マジカルナンバーとは、人間が瞬間的に保持できる情報の数は「7±2」であるとするもの。アメリカのハーバード大学の心理学者、ジョージ・ミラー教授(George Armitage Miller)による1956年の論文「The Magical number seven, plus or minus two」で登場し、人間が短期記憶に保持できる情報の数は7±2(7を中心としてプラスマイナス2、つまり5~9)であることを主張していると解釈されることが多い。認知心理学の研究の先駆けとなった。「マジカルナンバー7±2」「ミラーの法則(Miller’s law)」とも呼ばれる。
短期記憶とは人間が瞬間的に保持できる記憶のことで、数十秒しか記憶されず、また情報の容量の大きさにも限界がある。ミラーは、保持する情報の単位を「情報のかたまり」として「チャンク(chunk)」と呼び、短期記憶で保持できるチャンクは「7±2」であるとした。ただし該当するのは日常的なものに限定される。
マジカルナンバー4
その後2001年に、アメリカのミズーリ大学の心理学者ネルソン・コーワン教授(Nelson Cowan)が「マジカルナンバー4」を発表した。「人間が短期記憶で保持できる情報の数は4±1である(4を中心としてプラスマイナス1、つまり3~5)」というものである。
いずれの研究も情報記憶の側面で重要であることに変わりはないが、近年ではコーワンの「マジカルナンバー4」あるいは最小の数字である「マジカルナンバー3」も浸透し始めている。