ライン・エクステンション(ライン拡張)

ライン・エクステンション(line extension)とは、すでに確立された既存ブランドと同じ市場に形態や機能の異なる商品を投入する際に、派生ブランドで展開すること。「(製品)ライン拡張」。ブランド・エクステンション(ブランド拡張)の一種。

既存ブランドのブランド・エクイティを利用してサブブランドを作ったり(セカンドライン)、いま置かれている立ち位置よりも高い価格設定や高級感を打ち出す際にラグジュアリーブランドを作ったりする。

既に認知等を獲得しているブランド・エクイティを利用するため、まったく新しいブランドを作るよりも低コストで立ち上げられ、製品ラインに多様性を持たすことができる。一方で、ライン・エクステンションの失敗がマスターブランドに悪影響を及ぼすリスクもある。

カリカチュアライズ(戯画化)

カリカチュアライズとは、人や事物の欠点や弱点などをおもしろおかしく誇張、単純化して、風刺的に表現すること。戯画化、パロディ化。

風刺画や戯画を表す英語の「caricature」に、動詞化を表す「ize」を加えたもので、造語の和製英語である。

ゴドウィンの法則

ゴドウィンの法則(Godwin’s Law, Godwin’s rule of Hitler analogies)とは、「インターネット上での議論が長引けば長引くほど、ヒトラーやナチを引き合いに出すことが多くなる」というもの。1990年に弁護士のマイク・ゴドウィン氏(Mike Godwin)によって提唱された。「ゴドウィンのヒトラー類比の法則」ともいう。

議論が長引き、相手の意見が受け入れられないときなどに、その必要がないにもかかわらず恣意的にヒトラーやナチス、ファシズムを引き合いに出し、相手を攻撃する行為である。

根拠なく誇張し不適切に貶めた比喩であることがほとんどであり、ヒトラーとの関連付けを安易に議論の中で用いるべきではない。インターネット上のフォーラムの中には、ヒトラーや彼の行為に例えた時点で議論は打ち切られ、例えを持ち出した側を負けとするものもある。

エスクロー

エスクロー(escrow)とは、商取引の際に信頼のおける第三者の金融機関などを介して取引の安全性を保証する仲介サービスのこと。

エスクロー事業者は売り手と買い手の間に入り、買い手から代金を預かり、売り手から買い手への商品発送が完了したことを確認すると、対価を売り手に支払うという方式である。

エスクロー事業者は、買い手から代金を預かる際に手数料を受け取ることで、利益を得る。

バラフライ・エフェクト(バタフライ効果)

バラフライ・エフェクト(butterfly effect, バタフライ効果)とは、ほんの些細な事がさまざまな要因を引き起こした後、非常に大きな事象の引き金に繋がることがあるという考え方のこと。

初期のわずかな差が将来に大きな差を生むというもので、どんなに初期の差が小さくてもさまざまな要因によって変化は進み、どのような結果や未来が訪れるかは誰にも判らないことを意味する。そこから、ほんの些細なことも、ときに歴史を動かすことがあるかも知れない、という意味につながる。カオス理論における予測困難性を表す表現の一つである。

気象学者エドワード・ローレンツ氏(Edward Norton Lorenz)が1972年にアメリカ科学振興協会で行った講演で、この概念を発表した。バラフライ・エフェクトの名称の由来は、このときの講演の題名『ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすか』から来ている。ここでの趣旨は、「蝶の羽ばたきはトルネードを引き起こす可能性はあるが、そのような事象は計測精度を上げても予測はできない。年間のトルネードの発生数には影響せず、大局の動向をどう捉えるかの方が重要である」というものであった。

2004年に公開された映画『バタフライ・エフェクト』のヒットも、この考え方の普及につながった。

類似する表現として、日本のことわざ「風が吹けば桶屋が儲かる」がある。

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単純接触効果(ザイアンスの法則)

