生存者バイアス(生存バイアス)

生存者バイアス(survivorship bias)もしくは生存バイアスとは、何らかの成功を遂げた一部の人物や企業、物事のみを基準とすることで誤った判断をしてしまうこと。

事象や手段を評価する際に、成功せず失敗に至った数多くの事象を考慮することなく、一部の成功事例のみをもって判断してしまい、誤った結論を導き出してしまうことである。

例として、第二次世界大戦時の「戦闘機のどの部分を補強すべきか」の議論が挙げられる。軍は戦闘から帰還した飛行機の損傷が多かった箇所を重点的に補強しようとしたが、撃墜された飛行機の損傷状況をまったく考慮していないため、不適切な判断である。戦闘から帰還した飛行機の損傷箇所だけをもって安全性と関連付けるのは誤った判断であり、「帰還飛行機の損傷箇所は致命的ではない箇所」「損傷を受けていない箇所こそが補強すべき箇所」という評価はどちらも不適切である

「戦闘から帰還した飛行機の損傷箇所」として以下のような画像が広く引用されているが、すべて想像で作成されたものであり、研究で用いられた統計データではない。

「戦闘から帰還した飛行機の損傷箇所」として引用される画像
▲「戦闘から帰還した飛行機の損傷箇所」として広く引用される画像は想像によるもので、統計データではない