ガバナンス

ガバナンス(governance)とは、「統治、支配、管理」などを意味する英語で、さまざまな領域での統治の仕組みやプロセスを指すが、関係者自身が主体的に意思決定や合意形成を行って規律や制度を設け、管理、統制していくシステムのことである。必ずしも権力者による拘束的な支配統治というわけではない。

ビジネス領域においては、健全な企業経営のための企業自身による管理体制「コーポレートガバナンス(企業ガバナンス、企業統治)」の意味で「ガバナンス」と用いられることが多い。ITシステムを最適な状態で維持するための組織的な投資やリスク管理の仕組み「ITガバナンス」としても用いられる。

コーポレートガバナンスは、経営者を含む従業員やその企業文化がコンプライアンスに違反する事案や不祥事を起こすことを防止するために、自発的な意思と合意の元で規律を設け、管理統治していく。社外の取引先なども関係者に含まれ(ステークホルダー)、社外に監査役を置くといったガバナンス体制をとるケースもある。

ガバナンスに対し、国家や政府といった権力的な立場による法的拘束力のある統治のことを「ガバメント (government)」という。

プランド・ハップンスタンス理論(計画的偶発性理論)

プランド・ハップンスタンス理論(planned happenstance theory)とは、個人のキャリアは予期せぬ偶発的な出来事によって形成されることが多く、偶然に対して積極的に取り組むことでキャリア形成につながるという考え方のこと。「計画的偶発性理論」「計画された偶発性理論」などと訳される。

スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授(John D. Krumboltz)が1999年に発表したキャリア理論である。クランボルツ教授は、18歳時点でなりたいと考えていた職業に実際に就いて働き続けている人はわずか2%に過ぎず、また社会的成功を収めたビジネスパーソンがの8割が「自分のキャリアは偶然の出来事に起因するところが大きい」と回答したという調査結果を元に、この理論を発表した。

偶然をキャリア形成につなげていくために、「好奇心(Curiosity)」「持続性(Persistence)」「楽観性(Optimism)」「柔軟性(Flexibility)」「冒険心(Risk-taking)」の5つの要素が行動指針として必要であるとしている。

  • 好奇心 (Curiosity)
  • 持続性 (Persistence)
  • 楽観性 (Optimism)
  • 柔軟性 (Flexibility)
  • 冒険心 (Risk-taking)

変化が激しく予測困難な状況の続くVUCAな現代において、プランド・ハップンスタンス理論は変化への対応を前提とするものであり、注目を集めている。

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ティアードプライシング

ティアードプライシング(tiered pricing)とは、商品の販売単価が特定範囲内の販売数では一定で、販売数がその範囲を満たすと「越えた分は次の段階の価格帯になる」という段階的(ティア [tier])な価格設定のこと。次の価格帯では販売単価は下がり、顧客の購買意欲を高められる。

製品やライセンスを複数の単位で販売する際に用いられる価格設定、価格戦略の一つである。一般的には、3~5段階の価格帯を設けていることが多い。

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センターステージ効果

センターステージ効果(center stage effect)とは、複数の選択肢で構成されたラインナップを提示されたとき、人は中央にあるものを選択する傾向があるという現象のこと。並べられた選択肢が類似の性質を持っている場合に起きる。中央という注目度の高い位置にあるからというよりも、中央にあるものを最も人気があるものとして好意的に捉えやすいから、と考えられている。

商品のディスプレイや、サービスプランの見せ方などで応用されている。他人のために選択する際に特に顕著になるとされる。一方、嫌いなものを選択する場合は発生しない。

2009年にニューヨーク大学のAna ValenzuelaとPriya Raghubirが発表した。

URL (Uniform Resource Locator)

URLとは、Uniform Resource Locatorの略で、Web上の情報リソースの場所を特定するための文字列もしくはそのルールのこと。インターネット上のWebページの住所に該当する。

World Wide Web(WWW)を考案したティム・バーナーズ=リー(Timothy John Berners-Lee)が1991年に「Universal Resource Locator」と命名し、その後「Uniform Resource Locator」に改められた。

情報リソースの概念を拡張した「URI(Uniform Resource Identifier)」の概念の一部である。

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UMPC(超小型ノートパソコン)

UMPCとは、Ultra-Mobile PC(ウルトラモバイルPC)の略で、「超小型ノートパソコン」のこと。もともとは2006年にマイクロソフトとインテルが発表した超小型パソコンの規格である。ノートパソコンとPDA(personal digital assistant, 携帯情報端末)の中間に位置し、横幅約20cm、重さ900g以下などの仕様が定められていた。

その後のスマートフォンとタブレットの普及に伴い、大手メーカーはUMPCのカテゴリーの製品を出さなくなった。しかし一定の需要はあり、新興メーカーを中心にユニークな機種がいまも発表されている。当時の仕様よりも拡張した内容のものもUMPCと呼ばれることがある。

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ホワイトペーパー

ホワイトペーパー(white paper)とは、もともとは白書のことである。白書とは、政府が国民に対して国の政治や経済の実態、政府の施策や展望などについてを広く伝えるために刊行する資料、報告書のことである。

