トキシック・ポジティビティ(有害なポジティブさ)

トキシック・ポジティビティ(toxic positivity)とは、どんなにつらい状況であっても常にポジティブな思考を維持すべきだという信念のこと、もしくはそれを過度に一般化しすぎる状態のこと。ネガティブな感情は抑圧すべきものでポジティブな状態を過度に強制、肯定するという状態である。「有害なポジティブさ」とも呼ばれる。

人が心を痛めてつらい状況にあるときに過度にネガティブな感情を抑制すると罪悪感や後ろめたさなどの二次感情を生み、逆効果となってかえって心身の不調につながることが指摘されている。過度にポジティブさを意識するのではなく、ネガティブな状況を受け入れてその状態を否定しないこと、またそのような人と接する際は共感することなどが大切である。

2020年からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、心身に不調を感じる人が増大して注目されるようになった。