オフグリッド

オフグリッド(off-grid, off the grid, OTG)とは、電気やガス、水道といった公共のインフラ(ライフライン)に依存せず、それらを自給自足で確保している状態のこと。「オフグリッド生活」「オフグリッド住宅」などのように用いる。

電力供給のための電力網に接続されていない状態に由来する。電力会社の提供する電力に頼らずに、太陽光をはじめとした自然エネルギーから自家発電して電力を確保、蓄電する状態や生活様式を指すことが多い。

21世紀後半に世界全体の温室効果ガス排出量を実質的にゼロにすること(脱炭素化)を目標とする「2050年カーボンニュートラル」が120国以上に採用されるなど、世界的な脱炭素社会実現への流れもあり、注目を集めている。

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COPQ (cost of poor quality)

COPQとは、「cost of poor quality」の略で、低品質や欠陥が原因で発生するコストのことである。経営改革手法「シックスシグマ」で用いられる指標の一つ。「PQC (poor quality costs」と呼ぶこともある。

COPQは、再検査ややり直しに伴う人件費や廃棄といった「目に見えるコスト」と、設計変更に伴う工数ロスや顧客満足の低下といった「目に見えないコスト」に分けられ、特に目に見えないコストの影響が大きいとされる。シックスシグマではCOPQの改善が経営にインパクトを与えるとしている。

ゼロイチ

ビジネス領域におけるゼロイチとは、まだ世の中に存在しない製品やサービス、価値を作り出すことを意味するビジネス用語である。あるいはまったく何も準備されていない状態から新しい事業を立ち上げることを意味することもある。

まったく新しい価値を作り出すことや新規事業の立ち上げのいずれにおいても、新規事業を開発する段階を大きく以下の3つに分類し、その最初の段階であることを示す場合がほとんどである。

  • 0→1(ゼロイチ):新しい価値を作り出すこと、準備のないところから新規事業を立ち上げること
  • 1→10(イチジュウ):新しく作り出したものを事業として軌道に乗せること
  • 10→100:軌道に乗った事業をより成長拡大させること

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TBU (To be updated, 更新予定)

TBUとは、「To be updated」の略で、「更新予定」を表す英語の略語である。現在は情報がないが、情報が届き次第更新して発表する予定であることを表すことが多い。

関連する表現として、「TBA (To be announced, 後日発表)」「TBC (To be confirmed, 確認中)」「TBD (To be determined, 未決定)」などがある。それぞれ以下のような意味で用いられる。

単推し

単推しとは、お気に入りの存在「推し」としてグループ内の特定の一人を応援すること。アイドルなどで複数のメンバーを抱えるグループ内の特定の一人を応援する際に用いる。読みは「たんおし」。

類似する表現に「最推し」「激推し」「神推し」などもあるが、多くは「単推し」のレベルの違いのニュアンスを含む。

「(人名)担」という表現もある。自分は単推しのメンバーの担当である、もしくは自分の単推しのメンバーを「担当」と呼んだことから派生した表現である。自分の単推しのメンバーを同じく「単推し」として応援している他のファンのことを「同じ担当である」ことから「同担(どうたん)」と呼ぶ。

「単推し」に対して、そのグループ全員のメンバーや全体の活動などを応援することを「箱推し」という。

ブループリント(青写真, 設計図)

ブループリント(blueprint)とは、「青写真」や「設計図」を意味する英語である。ビジネス用語としても用いられる。

かつて建築土木図面の多くはトレーシングペーパーに作図されてジアゾ式複写機で複写されていたが、複写されたものが青色だったことに由来する。複写されたものが「blueprint」で、日本語で「青図」「青焼(青焼き)」と呼ばれる。そこから転じて、「設計図」や将来の設計を意味する「青写真」の意味で用いられる。

バーター(物々交換 / 抱き合わせ商法)

