「自分の人気は平均よりも上である」と回答したりなど、さまざまな調査結果がある。
アメリカの作家ギャリソン・キーラ(Garrison Keillor)が司会と制作を務め、小説『レイク・ウォビゴンの人々 (Lake Wobegon Days)』としても描いたラジオ番組『A Prairie Home Companion』で登場する架空の地名「レイク・ウォビゴン」にちなみ、「レイク・ウォビゴン効果 (the Lake Wobegon effect)」とも呼ばれる。レイク・ウォビゴンでは「女性は皆強く、男性は皆かっこよく、子供は皆平均以上である」という設定となっている。「レイク・ウォビゴン効果」の名称はアメリカの医師John Jacob Cannellが1987年に用いた。
能力や成績が低い人ほど自らのそれに対して過大評価を行い、自信にあふれるという認知バイアス「ダニング=クルーガー効果」とも類似する。