一方で、現在は企業や団体がマーケティングの目的で配布するドキュメント、ビジネスコンテンツとして「ホワイトペーパー」という用語が用いられることがほとんどである。法人向けのBtoB領域を中心に、顧客層が抱える課題を解決するソリューション情報や取り組み事例を取りまとめたコンテンツとして、WebサイトなどでPDFとして配布される。希望者は連絡先を含むプロフィール情報と引き換えに、ダウンロードできることが多い。

企業にとっては見込み顧客のリード情報を獲得できる重要な機会の一つであり、また見込み顧客を購買や契約に向けて育成(リードナーチャリング)するツールでもある。

リテンション

リテンション(retention)とは、「保持、維持」「記憶」を意味する英語だが、マーケティングの領域においては「既存顧客の維持」「顧客との契約の継続」の意味で用いられる。新規に獲得した顧客をリピーターに転換したり、既存顧客との関係性を維持し離反を防いだりするような場面で、リピーターへの転換や契約の継続更新などの全般を「リテンション」と呼ぶ。

新規顧客の獲得コストや販売コストは、既存顧客への販売コストあるいは顧客維持コストの5倍かかるといわれる(1:5の法則)。新規顧客の獲得以上に既存顧客の維持と関係性構築は重要であり、関係性維持に関するマーケティング活動をリテンションマーケティングと呼んだりする。

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ピクチャーインピクチャー (PIP)

ピクチャーインピクチャー(picture-in-picture)とは、パソコンやテレビの端末画面の一部に、本来表示する画面とは別に小さな画面を表示する機能のこと。番組や動画、画像などを表示して、番組を見ながら別の番組内容を確認したり、「ながら視聴」を目的として利用したりする。略称は「PIP (PiP)」。

ChromeやSafariなどの各種ブラウザーも、動画をブラウザーウインドウから切り離されたフローティングウィンドウで表示、再生できる機能を持つ。

このような表示機能とは別に、動画の中に小さな表示で動画や画像を挿入表示することも「PIP」と呼び、その形式の動画を「PIP動画」と呼ぶ。

系列位置効果

系列位置効果(serial-position effect)とは、一連の情報を記憶して思い出す際、最初と最後の項目は最も記憶しているが、中間の項目は忘れやすいという傾向のこと。一連の情報の項目の位置によって記憶の想起に差が出るというものである。19世紀に忘却曲線を発見したドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウス(Hermann Ebbinghaus)が命名した。

最初の項目を記憶しやすいのは、並列の情報の反復学習が増えると最初の項目が長期記憶に引き継がれやすい「初頭効果」によるものである。一方で最後の項目を記憶しやすいのは、直前に与えられた情報ほど短期記憶に残りやすい「新近効果」によるものである。

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スケープゴート

スケープゴート(scapegoat)とは、誰かへの責任追及や不満などの感情を解消するために、代わりにその攻撃の対象として転嫁された対象の人やモノのことを表す。もともとは古代のユダヤ教において、年に一度人々の罪を背負わせて贖罪のために野に放たれたヤギのことを指す。現在はこの宗教的な意味から転じて、責任転嫁のための「身代わり」や「生け贄」の意味で主に用いられている。

本来の対象とは無関係で立場が弱かったり少数派であったりすることがあり、差別や冤罪を生むきっかけともなる。権力者や支配層が、大衆操作の一つとして用いる。

ネガティブキャンペーン(ネガキャン)

ネガティブキャンペーン(negative campaigning, mudslinging)とは、元々は選挙の際に対立候補の政策上の欠点や人格上の問題を指摘して貶める戦術を表す選挙用語である。対立候補のネガティブな側面を強調し、ときに歪曲して攻撃することで信用を失わせ、相対的に自分のイメージを良く見せて支持を獲得しようとするものである。中立派や浮動票を誘導しやすいとされ、アメリカ大統領選挙などでも用いられる手法である。日本では「ネガキャン」の略称も用いられる。

現在は選挙に限らず、特定の人物や団体、企業などに対して徹底的な批判を行い、別の人物や団体に利益をもたらそうとする一連の行為もネガティブキャンペーンと呼ばれる。選挙においては、一定の根拠を元に説明責任を求めるような内容も多いが、選挙以外で用いられるものには事実無根の噂による誹謗中傷や、虚偽内容での攻撃も散見される。

ネガティブキャンペーンの用語そのものにおいては攻撃する内容の真偽は無関係であるが、虚偽の内容による故意の誹謗中傷はデマに該当したり法律に抵触したりするため、適切な行為ではないと考える。一定の事実を元にしたものが求められる。

サチる

サチる(さちる)とは、「飽和する」「いっぱいになる」「限界に達する」「最大の状態になる」を意味する日本のスラングである。主に研究者や技術者が使用し、対象が飽和状態になった様子を表す。そこから転じて、「(精神的に)いっぱいいっぱいになる」「焦る」「テンパる」など心に余裕がない様子を表したり、事業の成長が頭打ちになる際などでも用いる。

