チャーン(解約)

チャーン(churn)とは、継続利用を前提としたサービスにおいて、より良い条件を求めて解約し他社に乗り換えるユーザー顧客のこと。あるいはそのような移り気なユーザーによる解約のこと。顧客離反。携帯電話やWebサービス、SaaSビジネスなど、競争が激しい業界において多く見られる。

有料のプランから無料プランにダウングレードする場合も、チャーンに分類される。

顧客数に対する解約数で算出される指標「解約率(チャーンレート)」のことを、「チャーン」と呼ぶ場合もある。

VUCA (Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)

VUCAとは、見通しが立ちにくい現在の世界の予測困難な様子を表した言葉。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つのキーワードの頭文字を並べた言葉で、世界や市場、ビジネス環境が不安定で不確実、複雑で曖昧模糊とした混沌とした状況であることを指す。読みは「ブーカ」。「VUCAワールド」とも表される。

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性)

VUCAは元々は軍事用語だった。2010年代にはビジネス領域でも用いられるようになり、2016年の世界経済フォーラム(ダボス会議)でも「VUCAワールド」が世界の現状を表すキーワードとして用いられた。

ヒートマップツール

ヒートマップツールとは、Webサイトやアプリを利用しているユーザーのスクロール状況や注目エリア、マウスクリックやタップなどを、Webページやスクリーン画面に重ね合わせてグラデーションで色分けする可視化ツールのこと。

ユーザーによるWebページやスクリーン画面の閲覧状況、クリック状況(タップ状況)、行動を直感的に把握、分析できる。

ページや画面ごとのスクロール状況やマウスの動きといった数値データで表現しにくいデータを可視化するため、アクセス解析ツールやセッションリプレイツール(セッション録画ツール)の一機能として組み込まれることが多い。

ツールによって異なるが、以下のような種類の機能がある。

  • マウスのクリックやタップ(クリックトラッキング)
  • マウスの動き(マウストラッキング)
  • ブラウザーや画面のスクロール到達率
  • 注目エリア、熟読エリア

一方、ユーザーの実際の視線の動きを専門の器機で計測して可視化するツールは「アイトラッキングツール」と呼ばれ、一般的にはヒートマップツールとは異なるカテゴリーで扱われる。

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ピーク・エンドの法則

ピーク・エンドの法則(peak–end rule)とは、ある出来事を経験した際に、人は感情のピーク(最高潮)とその出来事のエンド(終了時)で、経験の全体を判断するという法則のこと。その出来事の印象を決定づけているのは「一番印象的なシーン」と「一番最後のシーン」である、という考え方、認知バイアスの一つ。

出来事の記憶の中で最も印象的な瞬間を素早く平均化し、その出来事の記憶として形成するというものである。

「ピーク」と「エンド」に記憶に残りやすい体験を提供することで、全体の印象をポジティブにできる。また、一連の体験の中でネガティブな印象を与える場面があったとしても、ピークとエンドが適切であればポジティブな印象を与えやすい。

ノーベル経済学賞受賞者のダニエル・カーネマン(Daniel Kahneman)が提唱した。

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ユニコーン企業

ユニコーン企業(unicorn company, unicorn startup)とは、一般的には企業としての評価額が10億ドル以上あり、創業10年未満の未上場スタートアップ企業のこと。ベンチャーキャピタリストのアイリーン・リー(Aileen Lee)が2013年に発案した。そこから転じて、突出して優秀な事業やモノを「ユニコーン」と呼ぶことがある。

上記の基準を元にリサーチ会社の判断でユニコーン企業リストが作成されるため、リサーチ会社によって差異が生じる。

創業から間もないながら企業価値が高く、「うわさは聞くが誰も見たことがない」ことから、ギリシャ神話に登場する一角獣に例えられた。

ニアショア

ニアショアとは、システムやソフトウェアの開発もしくは運用保守の業務を、首都圏よりも人件費の安い国内の地方の企業や事業所に委託すること。開発業務の拠点を、首都圏から地方都市に移転すること。

