スティッキネス(粘着性)

スティッキネス(stickiness)とは、ビジネス領域においてはユーザーがそのサービスにいかに惹きつけられ、熱中しているかを表す状態のこと。「粘着性」とも訳される。一般的には、ユーザーがそのサービスに接している時間の長さや、利用する頻度を元に推し量られる。

  • ユーザーのサービスの利用時間、Webサイトの滞在時間
  • ユーザーのサービスの利用頻度、リピート頻度、アクティブさ

必ずしも両者を満たす必要はなく、どちらか一方をもってスティッキネスを表すこともある。

「サービスの利用時間、Webサイトの滞在時間」は、一回の利用時間の長さは必ずしも粘着性を表さないことがある。利用中に遠回りを強いられたりわかりにくいサービスであれば、一回の利用時間は必然的に長くなるからである。しかし、頻度高く利用するユーザーの長い利用時間は、粘着性をもって接していることを推測できる。ユーザーの可処分時間は有限であり、その中で占める利用時間の長さや割合、「月間総利用時間」などは、スティッキネスを表す指標として有効である。

「利用頻度、アクティブさ」は、「MAU(月間アクティブユーザー数)」「WAU(週間アクティブユーザー数)」「DAU(デイリーアクティブユーザー数)」といったアクティブユーザー数の指標、「DAU/MAU比率」「WAU/MAU比率」「ユーザー数あたりのセッション数」といったアクティブ率を表す指標などが用いられる。

類似の概念にエンゲージメントがある。エンゲージメントはあくまで積極的な関与であり、ポジネガ両方かつ一過性のものも含む。それに対しスティッキネスは、ポジティブなニュアンスを多く含み、かつ持続性の長いものとして長期にわたるリテンションやフリークエンシーを期待される。ユーザーが意志を持ってリテンションに駆られるのがスティッキネスである。