割れ窓理論(ブロークン・ウィンドウ理論)

割れ窓理論(ブロークン・ウィンドウ理論)とは、建物の窓ガラスが割れているのを放置しておくと、適切に管理されていないと思われて、他の窓もすべて割られたり、その地域に犯罪が多発したりするようになるという、環境犯罪学の理論のこと。アメリカの心理学者ジョージ・ケリングが提唱した。

軽微な風紀の乱れや犯行を減少させることで、他の凶悪な犯罪の誘発を抑止でき、治安や環境、マナーの向上につながるという考え方である。

ニューヨーク市では、ルドルフ・ジュリアーニ市長が1994年から「ゼロ・トレランス」政策と呼ばれる治安対策を行い、落書きや無賃乗車、交通違反といった軽犯罪を徹底的に取り締まった。その結果、殺人や強盗といった犯罪が大きく減少し、治安が大きく回復した。

ディズニーランドでは、小さなゴミをすぐに回収したり、施設の軽微な汚れや修繕箇所をすぐに修繕したりといった品質維持を徹底することで、従業員や来園客のマナー向上につながっている。