リファービッシュ(メーカー再生品)

リファービッシュ(refurbish, リハービッシュ)とは、初期不良品や中古品として返却された製品を製造元の会社が修理、整備して正規品に準ずる状態にすること、もしくはそのような状態で再出荷された製品のこと。「メーカー再生品」「修理再生品」「整備済み品」などと呼ばれることもある。

企業にとって初期不良品をそのまま廃棄するよりも不具合箇所を修理した方がコスト負担が小さく、自然環境にも負担をかけない。消費者にとっても新品と比べて安い価格で購入でき、通常の中古品よりも状態が良いといったメリットがある。

もともとは「改修する」「修理調整する」「磨き直す」を意味する英語である。

正規の製造元による修理、整備ではなく無関係の企業による再生品も「リファービッシュ」と呼ばれることがある。その場合は正規品に準ずる品質が保証されない。

ベロシティ

ベロシティ(velocity)とは、ビジネス領域においてはアジャイル開発を担当するチームの進行速度を数値化したもののこと。開発チーム(スクラム)が一つの開発サイクルで完了するストーリーポイントの合計数や時間で表す。作業完了時期の予測や開発チームの成長度合いを把握するのに役立つ。

一般的には「速さ、速度」を表す英語である。音楽の領域においてはMIDI音源をはじめ電子楽器における音の強弱を表す数値のことで、これは楽器の鍵盤や弦を叩く速さに由来する。

Points of X (POD / POP / POF)

「Points of X (POX)」とは、マーケティングのポジショニング分析において競合と比較して自社や自ブランドの特徴を明確にするための分析フレームワークのこと。略してPOXと表されることがある。

競合に対するポジショニングを「Difference (違い、便益)」「Parity (類似、必要最低条件)」「Failure (失敗、不出来)」の観点で捉え、自社が選ばれる価値や理由を明確にするというものである。

  • Point of Difference (POD):選ばれる理由、差別化要素
  • Point of Parity (POP):類似要素、必要最低要素、同質化
  • Point of Failure (POF):選ばれない理由。劣っている要素、脱落要素

Point of Difference(POD, ポイント・オブ・ディファレンス)は、顧客にとって価値を感じる便益であり、競合に対する差別化要素のことである。それに対してPoint of Parity(POP, ポイント・オブ・パリティ)は、競合を含めてそのカテゴリーには備わっていて当たり前の要素、必要最低条件のことである。一方Point of Failure(POF, ポイント・オブ・フェイラー)は競合と比べて劣っている要素で、顧客にとって選ばれない理由となる。

POD / POP / POF

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カウンターパート(対応相手)

カウンターパート(counterpart)とは、取引や交渉やコミュニケーションなどにおける対応相手、相手方のこと。やりとりをする相手の担当者や担当部門などを指す。ビジネスや外交などの領域で用いられる。

コミュニケーションや共同作業を行う際の、互いに同格なポジションの対応相手、同等物のことである。取り組みを対となって行う際の片方は自分たちであり、もう片方の相手がカウンターパートに該当する。

もともとは、文書や契約書などを当事者分だけ準備した際の相手方の分、もしくは正本に対する写しを由来とする。

ネームド

ネームド(named)とは、「名前を付けられた、○○という名前の」という意味の英語だが、アニメやマンガやゲームなどにおいては出演者のうち「固有の名前の付けられた登場人物」のことを表す。ストーリーにおいて一定の役割を与えられ展開を動かす特別な存在である。「ネームドキャラクター(ネームドキャラ)」が省略された表現ともいえる。

そこから、集団において主要で目立つ存在のことを「ネームド」と呼ぶこともある。

ネームドに対して、群衆の中の一人や通行人、ストーリーにおいて重要性の低い出演者といった「名前を付けられない登場人物」のことを「モブ」という。

ノンバーバル(非言語コミュニケーション)

ノンバーバル(non-verbal)とは、「非言語的な、言葉によらない」を意味する英語である。多くの場合、言葉以外の手段によるコミュニケーション「非言語コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)」の意図で用いられる。

