アクロニム

アクロニム(acronym)とは、複数の単語で構成される合成語の頭文字をつなげて作られた略語「頭字語」のうち、その頭字語を一つの単語のような読み方で発音するもの。アルファベット1文字ずつをそのまま読むのではなく、略語を単語として素直な読み方をした頭字語のことである。

例えばアジア太平洋経済協力「Asia-Pacific Economic Cooperation」の略称は「APAC」だが、「エイパック」と発音し、アクロニムに該当する。

類似する頭字語にイニシャリズム(initialism)がある。イニシャリズムは略語のアルファベット1文字ずつをそのままアルファベットとして読むものが該当する。例えば世界保健機関「World Health Organization」の略称は「WHO」だが、アルファベット1文字ずつそのまま「ダブリュー・エイチ・オー」と発音し、イニシャリズムに該当する。

略語によってはアクロニムとイニシャリズムのどちらにも該当する場合もある。「できるだけ早く」を意味する英語「as soon as possible」の略語は「ASAP」だが、「エー・エス・エー・ピー」と「アサップ(エイサップ)」のいずれの発音も使用され、アクロニムとイニシャリズムのどちらともいえる。

リクープ

リクープ(recoup)とは、「取り戻す、回収する」「償う」を意味する英語である。ビジネス領域においては「損失を取り戻す」「投資費用などを回収する」などのように、ミスなどによる損失や初期投資、まとまった支出をなんとか別の手段で穴埋めするなど取り戻して相殺することに対して用いられる。

必ずしも金額として差し引きゼロにならなくても、損失や費用に見合う別の結果を得るケースも含まれる。その意味においては同じくビジネス用語の「ペイする」と類似する。

プチプラ

プチプラとは、「プチプライス」の略称で、「値段が安い」を意味する用語。フランス語で「小さい」を意味する「プチ (petit)」と英語の価格「プライス (price)」を組み合わせた和製英語の略語である。

主に化粧品や女性向けファッション、小物、雑貨などに対して用いられる。単に値段が安いだけでなく、「おしゃれ」「かわいい」「品質、コスパがいい」といった価値を表す意味を包含している。2010年代頃から若い女性を中心に使用されるようになり、おしゃれな100円ショップの商品の増加などもあって広く普及した。

「プチプラコスメ」「プチプラファッション」「プチプラコーデ」「プチプラ雑貨(グッズ、アイテム)」など、他の用語と組み合わせて用いることもある。

ガクチカ

ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」の略称のこと。学生が就職活動を行う際に、面接やエントリーシートなどでアピールを求められる定番の質問項目の一つ。主に学生の間で用いられる就活用語、スラングである。

企業が学生を選考する際、学生の興味関心や価値観、物事に取り組む姿勢などを推し量る質問項目として「学生時代にどのようなことに熱中していたか」「何に打ち込んでいたか」を用いる傾向がある。そのため、学生が事前に具体的な回答を準備したり、就職に有利という基準だけでボランティア活動など意図的に回答のための経験を済ませるなど対策を取るようになり、「ガクチカ」と略して呼ばれるようになった。

学生にとっては就職活動の対策の一つの項目であり、採用側の企業にとってもどのように評価するかを求められる内容でもある。

サービスブループリント

サービスブループリント(service blueprint)とは、製品やサービスがユーザーに提供されるまでプロセスを、提供者をはじめ関係者とシステムの動きを合わせて時系列で可視化したツールのこと。ユーザー体験に関わるすべての業務プロセスを含み、サービスの設計や運用管理、ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善などさまざまな目的で使用される。「サービス設計図」。

銀行役員だったリン・ショスタック(G. Lynn Shostack)が1984年にHarvard Business Review誌にて発表した。ユーザー視点で可視化されるためカスタマージャーニーマップの一種でもあり、カスタマージャーニーマップに提供者などの関与を加えて可視化したものと言える。ブループリントは日本語で「青写真」の意味。

サービスブループリント
▲サービスブループリントの例。カスタマーアクションに呼応して、フロントステージとバックステージのプロセスがどのように連携しているのかを明示する

