ベキ分布

ベキ分布(power-law distribution)とは、発生する確率がその値のベキ乗(累乗)に比例する「ベキ乗則(power law, 冪乗則)」に従う統計分布のこと。

分布が左右対称となる正規分布とは異なり、ベキ分布は中央値や最頻値が分布の左端に位置し、極端な値が多いため曲線は右の大きな値の方向に長くなだらかに裾野を伸ばしていく。そのため平均値や分散の概念が事実上意味をなさない。

ベキ分布の例
▲ベキ分布の例

株価の変動、所得の分布、地震の大きさと発生頻度の関係など、多くの自然現象や経済現象、社会現象で見られる。

イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Frederico Damaso Pareto)が、1890年代に所得分布の研究中に発見した。パレートはその所得分布の結果から「80:20の法則(パレートの法則)」を見いだしている。

ロングテールもベキ分布に該当する。