エンハンシング効果

エンハンシング効果(enhancing effect)とは、報酬やご褒美といった外発的動機付けによって内発的動機付けが高まり、モチベーションが増加する心理現象のこと。

一般的には、相手に対して賞賛の言葉をかけることで相手のやる気が高まり、良い結果や成績を残しやすいという事例が知られる。この現象は、褒められ続けた子供の方が叱られ続けた子どもよりもやる気が向上して成績が上がったという、アメリカの発達心理学者エリザベス・B・ハーロック(Elizabeth B. Hurlock)の1925年の実験によって証明された。

一方で、外発的動機付けを提示することでかえって内発的動機付けを阻害し、モチベーションを低下させる心理現象のことをアンダーマイニング効果という。

スポットライト効果

スポットライト効果(spotlight effect)とは、自分が実際よりも注目されていると錯覚してしまう現象のこと。常に自分にスポットライトが当たって欠点や過ちが強調され、多くの人に注目されていると過剰に意識してしまうというもの。自分が他人に与える影響を過大評価してしまい、他人からの評価の差が大きくなる。人は自分の世界の中心だが、他人の世界の中心ではないことを忘れてしまうために起こる現象である。

1999年発行の『Current Directions in Psychological Science』にて、Thomas GilovichとKenneth Savitskyによって命名された。

サプライチェーン(供給連鎖)

サプライチェーン(supply chain)とは、商品が消費者に届くまでの一連のプロセスの流れのこと。原材料の調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの一連の流れと繋がりを大きな鎖に見立てたものである。複数の企業が関与することが多い。供給連鎖。

このサプライチェーンのプロセス全体を一連の流れとして管理する手法をサプライチェーンマネジメント(SCM)と呼ぶ。例えば、在庫管理やPOSなどの販売実績を踏まえて需要を予測しながら製造に反映する、といった最適化が可能になり、需要の変化が大きい商品の生産で導入される例が多い。

アンダーマイニング効果

アンダーマイニング効果(undermining effect)とは、内発的に動機付けられた自発的な行動に対して、報酬やご褒美といった外発的動機付けを提示することでかえってモチベーションが減少してしまう心理現象のこと。

自発的に行為を行っているときには内発的に動機付けられるが、外部から外発的動機付けをされることで統制を感じ取ると、目的が「それ自体」から「報酬」に置き換わってしまい、主体的なやる気を失ってしまうというものである。

心理学者エドワード・L・デシ(Edward L. Deci)とスタンフォード大学教授マーク・R・レッパー(Mark R. Lepper)が1971年に行った実験によって判明した。

これに対して、賞賛などの外発的動機付けをすることによって内発的動機が高まる心理現象のことを「エンハンシング効果」という。

オンデマンド

オンデマンド(on demand)とは、利用者による要求や注文に応じたサービス提供の仕組み、あるいはそのシステムのこと。多くはインターネットなどのネットワークを介して、ユーザーのリクエストに応じた動画や音楽、ゲーム、書籍やマンガ、教育コンテンツなどが配信される。インターネット上で利用できるサービスの多くがオンデマンドに該当する。

映画やテレビ番組などの動画コンテンツを利用者が好きなときに視聴できる動画配信サービスの仕組み「ビデオオンデマンド(Video On Demand, VOD)」が、言葉として広く普及した。

一般的には、利用者が当該コンテンツを端末に保存しない形式のものが該当する。コンテンツをダウンロードして利用したり、あらかじめ提供者側によって配信時間が決められたコンテンツを利用したりすることは、オンデマンドには該当しない。

ノブレスオブリージュ

ノブレスオブリージュ(noblesse oblige)とは、「貴族の義務」を意味するフランス語で、身分や地位の高い者はそれに相応した社会的責任と義務があるという道徳観のこと。ヨーロッパ社会において、貴族など特権的な地位にある者は富の分配や社会貢献などを自発的に果たすことが求められることに由来する。法的な責任はないが、この責務を果たさないことで倫理や人格を問われることがある。

現在では、権力を有する者や富裕層だけでなく、著名人をはじめとした影響力の大きい人(インフルエンサー)が、社会の模範となるべき姿を暗黙的に求められる事象もこれに含まれることがある。

オヴァートンの窓

オヴァートンの窓(Overton Window, オーバートンの窓)とは、多くの人に尊重すべきのものとして受け入れられる政治的な考え方の範囲のことで、「多くの人に受け入れられる思想は、窓のように一定の範囲の中に限定されている」という考え方である。

