多元的無知

多元的無知(pluralistic ignorance)とは、多くの人がある特定の価値観や意見を受け入れていないにもかかわらず、「自分以外の人たちはそれを受け入れている」と誤って思ってしまう状況のこと。「自分はそう思っていないが、様々な考えがある中で多くの人がそう思っているのならばそうなのだろう」と受け入れ、それに従ってしまう状況のこと。

「空気を読まず」に異論を述べて自分が不利になるのであれば「空気を読んで」他の意見に同調した方が得策である、と考えて多数の意見に従い、その結果多くの人が受け入れていなかったはずの意見が多数派となってしまうことも、多元的無知の一つとして捉えられる。

アンデルセンの童話「裸の王様」における、「王様の新しい衣装は自分には見えないが、皆は素晴らしいと言っているので自分も同じように言っておこう」という心理と共通するものがあり、例として挙げられることがある。