ICEスコア

ICEスコア(ICE score)とは、改善案や着手すべき施策が多い際に優先すべきものを順序づける手法のこと。「影響力、インパクト(Impact)」、「信頼度(Confidence)」、「容易性(Ease)」の3つの要素を掛け合わせて算出する。

ICEスコア = 影響力(Impact) × 信頼度(Confidence) × 容易性(Ease)

影響力はその案が改善対象の成果やKPIに与える効果の量、信頼度はその案が成功する可能性や確率、容易性はその案の実行しやすさで、これら3つを数値化しスコア付けをする。

3つの値は、それぞれ1から10の相対的な基準で値付けする。明確な基準がない場合が多く、現実的には関与するメンバー間での合意を元に数字を当てはめるのが妥当だろう。

メディア『GrowthHackers』のSean Ellisによって提唱された。特にスタートアップ企業やスモールビジネスにおいて用いられている。

ロングテール

ロングテール(long tail)とは、アマゾンをはじめとするEC(インターネット通販)などにおいて、主要な売上を占める売れ筋商品以外の「多品種で少量のニッチ商品」を大量にそろえることで、全体の売上を大きくする販売手法、もしくはそこから派生した概念、戦略のこと。

縦軸に販売数量や売上、横軸を商品として販売数量順(売上順)でグラフにした際、ベキ分布のグラフが恐竜の「長い尻尾(long tail)」に見えることが由来である。

雑誌『Wired』編集長だったクリス・アンダーソン (Chris Anderson) が、2004年に同紙に執筆した記事にて提唱した。

従来、マーケティングの分野では「パレートの法則」として上位20%の商品が80%の売上を占めると認知され、上位20%の商品に対して注力することが多かった。それに対して、物理的制約が少ないとされるインターネット販売、ECにおいては、下位80%のニッチ商品による売上も大きい場合があり、無視できない存在である。

ロングテールは年々長くなる一方で、近年ソーシャルメディアやSNSの波及力が増大化し、「みんなが話題にする同じ商品」が大ヒットとなる「モンスターヘッド」という現象も起きている。

E-A-T

E-A-Tとは、Googleが高品質なWebサイトやページに必要な要素として重視している3つの要素のことで、「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」のそれぞれの頭文字をとって表される。Google検索の検索品質評価ガイドラインの項目の一つ。

すべてのWebサイトは、E-A-T値がいかに高いかを示す必要がある。

情報の分野によって求められる基準は異なるが、あるテーマに対して権威性と信頼性があるとみなされるのに十分な「専門性」が必要であり、YMYLのカテゴリに該当する場合は特に重要となる。

タイポグリセミア現象

タイポグリセミア現象(typoglycemia)とは、文章に含まれる単語を構成する文字を並べ替えても、多くの人間はその文章を問題なく読めてしまう現象のこと。

人間は単語を、一文字ごとの理解ではなく一つの集合として視覚的に認識しており、人間の脳が単語を瞬時に予測、補正しているため、読むことができるとされる。ただし、脳による予測や補正は個人の知識やボキャブラリーに依存するため、現象の発生には年齢差や個人差がある。

タイポグリセミア現象を引き起こすには、「単語の最初と最後の文字は正しいものにする」などの条件が必要となる。日本語では「単語を構成する文字は6文字前後以内」などの条件が加わる。

「typo(タイポ、誤植)」と「hypoglycemia(ハイポグリセミア、低血糖)」の組み合わせによる造語。

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DAU/MAU比率(アクティブ率)

DAU/MAU比率とは、主にWebサービスやアプリなどにおいて日常的にどれぐらいの頻度で利用されているかというアクティブさ、粘着性(スティッキネス)を測る指標のこと。

ユーザーの粘着性(スティッキネス)エンゲージメントを表す重要な指標の一つである。WebサービスやアプリなどのKPI「アクティブ率」の定義や算出方法はさまざまであるが(他の代表的なものにアプリのダウンロード数を元にした「MAU/DL」がある)、この「DAU/MAU比率」がアクティブ率として扱われる場合がある。