単純接触効果とは、何度も繰り返し接触することで警戒心が薄れ、好感度や評価が高まる効果のこと。1968年にアメリカの心理学者ロバート・ザイアンス(Robert Zajonc)が発表し、「ザイアンスの法則(ザイオンスの法則, Zajonc effect)」「ザイオンス効果」とも呼ばれる。

「特定の刺激に繰り返しさらされることで、その刺激に対する態度に変化が生じる」というもので、何度も見たり聞いたりすると、初めのうちは興味がなくても親しみを感じるようになり、徐々に良い感情を持つようになってくるという効果。

接触した初期は情報処理に労力を要するが、刺激に慣れてくると情報処理は円滑になり、接触頻度が増えるたびに肯定的に認識するようになるからとされる。

人やモノ、商品やブランド、広告やCM、味や香りなど、さまざまなものに対して起こる。

ITP (Intelligent Tracking Prevention)

ITP(Intelligent Tracking Prevention)とは、Apple社のブラウザーSafariの2017年9月のバージョン11.0から搭載されたセキュリティ機能の一つ。SafariでWebサイトを閲覧する際のプライバシー保護を目的とし、複数のドメインを横断して情報収集し追跡するクロスサイトトラッキングを制限する機能のこと。Safariでの設定項目は「サイト越えトラッキングを防ぐ」。

クロスサイトトラッキングが可能と分類されたドメインのCookie(クッキー)は、サイトにアクセスするとSafariのITP機能によって分割されサードパーティCookieとして利用できなくなる仕様だったが、2020年3月からはサードパーティCookieは全面的にブロックされるようになった。ファーストパーティCookieにも制約がある。

ITPにより、Safariにリターゲティング広告が配信されなくなったり、アクセス解析や広告効果測定、A/BテストWeb接客ツールなど、さまざまな領域に支障が生じたりする。

フォトプロップス

フォトプロップスとは、写真撮影の際に被写体を演出するために使用される小道具のこと。結婚式やイベントなどで準備されることが多く、主催者側がフォトジェニックさを意図的に演出し、またやや過剰に盛り上げることを目的としている。

吹き出しやメガネ、口ひげなどが小さな棒に付けられ、写真撮影の際に被写体が手に持って一緒に写ることで、写真をより楽しく演出できる。

観光スポットや施設などで準備されるようになった、InstagramやFacebookなどSNSのUIを模したフレームパネル、ハッシュタグのボードなども、フォトプロップスの一種と言える。

グローサラント

グローサラント(grocerant)とは、食品スーパーが食料品や日用品を販売するだけでなく、店内のイートインスペースで購入したデリや惣菜を飲食できたり、レストランのような食事提供などをする形態やサービスのこと。

食料品店を意味するグローサリー(grocery)とレストラン(restaurant)を合わせた造語。

スーパーが仕入れた食材を共通化することで、価格や鮮度で差別化を図れる。スーパーで人気のデリや惣菜を活かした店内レストランを設けたり、地元で人気のレストランを店内に誘致したり、著名なシェフを招聘してデリを開発し販売やレストラン内で提供したりなど、いくつかの戦略が見られる。

日本でも、2017年頃から大手スーパー各社などが、店内の飲食スペース拡充などの展開を始めている。

プロコン (Pros/Cons)

プロコン (Pros/Cons, Pros & Cons) とは、良い点(Pros)と悪い点(Cons)、長所と短所、賛否、損得、ポジティブ要素とネガティブ要素のこと。

もしくは事象の現状把握や改善、取捨選択をする際に、良い面と悪い面を列挙してより適切な選択をするために行う分析手法のこと。状況や要素の整理だけでなく、複数事象の比較や検討、相互理解や当事者意識、合意形成などに役立つ。

「Pro」と「Con」はともに語源はラテン語で、「Pro」には「賛成の、肯定の」の意味が、「Con」には「反対の、否定の」の意味があり、英語にもそれぞれで始まる言葉がある。