カリフォルニアから来た娘症候群

カリフォルニアから来た娘症候群(The Daughter from California syndrome)とは、病気の患者の終末期に故郷を長く離れていた家族が突然現れ、これまで近隣の家族と医者が時間をかけて話し合い決定した方針に異議を唱えたり、延命治療などの過度な対処を主張する、という事象のこと。

医療の現場では、人生の終末期に過度な医療が行われるのを避けて穏やかな最期を迎えることを、主治医と患者、近くに住む家族とともに何度も話し合いをして決めることがある。その課程で、唐突にこれまで音信のなかった家族や遠方に住む家族が現れ、セカンドオピニオンを求めたり、決めた方針を覆して延命治療を求めたりすることがある。その状況を指して「カリフォルニアから来た娘症候群」と呼ばれる。

「カリフォルニア」「娘」は比喩であり、「唐突に現れた遠方からの家族」の意味で居住地や性別は問わない。

1991年にアメリカで事例が報告された。事例としてカリフォルニアが挙げられたが、特に地域性のある事象ではない。
Decision making in the incompetent elderly: “The Daughter from California syndrome”.
Molloy DW, Clarnette RM, Braun EA, Eisemann MR, Sneiderman B. J Am Geriatr Soc. 1991.