「窓」は常に変化し、かつては受容されていなかったものがいまは受容されたり、その逆もまた起こる。「窓」の枠に収まらないような極端な政策が広く世論で関心を持たれ議論されるようになれば、「窓」が移動して範囲の中に収まる効果があるとされる。選挙などにおいては、政策は「窓」の枠の中に入るように関心を持ってもらう必要がある。

アメリカのシンクタンクMackinac Center for Public Policyの上級役員だったJoseph P. Overtonによる考え方で、彼の死後に同僚のJoseph Lehmanが命名した。

キャッシュポイント

キャッシュポイントとは、お客様から対価をいただく機会、タイミングを表す日本のビジネス用語である。和製英語。

収益が生まれるタイミングのことであり、この機会が多いほどビジネスとしてはキャッシュフローが安定しやすくなる。アップセルやクロスセル、お試しやリピート化、サブスクリプション、紹介プログラム、商品の多様化といったさまざまな手法がある。

プロシューマー(生産消費者)

プロシューマー(prosumer)とは、消費者でありながら生産活動にも携わる人々のこと。自分たちが価値があると思うものを自分たちで作ろうとする人々である。生産者 (producer) と消費者 (consumer) を組み合わせた造語。未来学者アルビン・トフラー(Alvin Toffler)が1980年の著書『第三の波』の中で提唱した。「生産消費者」。

トフラーは、かつて自給自足だった農耕社会を「第一の波」、生産と消費が分離した産業革命以降の産業社会を「第二の波」と定義し、その後に来る情報社会を「第三の波」と捉えた。第三の波では、消費者は与えられた既存の商品では満足せず、自分たちが価値があると思うものを作ろうとして生産者側に再び関わろうとすると予見した。第二の波における大量生産と大量消費の反動と弊害から需要と価値が多様化し、生産活動と消費活動が再び融合に向かうというものである。自給自足ではない新しいタイプの生産消費者である。

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ドリップマーケティング

ドリップマーケティング(drip marketing)とは、ある程度自動化された方法で顧客と段階的にコミュニケーションを図り、成約へと進めるマーケティング手法のこと。メールやソーシャルメディア(SNS)、電話、Webサイトのコンテンツなどがコミュニケーション手段として用いられ、より適切で効果的なタイミングでアプローチできるメリットがある。

準備したメールをスケジュールに沿って配信するメールマーケティング手法「ステップメール」を「ドリップキャンペーン」と呼ぶことがあるが、ドリップマーケティングの一種である。

マーケティングオートメーション(MA)と類似しているが、ある程度成果を前提として複雑すぎない想定シナリオを設計するのがドリップマーケティングであるといえる。一方でマーケティングオートメーションは、より変数が多く動的に個別の内容を展開したり、段階の浅い顧客層に向けたエンゲージメントの獲得や把握を行ったりするという違いがある。

PIC (person-in-charge, 担当者)

PICとは、「person-in-charge」の略で、担当者を意味する英語である。読みは「ピーアイシー」。「representative (Rep.)」とほぼ同義。

chargeは責任や任務の意味を持ち、PICは連絡窓口やスタッフというニュアンスではなく、ある程度の権限や役職を有する責任者を指す。

TBD (To be determined, 未決定)

TBDとは、「To be determined」あるいは「To be decided」の略で、「未決定」「未定」を表す英語である。現時点では未定だが、追って将来決定するという状態を表すことが多い。

関連する表現として、「TBA (To be announced, 後日発表)」「TBC (To be confirmed, 確認中)」がある。それぞれ以下のような意味で用いられる。

  • TBA (To be announced):後日発表。ほぼ決定しているが、公式発表待ちである状態
  • TBC (To be confirmed):確認中。決まりつつあるが、確定する前である状態
  • TBD (To be determined, To be decided):未決定。現時点では未定だが、将来決定するという状態

TBA (To be announced, 後日発表)

TBAとは、「To be announced」の略で、「後日発表」「未定」を表す英語である。現在ほぼ決定しているが、公式発表待ちである状態を表すことが多い。

関連する表現として、「TBC (To be confirmed, 確認中)」「TBD (To be determined, 未決定)」がある。それぞれ以下のような意味で用いられる。

