保有効果(授かり効果, 賦存効果)

保有効果(endowment effect)とは、対象のものを取得する際の支払意思額(Willingness to Pay, WTP)よりも、その対象物を手放す際の価値(受け取り意思額, Willingness to Accept, WTA)の方を大きいと感じ手放したがらない現象のこと。売値と買値の乖離、あるいはそれに影響を受ける心理的効果である。「授かり効果」「賦存効果(ふぞんこうか)」「エンダウメント効果」とも呼ばれる。

利益を得るときの幸せよりも損失の痛みの方を大きく感じ、損失が大きいと判断した際に非合理的で感情的な判断を行いやすいという「プロスペクト理論」の応用、あるいは心的構成や質問提示によって意思決定が異なる「フレーミング効果」の一つといえる。

この現象は古くから観察されていたが、1980年にアメリカの行動経済学者Richard H. Thaler(リチャード・セイラー)が論文で初めて「endowment effect」と名付けて用いた。

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