「DAU/MAU率」、あるいは単純に「DAU率」などと呼ばれる場合がある。

計算式

DAU/MAU比率は、DAU(デイリーアクティブユーザー数)MAU(月間アクティブユーザー数)で割った比率で計算される。

DAU/MAU比率 (%) = DAU / MAU

基準や目安

アプリにもよるが、日常的な利用を見込んだアプリのDAU/MAU比率は10%~20%が標準的とされる。一般的には20%を越えると優秀な状態、40%~50%を越えるのは非常に限られたアプリである。

日常的な利用を想定していないアプリでは、DAU/MAU比率は必ずしもユーザーのスティッキネスを適切に評価しない場合がある。

DAU(デイリーアクティブユーザー数)

DAUとは、Daily Active Usersの略で、主にWebサービスやアプリなどで1日間にサービスを利用したユーザー数を表す指標のこと。1日あたりのアクティブユーザー数(デイリーアクティブユーザー数)。読みは「ディーエーユー」。

DAUは、サービスの利用規模や利用実態を表す指標の一つとしてよく用いられる。1日に何度も頻繁に利用するサービスであれば現在のユーザー状況を把握でき、月間アクティブユーザー数「MAU」よりも重要な指標として扱われることがある。毎日は利用しないが、1週間に数回利用するようなサービスでは週間アクティブユーザー数「WAU」が用いられる。

一定期間の平均で集計する場合がある。また、新規会員登録しただけで積極的な利用をしていないユーザーなども含まれるため、そのようなノイズを除外するといった判断も必要である。

DAUは、ユーザー登録やログインをして利用するサービスで用いられる指標である。そのため、基本的にはデバイスや端末が異なっても重複してカウントしないことが求められる。一般的なWebサイトのようにログインせずに利用するサービスでは、ユニークユーザー数やユニークブラウザー数の指標を用いる。

セールス・ターゲット

セールス・ターゲットとは、ブランド戦略における顧客層の一つで、売上規模を獲得するための拡販先となる顧客層のこと。

ブランドに対する強い共感があるわけではないが、ブランドもしくはブランド・ターゲットへの憧れだったり、商品の機能性や価格などさまざまな要素に魅力を感じ、商品やサービスを購入する顧客層である。

一方でブランド・ターゲットとは、ブランドの思想や世界観の深いところで共感して、企業と共にブランドをつくっていく象徴的な顧客層のことである。

ブランド・ターゲットはその象徴性を維持するためにリーチの広い施策に適用し、セールス・ターゲットは対面で個別に対応できる現場の施策に適用するといった使い分けが考えられる。

ブランド・ターゲット

ブランド・ターゲットとは、ブランド戦略における顧客層の一つで、ブランドの思想や世界観の深いところで共感して、企業と共にブランドをつくっていく象徴的な顧客層のこと。そのブランドの顧客層として想起される、シンボリックで理想的な顧客層のこと。

そのブランドにとってポジティブな印象を与えてくれるブランドキャラクター的な存在であり、顧客の体験価値やブランド戦略を設計する際の基準となる顧客層である。

一方でセールス・ターゲットとは、ブランドに対する強い共感があるわけではないが、ブランドやブランド・ターゲットへの憧れ、商品の機能性や価格などさまざまな要素に魅力を感じ、商品やサービスを購入してくれる顧客層のことである。

ブランド・ターゲットはその象徴性を維持するためにリーチの広い施策に適用し、セールス・ターゲットは対面で個別に対応できる現場の施策に適用するといった使い分けが考えられる。

コタツ記事

コタツ記事とは、実体験もなく取材や調査もしないまま、インターネットやテレビといったメディア上で流通している情報のみを収集、再構成して書く記事のこと。「コタツに入ったままで誰でもお手軽に書ける凡庸で薄い内容の記事」といったニュアンスの揶揄された表現。

購入していない商品情報と感想をまとめた記事、行ってもいない飲食店や観光地の情報をまとめた記事、テレビ番組の芸能人の発言を引用してまとめた記事など、さまざまなものがある。

コタツ記事は収集した情報をコピペ(コピー&ペースト)して構成されるため、独自性のあるテーマの切り口や筆者の視点といったものが欠如し、当たり障りのない内容に終始する。著者が該当テーマに関する知識等を持たないため記事として差別化要因が存在せず、Webメディアなどにおいては長期的視点での効果は薄い。またフェイクニュースを生む原因にもなる。

