エアプ

エアプとは、「エアプレイ」の略で、実際には未経験にもかかわらず経験者のように振る舞うこと、もしくはそのように振る舞う人のこと。ゲーム界隈やソーシャルメディアなどを中心に用いられる日本のインターネットスラングである。

未経験の事象に対して浅い情報だけをもって「知ったかぶり」をする行為やそのように振る舞う人を指す。その事象に詳しい人にとっては浅い知識の流布は情報の混乱を招くため、「エアプ」はネガティブなニュアンスで用いられることが多い。

「エアプ発言」「エアプ勢」「○○エアプ」などのように用いる。自身の初心者ぶりを謙遜して「(私は)○○エアプですから」と表現する場合もある。

「エアプレイ」は和製英語である。「エアー (air)」は本来の英語「空気」の意味などから派生した「~しているように見せる」「~のフリをする」を意味する日本固有のスラングで、「プレイ」と組み合わされた造語である。

iPhoneなどのApple製品におけるiTunesのストリーミング再生機能「AirPlay」とは無関係である。

IYKIK (わかる人にはわかる, 知る人ぞ知る)

IYKIKとは、「if you know, I know.」の略で、「わかる人にはわかる」「知る人ぞ知る」「一部の人だけが知っている」を意味する英語の略語、インターネットスラングである。何か情報やコンテンツを提示した後に付け加えられるフレーズで、自分のフォロワーや知人に向けた内輪ネタや隠語やジョークであること、一部の人だけが知っていることを示すものである。

Twitterをはじめとしたソーシャルメディアなど、デジタルコミュニケーションにて用いられる。小文字「iykik」、冒頭のみ大文字の「Iykik」、ハッシュタグ「#iykyk」としての使用もある。

ダウンサイドリスク(ダウンサイド)

ダウンサイドリスク(downside risk)とは、金融や投資の領域において不確実性や変動可能性をリスクとして捉えたときの「損失を被る可能性」「下振れする可能性」のこと。株価や相場などが事前の想定や目標よりも下回る可能性のことである。「ダウンサイド確率」といった表現などでも用いる。これに対して「利益を得る可能性」「上振れする可能性」を「アップサイドリスク」という。

ここから転じて、ビジネス領域においても「想定されるネガティブな事象が発生してもこのレベルにとどまるであろう損失や下落」を「ダウンサイド」と呼ぶことがある。

アップサイド(アップサイドリスク)

アップサイド(upside)とは、金融や投資の領域において不確実性や変動可能性をリスクとして捉えたときの「利益を得る可能性」「上振れする可能性」のこと。「アップサイドリスク (upside risk)」を省略した表現であり、「アップサイド収益」「アップサイドリターン」といった表現でも用いられる。これに対して「損失を被る可能性」を「ダウンサイドリスク」という。

ここから転じて、ビジネス領域においても企業の成長余地や業績の伸びしろのことを「アップサイド」と呼ぶ。「アップサイドを狙う」「アップサイドを攻める」といった表現で用いる。

もともとは「上側、上部」などを意味する英語である。

フリーミアム

フリーミアム(freemium)とは、サービスや製品の基本機能を無料で提供しつつ、より高度な追加機能などを有料で提供して収益を得るビジネスモデルのことである。無料提供による需要喚起や利用の拡大、満足度の獲得などから有料プランの契約につなげることで、中長期的な利益獲得を見込めるモデルである。

特にデジタルコンテンツなどは在庫管理や提供コストを小さく抑えられることから、Webサービスやデジタルコンテンツ配信、オンラインゲーム、ソフトウェアやSaaSなどでよく見られる。

手法としては古くからあるビジネスモデルである。「Web2.0」の流行が起きた2006年にこの手法に「フリーミアム」という名称が付けられ、雑誌『Wired』編集長だったクリス・アンダーソン(Chris Anderson)による紹介やWeb2.0の流行に伴い広く普及した。「Free (フリー、無料)」と「Premium (プレミアム)」を組み合わせた造語である。

一方で、「フリーランチはない」という表現もある。

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プッシュ型とプル型

主にマーケティング領域で用いられるプッシュ型とプル型とは、顧客との接点作りの2種類のアプローチのことである。

「プッシュ型」とは、企業が見込み顧客へ積極的にアプローチする方法のことである。企業が能動的に営業や情報送信などを行い、顧客は受動的にそれを受け取るというものである。わかりやすい事実や機能の提示で顧客を説得するアプローチである。「アウトバウンドマーケティング」に類似する。