英語で「飽和する」を意味する「saturate(サチュレート)」や、その名詞「saturation(サチュレーション)」に由来する。

サブオービタル飛行(弾道飛行)

サブオービタル飛行(sub-orbital flight)とは、砲弾のように放物線の軌道を描く飛行のことで、一般的にはそのような飛行形態のロケットや弾道ミサイルによる飛行を指す。宇宙開発の領域においては、地上を出発して高度約100kmまで上昇した後、地球周回軌道(オービタル)に乗らずに弾道軌道を描いて地上へ帰還する飛行のことを指す。「弾道飛行」「準軌道飛行」ともいう。

宇宙空間での滞在は数分程度であり、地球を周回するオービタル飛行と比べて容易で安価に飛行できるため、古くから研究開発されてきた。1961年のマーキュリー計画での飛行が、最初の有人によるサブオービタル飛行である。

現在は、民間企業も開発に参入し、宇宙旅行などでの商業利用としても進められている。サブオービタル飛行による宇宙旅行は「サブオービタル旅行」と呼ばれる。

引き合い

引き合いとは、一般的には「互いに引っ張り合うこと」「参考として例えを出すこと」の意味だが、ビジネスや営業の側面においては取引を想定した問い合わせのことを指す。製品やサービスの詳細や条件の確認、在庫の確認、見積もりの依頼など、電話やWebサイト経由で来る、商談前の初期の問い合わせである。商品の販売の場合は、注文そのものを指すこともある。

「引き合いが来る」「引き合いが多い、強い」といった表現で用いる。

信頼区間

信頼区間(confidence interval)とは、全数調査ができないなどにより調査結果の精度を知るために、母集団の平均(母平均)を統計的に推定する際などに設けられる幅、区間のこと。信頼係数(信頼度)のもとで母集団がその範囲に含まれると推定される区間である。英語の「confidence interval」から省略した「CI」で表すこともある。

また、このようにして信頼区間を統計的に推定することを「区間推定」という。

例えば、「95%信頼区間(95%CI)」とは、100回の標本調査を行えば95回はこの範囲に母平均があることを意味する。95%信頼区間よりも99%信頼区間の方が信頼区間の幅は大きい。

  • 95%信頼区間(95%CI):100回の標本調査を行えば95回はこの範囲に母平均がある
  • 99%信頼区間(99%CI):100回の標本調査を行えば99回はこの範囲に母平均がある

一般的に、標本の大きさ(サンプルサイズ)のnが大きいほど、信頼区間の幅は狭くなる。

信頼係数

信頼係数(confidence coefficient)とは、統計的に信頼区間を推定する区間推定の際に、母集団の平均(母平均)が信頼区間の範囲に含まれる確率のこと。

信頼係数は、値「1-α」、もしくは%で表す際は「100(1-α)%」と表記する。一般的には95%もしくは99%の信頼係数で信頼区間を設ける。

「信頼水準(confidence level)」「信頼度」とも呼ばれる。「信頼度」は他分野にて異なる意味で用いられるため、誤解を避ける必要がある場合は「信頼係数」を用いた方がよい。

レジリエンス

レジリエンス(resilience)とは、非常に困難な状況においても柔軟に適応して立ち直り、生き延びようとする力や強さ、柔軟性のこと。自発的な回復力、復元力。困難によるストレスを押さえ込んだり回避したりするのではなく、いかに逆境を乗り越えて回復するかという自発的な力のことである。

環境の変化に対する精神や身体の適応能力の一つとして、心理学や精神医学のみならず。組織や経営の領域でも用語として用いられる。

第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺により、ホロコーストで孤児になった子どもたちを追跡調査する中で注目され始めた。その後、時代の変化とともに成人も含むPTSDなどの精神疾患に対する取り組みの中で広まった。

レリバンシー(レレバンシー)

レリバンシー(relevancy)あるいはレレバンシーとは、マーケティングの領域においては、広告や情報の関連性、高い興味関心の度合いという意味で用いられる。

広告や情報、メッセージが特定の消費者にとって興味関心が高く、嗜好の近い話題やトピックスであれば、より購入やアクション、コンバージョンにつながりやすいレリバンシー(関連性)を持っている、といえる。より「個」の消費者に興味関心にパーソナライズされた関連性である。一方で、レリバンシーが強くなるほど、幅広い消費者の興味関心には見合わなくなる。

フリークエンシー(購入頻度)

フリークエンシー(frequency)とは、マーケティングにおいては顧客が一定期間に累計何回購入したかという購入頻度を表す指標である。購入頻度が多い顧客は優良顧客と捉える。3つの指標軸を用いて顧客を分類する顧客分析の手法「RFM分析」の指標の一つ(残り2つはリーセンシー[recency] とマネタリー[monetary])。

また、デジタルマーケティングやインターネット広告の領域においては、ユーザーが一定期間に何回該当の広告に接触したのかという広告の接触頻度(接触回数)を表す。広告接触の「深さ」を示し、「広さ」を示す「リーチ」とともに広告運用上の重要な指標の一つである。運用型広告では広告配信時に、ユーザーに表示される回数を制限するフリークエンシーキャップを設定することができる。