  • TBA (To be announced):後日発表。ほぼ決定しているが、公式発表待ちである状態
  • TBC (To be confirmed):確認中。決まりつつあるが、確定する前である状態
  • TBD (To be determined, To be decided):未決定。現時点では未定だが、将来決定するという状態

TBC (To be confirmed, 確認中)

TBCとは、「To be confirmed」の略で、「確認中」「未定」を表す英語である。現在詳細を調整中で概ね決まりつつあるが、確定待ちであるという状況を表すことが多い。

関連する表現として、「TBA (To be announced, 後日発表)」「TBD (To be determined, 未決定)」がある。それぞれ以下のような意味で用いられる。

  • TBA (To be announced):後日発表。ほぼ決定しているが、公式発表待ちである状態
  • TBC (To be confirmed):確認中。決まりつつあるが、確定する前である状態
  • TBD (To be determined, To be decided):未決定。現時点では未定だが、将来決定するという状態

オーガニック検索(自然検索)

オーガニック検索(organic search)とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果ページ(SERP)に表示されるもののうち、リスティング広告(検索連動型広告)などの広告表示を除いた検索結果のこと。「自然検索」ともいう。

オーガニック検索の領域は、検索エンジンのアルゴリズムによって表示内容や順位が決定される。いわゆるSEO(検索エンジン最適化)は、この領域の表示を対象に取り組むことになる。

Google検索のSERP最上部に表示されるような強調スニペット(フィーチャードスニペット)ナレッジパネル、地図表示のローカルパックなども含まれる。

「オーガーニック検索」に対して、検索結果(SERP)の広告表示の枠を「有料検索(paid search)」という。


▲Googleによる図例(オーガニック検索結果 – Google広告ヘルプより)

キャズム理論

キャズム理論とは、イノベーター理論を前提としたとき、イノベーターアーリーアダプターの「初期市場」への商品普及率16%が市場全体への爆発的普及の鍵を握るのではなく、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には「深い溝(キャズムの谷)」があるとした理論のこと。エベレット・M・ロジャースによるイノベーター理論の「普及率16%の論理」を否定し、市場全体への普及には越えなければならない一線があるというものである。

ジェフリー・A・ムーア(Geoffrey A. Moore)が1991年の著書『キャズム(Crossing the Chasm)』で提唱した。

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成果バイアス

成果バイアス(outcome bias)とは、過去の出来事の過程にかかわらず、その出来事の結果を過度に強調して評価してしまう心理的傾向のこと。特に良い結果よりも悪い結果が起きた場合に、結果のみを強調して倫理的な非難が起こるのは成果バイアスによるものである。

結果を知った後にそれが予測可能だったと考える「後知恵バイアス」と似ているが、成果バイアスは過去の出来事を歪曲せず、実際の結果を強調して評価する。しかし、結果はさまざまな偶然や要素が関与して決まるものであり、意思決定者のコントロールを超えた出来事の責任を意思決定者は負うべきではない。そのため、成果バイアスは後知恵バイアスよりも危険な場合がある。

ラガード(採用遅滞者)

ラガード(Laggards)とは、市場の中で最も保守的な消費者層のこと。新商品には興味関心がなく、受け入れたくないとも考えている。市場全体の16%を占める「採用遅滞者」である。

アメリカの社会学者エベレット・M・ロジャース(Everett M. Rogers)による新しい製品の市場普及率に関する理論「イノベーター理論」における消費者の5分類のうちの一つ。

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レイトマジョリティ(後期追随者)

レイトマジョリティ(Late Majority)とは、新商品の購入には消極的な消費者層のこと。周囲の半数が購入したり受け入れたりしているのを確認してから購入を検討する。市場全体の34%を占める「後期追随者」である。「フォロワー」とも呼ばれる。

アメリカの社会学者エベレット・M・ロジャース(Everett M. Rogers)による新しい製品の市場普及率に関する理論「イノベーター理論」における消費者の5分類のうちの一つ。

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アーリーマジョリティ(前期追随者)

アーリーマジョリティ(Early Majority)とは、新商品の購入には慎重だが、すでに話題になっているものを購入する消費者層のこと。アーリーアダプターの影響を大きく受け、流行に乗り遅れることを恐れて比較的早く商品を購入する。市場全体の34%を占める「前期追随者」である。「ブリッジピープル」とも呼ばれる。

アメリカの社会学者エベレット・M・ロジャース(Everett M. Rogers)による新しい製品の市場普及率に関する理論「イノベーター理論」における消費者の5分類のうちの一つ。

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