デシル分析とは、全顧客の購入金額の高い順に10等分の顧客グループを作り、各グループ(デシル1~10)の購入金額比率などを算出する顧客分析の手法のこと。購入金額比率によって、どれぐらいの上位グループに対してマーケティング施策を行うべきかを把握できる。
「デシル」はラテン語の「10等分」を意味する。
合計購入 金額 |
購入金額 比率 |
累積購入 金額比率 |
1人あたり 購入金額 |
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デシル1 | ¥1,000,000 | 22.8% | 22.8% | ¥10,000 |
デシル2 | ¥850,000 | 19.3% | 42.1% | ¥8,500 |
デシル3 | ¥720,000 | 16.4% | 58.5% | ¥7,200 |
デシル4 | ¥600,000 | 13.7% | 72.1% | ¥6,000 |
デシル5 | ¥480,000 | 10.9% | 83.0% | ¥4,800 |
デシル6 | ¥250,000 | 5.7% | 88.7% | ¥2,500 |
デシル7 | ¥180,000 | 4.1% | 92.8% | ¥1,800 |
デシル8 | ¥120,000 | 2.7% | 95.6% | ¥1,200 |
デシル9 | ¥100,000 | 2.3% | 97.8% | ¥1,000 |
デシル10 | ¥95,000 | 2.2% | 100.0% | ¥950 |
合計 | ¥4,395,000 | 100.0% | – | ¥4,395 |
▲デシル分析のデータをまとめた表の例
データをまとめた上記の表の例では、デシル5のグループで売上の83%(累積購入金額比率)を占めており、デシル1~5の上位グループを重点的にマーケティング施策を行うといった判断ができる。
類似した分析手法に「ABC分析」がある。ABC分析でも、購入金額の高い順に3つのグループに分類して顧客分析を行う。ABC分析はシンプルに分析を行えるメリットがある一方で、1グループに属する人数が多くなり、属性が曖昧になったり適切な施策ターゲティングを行いにくいといったデメリットがある。デシル分析は10等分するため、ABC分析よりも各グループの属性を明確にしやすい。
購入金額に加えて、最新購入日と購入回数の3つの指標軸を用いて顧客を分類する顧客分析手法を「RFM分析」という。