バーターには複数の意味がある。芸能界の業界用語のそれは、最初に挙げる「物々交換」の意味とは無関係である。

経済における「バーター (barter)」もしくは「バーター取引」とは、商品やサービスを同種同量のもので交換する取引、決済手段のこと。「物々交換」ともいう。商品やサービスの交換による金銭の伴わない取引や、「御社の商品を購入する代わりに、御社も当社の商品を購入してもらう」取引などが該当する。

それに対して、テレビなどで使用される芸能界の業界用語としての「バーター」は、本来の商品に加えて別の商品もセットで販売する「抱き合わせ商法」「抱き合わせビジネス」の意味である(この場合の商品の多くは芸能人)。類似する言葉に「バンドル (bundle)」がある。「束(たば)」の逆さ読みに由来し、「物々交換」の意味とは無関係である。

先祖返り

先祖返りとは、ビジネスやITの領域においてはソフトウェアやデータなどを更新する際に何らかの理由で過去の古いバージョンに書き換えられてしまうこと。もともとは生物の進化の過程で失ったと思われた遺伝子上の形質が突然その子孫に出現することである(帰先遺伝)。読みは「せんぞがえり」。

ビジネスやITの領域ではデータなどが意図せず以前の内容に戻ってしまうことを指し、そのほとんどは望まない事故である。ソフトウェアの更新によって品質が悪化する「デグレード(デグレ)」の一種。以前の文章や写真に戻ってしまったり修正したはずの不具合の再発などが該当する。バージョン管理の不備が原因であることが多い。

SES (システムエンジニアリングサービス)

SESとは、システムエンジニアリングサービス(system engineering service)の略で、ソフトウエアもしくはシステムの開発、保守、運用などの業務に対して技術者を派遣する技術支援サービスのこと。このサービスを提供する企業を「SES企業」、このサービスに関する委託契約を「SES契約」と呼ぶ。

発注元企業による指揮命令の下で業務を行う派遣契約とは異なり、労務管理や指揮命令はSES企業が行う委託契約である。SES企業のエンジニアは発注元企業で働くため、勤務地や勤務時間、仕事内容などはそれぞれ異なる。

類似する用語に、システム開発や保守運用などを請け負う事業者「システムインテグレーター (SIer)」がある。システムインテグレーターはシステム開発や保守運用による成果物の納品が必要となり、瑕疵担保責任が求められる。一方でSES企業が提供するのは労働力であり、瑕疵担保責任はない。

コア視聴率

コア視聴率(コアターゲット視聴率)とは、世帯の中で誰が何人でテレビ番組を視聴しているかを示す推定値「個人視聴率」のうち、「コア層」と呼ばれる13歳~49歳による視聴率のこと。テレビ局や広告業界などが重視するようになった指標の一つである。

世帯視聴率と異なり、個人視聴率は視聴者の年齢や性別を判別できる。そのため、全体の個人視聴率だけでなく特定の年齢性別区分別に見ることもできる。マーケティングにおいて商品購買意欲が高いとされる「T層 (Teenage):男女13歳~19歳」「F1層:女性20歳~34歳」「F2層:女性35歳~49歳」「M1層:男性20歳~34歳」「M2層:男性35歳~49歳」が重要なターゲットとして扱われる中、それらを「コア層」としてその視聴率が重視されるようになった。

2004年頃に日本テレビが導入したのが始まりとされる。その後その重要性が高まり、2020年から個人視聴率の取得が本格化したのに伴い、従来使用されていた世帯視聴率に替わる重要な指標の一つとして扱われている。

顕在顧客

顕在顧客とは、抱えている課題を自覚してそれを解決するための行動を取り始めている見込み顧客のこと。課題を解決する製品やサービスに興味関心を持ち、比較検討を行っている状態の顧客層である。興味関心が顕在化していることから「顕在顧客」と呼ばれる。読みは「けんざいこきゃく」。

積極的に製品やサービスの購入を検討しており、インターネットでの検索や店舗での比較などを通して情報収集を行っている。そのため、一般的には検索結果(SERP)に表示するリスティング広告や店内販促などが有効的である。

