系列位置効果

系列位置効果(serial-position effect)とは、一連の情報を記憶して思い出す際、最初と最後の項目は最も記憶しているが、中間の項目は忘れやすいという傾向のこと。一連の情報の項目の位置によって記憶の想起に差が出るというものである。19世紀に忘却曲線を発見したドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus)が命名した。

最初の項目を記憶しやすいのは、並列の情報の反復学習が増えると最初の項目が長期記憶に引き継がれやすい「初頭効果」によるものである。一方で最後の項目を記憶しやすいのは、直前に与えられた情報ほど短期記憶に残りやすい「新近効果」によるものである。

初頭効果(プライマシー効果)

初頭効果(プライマシー効果)とは、最初に与えられた情報が印象に残って長期記憶に引き継がれやすく、後の評価に影響を及ぼす現象のこと。情報を並列に扱った場合に起こりやすいとされる。人物や物事の第一印象が長期間に渡って残るのは、初頭効果の影響である。

1946年にポーランド出身の心理学者ソロモン・アッシュ(Solomon Eliot Asch)が、印象形成において提示の順序で異なる印象が形成されることを見いだし、提唱した。

新近効果(リーセンシー効果)

新近効果(リーセンシー効果)とは、最後に与えられた情報や直前に与えられた情報が印象に残り、評価に影響を及ぼす現象のこと。「新近性効果」「終末効果」とも呼ばれる。より直近の新しい記憶の方が短期記憶に残りやすく、再生率が良い状態である。

アメリカの心理学者ノーマン・H・アンダーソン(Norman Henry Anderson)が1976年に提唱した。