「プル型」とは、見込み顧客側から企業にアプローチしてくるのを受動的に待つ方法のことである。企業は事前に製品やサービスの魅力が伝わるよう情報や要素を仕掛けておき、顧客が自発的に情報収集する中で惹きつけられるように最終的に製品やサービスにたどり着く仕組みのことである。顧客に対する間接的なアプローチであり、共感の獲得や価値観の一致などが求められる。「インバウンドマーケティング」に類似する。

ウェブトゥーン(縦スクロールマンガ)

ウェブトゥーン(webtoon)とは、Webやアプリなどオンラインでの閲覧を前提に制作されたマンガ、デジタルコミックの一種である。スマートフォンでの閲覧に適した「縦スクロール形式」で展開されるのが特徴である。出版を前提としないため、多くは白黒ではなくカラーで表現される。「縦読みマンガ」「縦スクロール漫画」とも呼ばれる。

「web」と「cartoon (マンガ)」を組み合わせた造語である。2000年前後に韓国で登場し、その後インターネット回線とスマートフォンの普及に伴って世界中に人気が広まった。ウェブトゥーンポータルの配信サービス経由で提供される作品が多い。

縦スクロールでストーリーが展開するため、ページや見開きといった概念がない。日本であればページの右上から左下、英語圏であれば左上から右下といった「マンガの読み方、ストーリーの進行方向の違い」がないといった特徴を持つ。

ジョイントベンチャー(合弁企業)

ジョイントベンチャー(joint venture)とは、複数の企業や組織が共同で出資し合って新しい会社を立ち上げ、事業を行うこと。「合弁企業」「合弁事業」などとも呼ぶ。

互いの経営資産を持ち寄って経営が行われ、かつそれぞれの企業の技術やノウハウを生かせるため、低リスクでスピード感のある立ち上げを推進できる。海外の企業との合弁の場合はその国独自の制約を避けつつ文化に合わせることができ、早期の市場開拓が期待できる。

企業のM&A(合併や買収)と提携(アライアンス)の中間に位置するものとして扱われることが多い。合併や買収ほど企業に影響を及ぼすものではなく、資本関係のないアライアンスほどの関係性の弱さでもなく、ある程度の一体感と強制力を持った座組みといえる。

フリーランチ

フリーランチ(free lunch)とは、サービスの受け手側の視点としては「容易にありつける利益」の意味で用いられるビジネス用語である。何かを条件にすることで受け取ることができる無料の商品やサービスなどが該当する。

サービスの提供側の視点では「顧客層にアピールするために無料で商品(の一部)を提供し、その商品以外から利益を得ようとする販売手法」であり、「フリーミアム」のビジネスモデルと類似する。

19世紀頃からのアメリカのバーにて、ビールなどの飲み物を注文した常連客に対して提供された無料のランチに由来する。無料ランチにはハムやチーズ、クラッカーなど塩分の強い食べ物を含み、お店は追加で何杯ものビールの注文を受けることで利益を得ていた。

一方で、「フリーランチはない」という文脈で用いられることも多い。「No Free Lunch(ノーフリーランチ)」「There ain’t no such thing as a free lunch. (TANSTAAFL:タンスターフル)」の表現とともに「無料で何かを得ることなどない」「うまい話などこの世にない」という意味の格言として用いられる。日本語の「ただより高いものはない」の表現と同義。

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ダンバー数(ダンバーズナンバー)

ダンバー数(Dunbar’s number, ダンバーズナンバー)とは、人間が安定的な社会関係を維持できる人数のことで、それは約150人であるというもの。知り合いでかつ社会的交流を維持している間柄の人数であり、交流が途絶えた知人は含まない。

1990年代にイギリスの人類学者ロビン・ダンバー(Robin Ian MacDonald Dunbar)によって提唱された。霊長類の脳の大きさと平均的な群れの大きさとの間に相関関係を見つけ、人間にとって平均150人(100~230人)が「それぞれと安定した関係を維持できる個体数の認知的上限である」としている。

ダンバー数を超えると、社会関係の維持に向けてより拘束性のある規則などが必要になる。企業をはじめとした組織の構成やマネジメントなどに応用されている。

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