非言語コミュニケーションには、顔の表情や視線、ジェスチャーといったボディランゲージ、距離や空間の取り方、沈黙や時間、色などによるコミュニケーションなどさまざまなものが該当する。無意識でも意識的にも両方用いられる。

コミュニケーションでは言語によるものが中心と考えがちだが、非言語コミュニケーションの与える影響も大きい。「感情や態度を伝える際に矛盾したメッセージを発したとき、他人が受け止める影響の度合いは、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%である」という実験結果が通俗的に拡大解釈された「メラビアンの法則」とも関連する。

ソートリーダーシップ

ソートリーダーシップ(thought leadership)とは、特定分野においてビジョンや解決策など先進的な考え方を掲げてその分野を主導し、そのコミュニティや社会から共感と評価を得ること。「考え、見解 (thought)」と「統率力、指導 (leadership)」を組み合わせた用語である。

ビジネスにおいては特定のテーマや課題に対して将来の展望や見解、解決策などを提示することで、結果として業界や顧客からの共感と評価、信頼を得ることができる。その分野のエキスパートのポジションを獲得し、発信力や主導力の強化などにつながる。

世の中が複雑かつ不確実性が高くなるなどで見通しが立ちにくくなり(VUCA)、課題や問題が多くあふれている状態になっている。それらを先見的に捉えて指針を示したり、あるいは問題意識を起こしたりという役割を担う。

リテールメディア

リテールメディア(retail media)とは、リテール企業(流通業者や小売業者)が提供する広告媒体やメディア、広告配信の仕組みのことで、自社が保有する消費者の購買データなどと連携して広告配信を行うことができる。小売店のECサイトやアプリ、店舗内に設置されたデジタルサイネージなどが該当する。

流通業者や小売業者は、消費者の購買データやアプリの行動ログ、Webサイトのアクセス解析データといったファーストパーティデータを所有する。これらを活用してターゲティングを行い、広告やクーポンといった効果的な販促を行える。オフラインとオンラインの両方のデータを持つこと、より購買に近い接点(タッチポイント)であるといった特徴を持つ。

2020年前後よりサードパーティCookieへの利用規制、新型コロナウイルス拡大に伴うEC利用の増加などもあり、大きく注目されるようになった。

流通業者や小売業者にとっても、商品の販売以外の新たな収益機会として、広告プラットフォームの提供や企業との共同販促の機会増加といったインパクトが期待されている。

ジュグラー循環(ジュグラーの波, 中期波動)

ジュグラー循環(Juglar cycle)とは、経済が好景気と不景気の間を交互に繰り返す変動「景気循環」の一つで、約10年周期(7年から11年)の景気循環である。物価や金利、生産量や雇用などで見られ、設備投資の変動に起因するとされることから「設備投資循環」とも呼ばれる。「ジュグラーの波」「中期波動」ともいう。

フランスの経済学者クレマン・ジュグラー(Joseph Clément Juglar)が1860年の著書にて主張したことに由来する。

景気循環の種類は他に、約40カ月の短い周期の循環「キチン循環(短期波動)」、約20年周期の「クズネッツ循環(建築循環)」、約50年周期の「コンドラチェフ循環(長期波動)」がある。

ローボール・テクニック

ローボール・テクニック(low-ball technique)とは、最初に受け入れられやすい要求を承諾させた後に、相手に都合の悪い条件を加えたり当初の条件の一部を取り除いたりする交渉テクニックのこと。「特典除去法」「承諾先取り法」とも呼ばれる。「自分の発言や行動、態度、立場を一貫したものとしたい」という人間の心理「一貫性の原理」を交渉に応用したものである。

「相手が受け取りやすい低いボールを投げること」に由来する。例えば、大特価セールの触れ込みに惹かれて来店したがセール対象の商品は一部であり、気になった商品はセール対象外だったが結局購入に至ってしまうケースが挙げられる。

承諾の後から条件を変更したり勘違いさせる交渉テクニックのため、詐欺などに悪用されることがある。

ドア・イン・ザ・フェイス(譲歩的依頼法)

