傍観者効果

傍観者効果(bystander effect, bystander apathy)とは、目の前で起きた他者を救助すべき状況において、周囲に自分以外の多くの人がいることによって対処する行動が抑制される集団心理現象のこと。傍観者が多いほどその心理現象は強くなる。

傍観者効果が生じる要因として、以下の3つが挙げられる。

  • 責任の分散:人は重大な場面で責任を負うことを回避して、他者が行動するのを当てにするというもの
  • 多元的無知:他者が皆、援助行動を起こしていないことから、緊急性を要しないと誤って判断するというもの
  • 評価懸念:行動を起こして失敗したときの他者からのネガティブな評価を恐れて、援助行動が抑制されるというもの

1964年にニューヨークで発生した殺人事件「キティ・ジェノヴィーズ事件」をきっかけに、心理学的な研究が進んだ。