ダブルジョパディの法則

マーケティングにおけるダブルジョパディの法則(the double jeopardy law)とは、市場浸透率の低いブランドほど購入頻度も少なくなるという現象、経験則である。市場シェアの低いブランドは購買人数が少なく、またこれら商品の購買客の購買頻度(ロイヤルティ)も低いため、二重の苦しみ(ダブルジョパディ)を受けることになるというものである。この法則に則れば、ライトユーザーを積極的に獲得して市場浸透率を高めることこそが最も重要であるということになる。

この現象は、ブランドが幅広く交換可能で同じ嗜好の人の多くに購入されている場合に発生しやすい。ただし一定の範囲で定義された市場においてのみ発生し、他の市場におけるブランドとは関係しない。

以前から統計的に確認されていたが、南オーストラリア大学のマーケティングサイエンス領域のバイロン・シャープ教授(Byron Sharp)による2010年の書籍『ブランディング科学 (How Brands Grow)』にて紹介され、広く知られるようになった。

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スプリンターネット(サイバーバルカン化)

スプリンターネット(splinternet)とは、グローバルでオープンなはずのインターネットが政治やナショナリズム、宗教などにより分断された状態になること。20世紀に民族国家が乱立したバルカン半島の様子から「サイバーバルカン化 (cyber balkanization, cyberbalkanization)」「インターネットのバルカン化 (internet balkanization)」とも呼ばれる。

例えば中国では、政府がインターネット情報を検閲したり欧米のいくつかのインターネットサービスを遮断するなど「グレートファイアウォール」を構築している。技術や商業的な側面においても、ヨーロッパが個人情報の取り扱いを厳格化するなどデータの管理や移転に制限が設けられ始めている。

国や地域間での分断だけでなく、同じような考えや思想を持つ人がソーシャルメディア(SNS)などで強力につながって閉鎖的なコミュニティを形成し、世間から分裂することも該当する。

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Time to Value (TTV)

Time to Value(タイムトゥバリュー, TTV)とは、顧客が製品やサービスを利用し始めてからその価値を実感するまでにかかる時間のこと。カスタマーサクセスにおいて顧客の事業を金銭的な成功へと導くことは重要だが、同時に製品への投資に対して早期にその効果を実感してもらうことも利用の継続として重要な視点である。

特にSaaSなどのビジネスモデルであれば製品の利用から得られると期待する利益が価値に該当し、早い支払時期までにその価値を理解してもらう必要がある。早期に顧客にその価値を認めてもらえれば、それは顧客との関係性の基礎を形成し、その後の顧客体験の維持継続へとつなげることができる。

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アクハイア

アクハイア(acqui-hire, acq-hire, acquihire, acqhire)もしくはアクハイアリング(acqui-hiring, acq-hiring)とは、人材獲得を目的とした企業買収、M&Aのこと。英語の「acquisition (買収)」と「hire (雇用)」を掛け合わせた造語である。2005年頃から用いられている。「アクイハイア」の表記もある。

企業の事業や製品サービスの獲得を目的とせず、その従業員を組織ごと獲得することを目的とした企業買収のことである。企業にとってエンジニアをはじめとした高度な技術やノウハウを持つ優秀な人材の確保は大きな課題であり、大企業や資金力のあるベンチャーやスタートアップが小さなスタートアップを人材獲得目的で買収するケースがある。企業をまるごと買収することで優秀な開発チームを効率的に確保でき、自社の事業の推進に役立てることができる。

SIer (システムインテグレーター)

SIerとは、システム開発や保守運用などを請け負う事業者「システムインテグレーター (system integrator)」に対する通称である。システムインテグレーション(system integration)の略称「SI」に「~する人」の意味の接尾辞「-er」を付けた和製英語である。読みは「エスアイヤー」「エスアイアー」。

顧客のITシステムの開発や保守運用を行うため、本来の意味の「IT企業」に近く、中心となる職種はシステムエンジニアやプログラマー、顧客へのITシステムの導入支援を進めるITコンサルタントなどである。「ITベンダー」「システムベンダー」とも概ね同義であり、また大企業のSIerが子会社へ再委託する構造を持っていることも多いため、「ITゼネコン」とも呼ばれたりする。