近年では、WebメディアのSEOの領域にて、検索エンジン経由の流入増加を狙ったコンテンツマーケティングの一環として行われていることがある。キュレーションメディアや「まとめサイト」において顕著だが、ブログや企業によるオウンドメディアでも散見される。

バーンレート(資金燃焼率)

バーンレート(Burn Rate)とは、企業が1か月にどれだけコストを費やしているか、キャッシュアウトしているかを示す指標のこと。「資金燃焼率」ともいう。ベンチャーやスタートアップ界隈でよく用いられ、月次で把握するマイナスのキャッシュフローである。

設立して間もないベンチャー企業やスタートアップは売上よりもコストの方が大きく、企業の資金が底をつくまでの猶予期間「ランウェイ」を計算するために用いられる。

「レート」という言葉を用いるが、%ではなく金額で扱う。

バーンレートの計算式

バーンレートの算出方法は、単純にグロスバーンレート(Gross Burn Rate, GBR)で総コストだけを見る場合もあるが、一般的にはネットバーンレート(Net Burn Rate, NBR)でコストから売上を引いたもので算出する。

ネットバーンレート = グロスバーンレート(=総コスト) – 売上

ワンショット消費

ワンショット消費とは、ファッションアイテムなどを購入後、着用してInstagramをはじめとしたソーシャルメディアに投稿し、その後にメルカリなどのフリマアプリやインターネットで販売するという一連の消費行動のこと。あるいは、Instagramなどへの投稿後にフリマアプリで販売する前提で、商品を購入すること。

ファッションのカテゴリーで多く見られ、「ワンショットファッション」とも称される。

「SNS映え」「インスタ映え」を目的に購入される「フォトジェニック消費」の一種だが、一度ソーシャルメディアに投稿した服はその後に着用されず、中古市場へ販売される。

フリマアプリで販売する前提で購入するため、「買値」と「売値」の差額が実質的な購入金額となり、より気軽に高額で見栄えのするファッションアイテムを購入する傾向がある。高額のファッションアイテムを安価で購入、着用でき、「試着」や「レンタル」の感覚に近い。

流行でよく見かけるファッションよりも、個性的なファッションが好まれるという特徴がある。

マイクロコンバージョン

マイクロコンバージョン(micro conversion)とは、Webサイトなどの成果であるコンバージョンに至る課程において発生する、重要なアクションのこと。「中間コンバージョン」とも呼ばれる。Webサイトやアプリの文脈で主に使用される。

例えば、ECサイトにおけるコンバージョンの一つが「購入」だった場合、購入に至るまでのプロセスにある「会員登録」「カート投入」「商品詳細ページ到達」などがマイクロコンバージョンに該当することが多い。どれをマイクロコンバージョンとするかには定義はなく、自社にとって顧客層の重要なアクションとは何かを念頭に置いて決定していく。

コンバージョンの件数が多くなく、コンバージョン率が極端に低かったり、コンバージョンの分析の際に支障があったりする場合に、中間の重要アクションであるマイクロコンバージョンを用いて分析を補足するといった用途がある。

チャーンレート(解約率)

チャーンレート(Churn Rate)とは、顧客に対する解約で算出される解約率のこと。顧客離反率。

携帯電話やSaaSサービスといった継続利用を前提としたサブスクリプションのビジネスにおいて、より良い条件を求めて解約し他社に乗り換えるユーザー顧客「チャーン」の割合を示す指標である。「顧客維持率 (CRR)」とともに、どれだけ顧客を維持できているかの把握に用いられる。

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チャーン(解約)

チャーン(churn)とは、継続利用を前提としたサービスにおいて、より良い条件を求めて解約し他社に乗り換えるユーザー顧客のこと。あるいはそのような移り気なユーザーによる解約のこと。顧客離反。携帯電話やWebサービス、SaaSビジネスなど、競争が激しい業界において多く見られる。

有料のプランから無料プランにダウングレードする場合も、チャーンに分類される。

顧客数に対する解約数で算出される指標「解約率(チャーンレート)」のことを、「チャーン」と呼ぶ場合もある。

VUCA (Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)

VUCAとは、見通しが立ちにくい現在の世界の予測困難な様子を表した言葉。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つのキーワードの頭文字を並べた言葉で、世界や市場、ビジネス環境が不安定で不確実、複雑で曖昧模糊とした混沌とした状況であることを指す。読みは「ブーカ」。「VUCAワールド」とも表される。