顕在顧客に対して、課題を自覚していなかったり課題解決の行動を取っていないが、ニーズを掘り起こせば顧客になる可能性を持つ見込み顧客を「潜在顧客」という。製品やサービスにはまだ興味関心を持っておらず、潜在的な需要を抱えていることから「潜在顧客」と呼ばれる。

アナグラム

アナグラム(anagram)とは、単語もしくは文章を構成している文字を入れ替えることで異なる意味の別の言葉(文章)を作る言葉遊びのこと。例えば「listen(聞く)」の文字の順番を入れ替えると「silent(静寂)」という関連する反対の意味にできる、というものである。

必ずしも単語単位というわけでもなく、「one plus twelve」に対する「two plus eleven」(合計はどちらも13)のように文章内の文字を入れ替えても構わない。

著名人のペンネームや芸名、企業の社名やブランド名として用いられているものも多い。

ゴーレム効果

ゴーレム効果(Golem effect)とは、他者からの期待値が低いほど成績が低下してしまうという心理的現象のこと。教師が生徒に対して見込みがないと思いながら接するとそれに応じて生徒の成績は下がる、といった例が挙げられる。

期待すると成績が伸びる効果「ピグマリオン効果」とは反対の効果である。ピグマリオン効果と同様にアメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタール(Robert Rosenthal)が提唱した。ゴーレムはユダヤに伝わる泥人形に由来する。後の異なる研究結果によりすべてを実証されているわけではなく、確定した心理的現象ではない。

PLG (Product-Led Growth, プロダクトレッドグロース)

PLGとは、Product-Led Growth(プロダクトレッドグロース)の略で、製品やサービスの利用そのものが顧客の獲得や活性化、維持、拡大を促進させる事業モデルのこと。製品の中にマーケティングやセールス、カスタマーサクセスなどが組み込まれ、効率的に製品を成長させることができるGTM戦略(Go-To-Market戦略)の一つ。「製品主導の成長」と訳されることがある。2016年にアメリカのベンチャーキャピタルOpenView Venture Partners社が定義した。

SaaSビジネスにて多く取り入れられている。多くが無料体験期間「フリートライアル」や機能を制限した無料プラン「フリーミアム」を採用し、ユーザー自身が製品の価値に気付いて有料プランに転換するフローを取っている。

「Sales-Led Growth (セールス主導の成長, SLG)」との対比で語られることが多い。SLGではセールスが製品の価値を伝え、顧客獲得単価(CAC)は高く、対応は個別カスタマイズのハイタッチになりやすい。一方でPLGでは製品そのものがその価値を伝え、顧客獲得単価(CAC)は低く、テックタッチの対応が中心になる。

OpenView Venture Partners社によるPLG企業の例
▲OpenView Venture Partners社によるPLG企業の例
What is Product-Led Growth? How to Build a Software Company in the End User Era より

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メタ認知

メタ認知(metacognition)とは、自分が物事を認知している状態を客観的に捉えて制御すること。つまり「認知していることを認知すること」である。

メタは「高次の、超越した」の意味であり、知覚、情動、記憶、思考などの自己の認知活動を高次の第三者視点から俯瞰して認識することである。自分自身や物事を冷静に捉えたり判断能力を引き上げたりする思考や能力のあり方として扱われ、心理療法やカウンセリングなどで用いられる。

メタ認知の考え方はギリシャの哲学者アリストテレスをはじめ古くから見られるが、1976年にアメリカの心理学者ジョン・H・フラベル(John H. Flavell)が「メタ認知 (metacognition)」と名付た。

対数的に増加(対数関数的成長)

「対数的に増加」とは、時間など(x軸)の経過に伴ってある量(y軸)の増加の速度が緩やかになっていくこと。x軸に対するy軸の成長曲線の増加具合がなだらかになっていくこと。対数関数にて表せる現象で「対数関数的成長 (logarithmic growth)」「対数的成長」などとも呼ぶ。