海外の企業や事業所に開発業務を委託する「オフショア」とは異なり、「ニアショア」は同じ文化や言語、時差のない時間で業務を進められる。そのため、品質やセキュリティ、コミュニケーション、コストなどの面で優れているとされる。

他に、拠点の分散化や、首都圏で不足するエンジニアの地方での確保といったメリットがある。

顧客時間

顧客時間とは、消費者の消費行動の流れ(検討→購入→使用)を時間軸で捉えた、購買意志決定のプロセス、シナリオのこと。カスタマージャーニーの一種。

企業が消費者の消費行動を把握するには、その行動を時間軸で把握し、購入の時点だけでなく検討や使用の段階に入り込んでチャネル設計をできるかが重要である、という考え方に立つ。この「検討」「購入」「使用」の3つのフェーズをオンラインとオフラインで把握し、チャネルを連携させることがオムニチャネルにおいて必要である。

奥谷孝司氏らが、良品計画に在籍していた際に考案、提唱した。

ムーンショット

ムーンショット(moonshot)とは、非常に困難で独創的だが、実現すれば大きなインパクトをもたらしイノベーション(新機軸や革新)を生む、壮大な計画や挑戦、目標のこと。研究分野や、地球規模もしくは国規模の課題解決、またスタートアップ企業や大手先進企業でも用いられることがある。

「あるべき姿や目標となる未来を規定し、そこから逆算していま取るべき行動を考える」というバックキャスティングのアプローチの一つともいえる。

ムーンショットは、莫大な費用がかかったりさまざまな障壁が立ちはだかる中でも、独創的なアイデアの可能性を信じるというポジティブな側面を持つ。一般的には以下の3つの要素を含む。

  • inspire:人々を魅了する
  • credible:信憑性がある
  • imaginative:独創的である

アポロ計画を開始するきっかけとなった、アメリカの第35代大統領ジョン・F・ケネディ(John Fitzgerald Kennedy)による1961年5月25日のスピーチ(*)の「月に向けたロケットの打ち上げ(ムーンショット)」が、その由来である。

* 「10年以内の1960年代終わりまでにアメリカは人間を月に送り、無事帰還させる(”First, I believe that this nation should commit itself to achieving the goal, before this decade is out, of landing a man on the moon and returning him safely to the Earth.”)」

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パブリシティ

パブリシティ(publicity)とは、企業や団体のPR活動、広報活動の一つで、製品や事業に関するプレスリリースなどをマスメディアをはじめとしたメディアに提供し、ニュース記事や報道として取り上げてもらうよう働きかける活動のこと。

パブリシティは広告とは異なり、メディアに対して企業は費用を支払わず、メディア側の責任においてニュースや記事は編集、発信される。パブリシティはメディアの信頼性の上に成り立っているため、消費者にとっても信頼のある情報として受け止められる。

効果的なパブリシティには、企業の広報担当者による適切な情報提供やプレスリリース配信、取材対応が不可欠である。

Web接客

Web接客(ウェブ接客)とは、Webサイトに来訪したユーザーに対して、実店舗での接客と同じように個別におもてなしの接客を行い、コンバージョン率LTV(顧客生涯価値)の改善、コミュニケーションの向上、リード獲得などを図ること。またこの領域を扱うツールを「Web接客ツール」という。

ユーザーの属性や過去の行動、購入状況、閲覧している商品ページの在庫状況、あらかじめ設計されたユーザーシナリオ、セールなどのキャンペーン情報などをもとに、ユーザーに最適な情報や商品、条件を提示、レコメンデーションを行うなどして、行動を誘発させたり顧客化を図ったりする。

Web接客ツールによるが、収集するデータや実施施策の範囲が多岐に渡り、実質的にはCRO(コンバージョン率最適化) の領域と重複する要素が多い。

Webサイトに来訪したユーザーにアプローチする接客方法は、「ポップアップ」型でバナー画像や情報を表示する方法と、「チャット」型でチャットボットや人による会話にて対応する方法に大きく分かれる。

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