ティアードプライシング(tiered pricing)とは、商品の販売単価が特定範囲内の販売数では一定で、販売数がその範囲を満たすと「越えた分は次の段階の価格帯になる」という段階的(ティア [tier])な価格設定のこと。次の価格帯では販売単価は下がり、顧客の購買意欲を高められる。
製品やライセンスを複数の単位で販売する際に用いられる価格設定、価格戦略の一つである。一般的には、3~5段階の価格帯を設けていることが多い。
目次
ティアードプライシングでの計算例
販売数 | 単価 |
---|---|
1~100個 | @¥10,000 |
101~200個 | @¥9,000 |
201個以上 | @¥8,000 |
上記のようなティアードプライシングで「300個」販売した場合の価格は、以下のような計算式になる。
((¥10,000 x 100) + (¥9,000 x 100) + (¥8,000 x 100)) = ¥2,700,000
ティアードプライシングとボリュームプライシングの違い
ボリュームプライシングとは
類似のものに、ボリュームプライシング(volume pricing)がある。ボリュームプライシングとは、商品の販売単価は特定範囲内の販売数で一定だが、販売数がその範囲を越えると「販売数すべての単価が次の段階の価格帯になる」という段階的な価格設定である。
ボリュームプライシングでの計算例
販売数 | 単価 |
---|---|
1~100個 | @¥10,000 |
101~200個 | @¥9,000 |
201個以上 | @¥8,000 |
上記のようなボリュームプライシングで「300個」販売した場合の価格は、以下のような計算式になる。
¥8,000 x 300 = ¥2,400,000
特徴の違い
ティアードプライシングとボリュームプライシングのいずれも、顧客が一定数量の製品購入を検討する際に負担を感じにくく、柔軟に購入数を調整しやすいという特徴を持つ。
その上で、ティアードプライシングの方が高い収益性があるのに対し、ボリュームプライシングの方がより単価が安いため多くの数量を販売しやすく、また顧客を獲得しやすいといった特徴がある。
どちらも段階的な価格設定であるため、ボリュームプライシングの内容を指してティアードプライシングと呼んでいる場合もある。