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性)

VUCAは元々は軍事用語だった。2010年代にはビジネス領域でも用いられるようになり、2016年の世界経済フォーラム(ダボス会議)でも「VUCAワールド」が世界の現状を表すキーワードとして用いられた。

ヒートマップツール

ヒートマップツールとは、Webサイトやアプリを利用しているユーザーのスクロール状況や注目エリア、マウスクリックやタップなどを、Webページやスクリーン画面に重ね合わせてグラデーションで色分けする可視化ツールのこと。

ユーザーによるWebページやスクリーン画面の閲覧状況、クリック状況(タップ状況)、行動を直感的に把握、分析できる。

ページや画面ごとのスクロール状況やマウスの動きといった数値データで表現しにくいデータを可視化するため、アクセス解析ツールやセッションリプレイツール(セッション録画ツール)の一機能として組み込まれることが多い。

ツールによって異なるが、以下のような種類の機能がある。

  • マウスのクリックやタップ(クリックトラッキング)
  • マウスの動き(マウストラッキング)
  • ブラウザーや画面のスクロール到達率
  • 注目エリア、熟読エリア

一方、ユーザーの実際の視線の動きを専門の器機で計測して可視化するツールは「アイトラッキングツール」と呼ばれ、一般的にはヒートマップツールとは異なるカテゴリーで扱われる。

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ピーク・エンドの法則

ピーク・エンドの法則(peak–end rule)とは、ある出来事を経験した際に、人は感情のピーク(最高潮)とその出来事のエンド(終了時)で、経験の全体を判断するという法則のこと。その出来事の印象を決定づけているのは「一番印象的なシーン」と「一番最後のシーン」である、という考え方、認知バイアスの一つ。

出来事の記憶の中で最も印象的な瞬間を素早く平均化し、その出来事の記憶として形成するというものである。

「ピーク」と「エンド」に記憶に残りやすい体験を提供することで、全体の印象をポジティブにできる。また、一連の体験の中でネガティブな印象を与える場面があったとしても、ピークとエンドが適切であればポジティブな印象を与えやすい。

ノーベル経済学賞受賞者のダニエル・カーネマン(Daniel Kahneman)が提唱した。

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ユニコーン企業

ユニコーン企業(unicorn company, unicorn startup)とは、一般的には企業としての評価額が10億ドル以上あり、創業10年未満の未上場スタートアップ企業のこと。ベンチャーキャピタリストのアイリーン・リー(Aileen Lee)が2013年に発案した。そこから転じて、突出して優秀な事業やモノを「ユニコーン」と呼ぶことがある。

上記の基準を元にリサーチ会社の判断でユニコーン企業リストが作成されるため、リサーチ会社によって差異が生じる。

創業から間もないながら企業価値が高く、「うわさは聞くが誰も見たことがない」ことから、ギリシャ神話に登場する一角獣に例えられた。

ニアショア

ニアショアとは、システムやソフトウェアの開発もしくは運用保守の業務を、首都圏よりも人件費の安い国内の地方の企業や事業所に委託すること。開発業務の拠点を、首都圏から地方都市に移転すること。

海外の企業や事業所に開発業務を委託する「オフショア」とは異なり、「ニアショア」は同じ文化や言語、時差のない時間で業務を進められる。そのため、品質やセキュリティ、コミュニケーション、コストなどの面で優れているとされる。

他に、拠点の分散化や、首都圏で不足するエンジニアの地方での確保といったメリットがある。

顧客時間

顧客時間とは、消費者の消費行動の流れ(検討→購入→使用)を時間軸で捉えた、購買意志決定のプロセス、シナリオのこと。カスタマージャーニーの一種。

企業が消費者の消費行動を把握するには、その行動を時間軸で把握し、購入の時点だけでなく検討や使用の段階に入り込んでチャネル設計をできるかが重要である、という考え方に立つ。この「検討」「購入」「使用」の3つのフェーズをオンラインとオフラインで把握し、チャネルを連携させることがオムニチャネルにおいて必要である。

奥谷孝司氏らが、良品計画に在籍していた際に考案、提唱した。