現状維持バイアス(status quo bias)とは、変化や未知のものを避けて現状維持を望む心理作用のこと。現状から未経験のものへの変化を「安定の損失」と認識し、現在の状況に固執してしまうというものである。
提示された変化にメリットとデメリットがある際、現状得られている利益よりも変化による損失から得る苦痛の方が大きいと判断し、非合理的な選択をする傾向がある。これは、行動経済学のプロスペクト理論の損失回避性が働きかけているからとされる。
自分の所有するものに高い価値を感じ、それを手放すことに強い抵抗を感じる「保有効果(授かり効果)」と類似している。
予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
ダン アリエリー (著)
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