可処分時間

可処分時間(disposable time)とは、消費者が自分の意志で自由に使える時間のこと。1日の単位で見た場合、睡眠や食事、仕事、家事といった生活を維持するのに必要な時間を除いた、残りの時間のことである。

インターネットの普及前は、テレビや音楽の鑑賞、読書、趣味、友人と会う時間など、可処分時間は一定のまとまった単位で利用、消費されることが多かった。しかし、インターネットの普及、ブロードバンドの普及、その後のスマートフォンの普及に伴い、従来のテレビや音楽、読書に費やされていた時間は、インターネット利用やスマートフォンゲーム、アプリといった新たなコンテンツ消費と取り合うようになった。

加えて、「駅のホームで電車が来るのを待つ時間」「交差点で信号が青になるのを待つ時間」「エスカレーターに乗っている時間」「ベッドに入ってから眠るまでの時間」「飲食店で食事を待つまでの時間」といった、スマートフォン普及前にはなかった「新たな細切れの可処分時間」も創出され、コンテンツ消費に利用されるようになった。

スマートフォンの普及後は、可処分時間は短時間化の傾向にあり、10秒程度といった非常に短い時間も可処分時間になり得る状況である。

可処分時間は、長さに個人差はあるものの「無限ではない有限の時間」であり、エンターテイメントやメディア、ニュース、ショッピングなどの領域で「可処分時間の奪い合い」が起きている。

所得から税金や保険などを除いた「可処分所得」の類似の表現として、2000年代前半から使用され始めた。