ドア・イン・ザ・フェイス(door-in-the-face technique)とは、あえて最初に大きな要求をして相手に断らせることで、譲歩案として本来の要求を承諾させやすくする交渉テクニックのこと。「譲歩的依頼法」とも呼ばれ、「一度断った」ことへの罪悪感からお返しをしなければ申し訳ないと考える「返報性の原理」を応用したものである。

慣用句の「shut the door in the face (門前払いを食わせる)」を由来とする。例えば最初にあえて高額な金額の提示をして断られた上で、大幅な値引きに応じたと見せかけて本来の金額を提示して承諾してもらおうというものである。

「ドア・イン・ザ・フェイス」に対して、相手に目的の要求を承諾してもらうために最初に小さな要求を承諾させて徐々に要求を大きくしていく交渉テクニックを「フット・イン・ザ・ドア (foot in the door)」という。

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バリュープロポジション

バリュープロポジション(value proposition)とは、顧客が製品を選んだ際に企業が顧客に対して提供を約束する顧客価値のこと。顧客が求める価値のうち、自社が提供できて競合他社にはない独自の価値の領域を指す。多くは簡潔な内容で定義される。

顧客に製品を選ばれるには顧客の立場に立って自社の製品やサービスを捉える必要がある。顧客は自社が想定しているものとは別の価値を求めていることがあり、顧客が望む価値と自社が提供する価値を合致させなければならない。その中でも、競合他社にはない自社独自の価値の提供が求められる。

バリュープロポジション

1988年にマッキンゼー・アンド・カンパニーのMichael LanningとEdward Michaelsが「a business is a value delivery system」というドキュメントで使用したのが最初とされる。

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バニラ

バニラ(vanilla)とは、ソフトウェアやゲーム、IT領域などにおいてカスタマイズや改変などを施していないオリジナルの状態のこと。拡張機能の追加や標準設定の変更、任意なローカライズなどをしていない、提供された標準の状態のことである。英語の「vanilla」の意味の一つ「普通の、ありきたりな、プレーンの」に由来する。

ソフトウェアだけでなく、サーバーやコンピューターなどのハードウェア、アルゴリズムやプログラミング言語といった技術仕様などさまざまな領域においても、「オリジナルな」「標準の」「プレーンの」状態を表すものとして「バニラ○○」などと用いられることがある。

フット・イン・ザ・ドア(段階的要請法)

フット・イン・ザ・ドア(foot-in-the-door technique)とは、相手に目的の要求を承諾してもらうために、最初に小さな要求を承諾させて徐々に要求を大きくしていく交渉テクニックのこと。「段階的要請法」とも呼ばれ、「自分の発言や行動、態度、立場を一貫したものとしたい」という人間の心理「一貫性の原理」を交渉に応用したものである。

営業担当者が話を聞いてもらうにあたり、ドアを閉められないように足を入口の中へ突っ込む様子に由来する。「まずはご挨拶から」に始まり、小さな許諾をきっかけとしてその延長線にある価値観に沿った目的の要求を承諾してもらおうというものである。

「フット・イン・ザ・ドア」に対して、あえて最初に大きな要求をして相手に断らせることで、譲歩案として提示する本来の要求を承諾させやすくする交渉テクニックを「ドア・イン・ザ・フェイス (door-in-the-face technique)」という。

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ガラスの崖

ガラスの崖(glass cliff)とは、企業や組織の業績が低迷したりプロジェクトが困難な状況になるほど、女性がリーダーや要職に起用されやすい現象のこと。

危機的な状況におけるマネジメントの立て直しにはさまざまな困難が伴い、失敗のリスクも高い。一見、女性が要職に就くことで進歩的でポジティブな印象を残し、当事者の女性もキャリアアップの貴重な機会と受け止めるが、失敗に至った場合に「女性は要職に適していない」という評価と偏見につながる可能性を内包する。

2004年にイギリスのエクセター大学の社会心理学教授ミシェル・ライアン(Michelle K. Ryan)とアレックス・ハスラム(Alexander Haslam)が命名した。組織内で要職に値する人材が性別や人種などを理由に低い役職に制限されることを表す「ガラスの天井 (glass ceiling)」にちなんで名付けられた。

