カチッサー効果

カチッサー効果(automaticity)とは、ある働きかけの道理が適切で正当なものであるかどうかにかかわらず、そのきっかけによって人が無意識に反応してしまう心理的現象、原理のこと。

もっともらしい理由に聞こえる言葉があれば、実際には適切な理由が提示されていなくても要求に応じることがある、という例が挙げられる。

アメリカの心理学者エレン・ランガー(Ellen Langer)、Benzion Chanowitz、Arthur E. Blankらが1978年に発表した論文によれば、「コピーを取らなければいけないので、先にコピーを取らせてもらえますか?」という道理の成り立たないお願いに応じた人の割合は、「急いでいるので先にコピーを取らせてもらえますか?」という適切な理由の依頼に応じた人の割合とほとんど変わらない結果となった。理由を添えない依頼に応じる割合はそれよりも低く、理由さえあればそれが何であれ無意識を行動を引き起こすことが示された。ただし、コピー枚数が多くなるなど要求が大きくなれば、適切な理由を求めるようになる。

理由を聞くとスイッチが入って身体が自動的に反応してしまう様子を、テープレコーダーの再生ボタンが「カチッ」と押されるとノイズ音「サー」とともにテープ再生が始まる様子に例えたことに由来する。英語では「自動性」を意味する「automaticity」である。

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