テンション・リダクション効果

テンション・リダクションとは、緊張状態から解放されたときに反動で注意力が散漫になり、寛大な気分になったり判断力が低下すること。マーケティングの領域で応用され、その効果を「テンション・リダクション効果」と呼ぶことがある。

例えば高額な商品の購入を検討しているとき、事前に入念な調査や比較、購入するかどうかの迷いなどを経て購入の決断に至る。一方で購入すると決めた直後は、調査や比較検討もしていなかったオプションや関連商品の購入には寛大になり、熟考することなくショップや店員の薦められるがまま追加購入を決めてしまいやすい。このような購入を決めた直後の効果的なクロスセルの様子をテンション・リダクション効果と呼ぶ。オプションや関連商品は比較的安価である必要がある。

パーソナルスペース(対人距離)

パーソナルスペース(personal space)とは、その人が心理的に自分のものだと捉えるその人を取り巻く空間領域のこと。

多くの人は自分のパーソナルスペースを大切にし、他人に侵害されると不快、不安、怒りを感じる。その範囲は性別や年齢、性格、対人関係や集団状況、文化などにより異なる。「対人距離」とも呼ばれる。

抱きしめたり触れたりといった距離感の「密接距離 (intimate distance)」と、親しい友人や家族とコミュニケーションをとる距離「個体距離 (personal distance)」の間にある空間がパーソナルスペースに該当する。他人がパーソナルスペースに入ることを許可したり他人のパーソナルスペースに入ることは、それらの人々の関係性のレベルを示す指針となる。

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エアプ

エアプとは、「エアプレイ」の略で、実際には未経験にもかかわらず経験者のように振る舞うこと、もしくはそのように振る舞う人のこと。ゲーム界隈やソーシャルメディアなどを中心に用いられる日本のインターネットスラングである。

未経験の事象に対して浅い情報だけをもって「知ったかぶり」をする行為やそのように振る舞う人を指す。その事象に詳しい人にとっては浅い知識の流布は情報の混乱を招くため、「エアプ」はネガティブなニュアンスで用いられることが多い。

「エアプ発言」「エアプ勢」「○○エアプ」などのように用いる。自身の初心者ぶりを謙遜して「(私は)○○エアプですから」と表現する場合もある。

「エアプレイ」は和製英語である。「エアー (air)」は本来の英語「空気」の意味などから派生した「~しているように見せる」「~のフリをする」を意味する日本固有のスラングで、「プレイ」と組み合わされた造語である。

iPhoneなどのApple製品におけるiTunesのストリーミング再生機能「AirPlay」とは無関係である。

IYKIK (わかる人にはわかる, 知る人ぞ知る)

IYKIKとは、「if you know, I know.」の略で、「わかる人にはわかる」「知る人ぞ知る」「一部の人だけが知っている」を意味する英語の略語、インターネットスラングである。何か情報やコンテンツを提示した後に付け加えられるフレーズで、自分のフォロワーや知人に向けた内輪ネタや隠語やジョークであること、一部の人だけが知っていることを示すものである。

Twitterをはじめとしたソーシャルメディアなど、デジタルコミュニケーションにて用いられる。小文字「iykik」、冒頭のみ大文字の「Iykik」、ハッシュタグ「#iykyk」としての使用もある。

ダウンサイドリスク(ダウンサイド)

ダウンサイドリスク(downside risk)とは、金融や投資の領域において不確実性や変動可能性をリスクとして捉えたときの「損失を被る可能性」「下振れする可能性」のこと。株価や相場などが事前の想定や目標よりも下回る可能性のことである。「ダウンサイド確率」といった表現などでも用いる。これに対して「利益を得る可能性」「上振れする可能性」を「アップサイドリスク」という。

ここから転じて、ビジネス領域においても「想定されるネガティブな事象が発生してもこのレベルにとどまるであろう損失や下落」を「ダウンサイド」と呼ぶことがある。