事業や技術の成長が初期は非常に著しいが、時間の経過に伴いその成長が鈍化する様子を表す際などに用いる。

対数関数的成長
▲対数的な増加を表す曲線

「対数的に増加」に対して、初期はなかなか成長が見られないが時間の経過に伴い成長が急激に増加する様子を「指数的に増加」「指数関数的成長」と呼ぶ。

ヒックの法則(ヒック・ハイマンの法則)

ヒックの法則(Hick’s law)あるいはヒック・ハイマンの法則(Hick–Hyman law)とは、選択肢の数と人の意思決定にかかる時間の関係において、選択肢の数が増えると意思決定にかかる時間も対数的に長くなるという心理学的な法則のこと。1951年にイギリスの心理学者ウィリアム・ヒック(William Edmund Hick)が提唱し、その後アメリカの心理学者レイ・ハイマン(Ray Hyman)が発展させ、この2人の名前にちなんで名付けられた。

刺激の数と任意の刺激に対する人の反応時間の関係において、刺激の数が多いほど人はどの刺激に接するかを決定するのに時間を要するというものである。選択肢が多ければ判断に時間を要し、意図しない思考を与えてしまう。選択肢の数と時間の関係は対数的であり、選択肢の数が2倍になっても意思決定にかかる時間は2倍にはならず、選択肢が増えるにつれて要する時間の増加は小さくなっていく。

UI設計やユーザービリティの改善の領域において適用されることがある。

バイオマス

バイオマス(biomass)とは、動植物に由来する再利用可能な生物資源の量を表す概念のこと。石油などの化石資源を除いた有機性の資源で、木くずや草藁、生ゴミなどの食品廃棄物、紙、糞尿、動物の死骸、プランクトンなどが該当する。「生物資源 (bio)」と「量 (mass)」を組み合わせた用語。通常は質量もしくはエネルギー量で数値化する。

化石燃料と違い、太陽エネルギーを利用して水と二酸化炭素から生物が光合成によって生成するため、持続的に再生可能な資源である。バイオマスを燃料にしたものを「バイオマス燃料」、それを直接燃焼もしくはガス化して発電することを「バイオマス発電」という。バイオマス発電により放出される二酸化炭素は生物が光合成などにより大気中から吸収したものが多く、大気中に新たな二酸化炭素を増加させにくいことから「カーボンニュートラルな資源」とされる。

フュージョン料理(多国籍料理)

フュージョン料理(fusion cuisine)とは、さまざまな国や地域に由来する食文化を組み合わせた料理の総称のこと。「多国籍料理」「無国籍料理」とも呼ばれる。

私たちが特定の国や地域の食文化として認識しているものの中には、まったく別の食文化からもたらされたり影響を受けたりしているものも多い。

フュージョン料理には複数の形態がある。例えばフュージョン料理としての「アジア料理 (Asian fusion)」は、地域的に隣接する国や地域の食文化にある共通点や類似性を元に構成され、欧米などで人気を得ている。またフィリピン料理は、植民地時代をはじめ過去の歴史的経緯からスペインや中国、アメリカの食文化の影響を大きく受けており、フュージョン料理の特徴を備えている。マレーシア料理も、マレー料理、ジャワ料理、中国料理、インド料理など、マレーシアの各民族と他民族の食文化の影響を受けて融合した料理が多い。

本来の伝統的な料理に対して、非伝統的な食材を取り入れたものもフュージョン料理と言える。アメリカで独自にアレンジされた中華料理「アメリカンチャイニーズ(アメリカ風中華料理)」は19世紀後半にサンフランシスコで生まれ、アメリカ人の舌にあった味へと変更を加えることで「クラブラングーン」や「オレンジチキン」といった独自の中華料理が登場した。また寿司の「カリフォルニアロール」は、日本の伝統的な寿司では用いないカニかまやアボカドなどの食材を使い、海苔を酢飯の内側に裏巻きにするなど、寿司のフォーマットを利用したフュージョン料理の一種である。

食材は本来の伝統的なものを使用するが、調理法はまた別の伝統的なものであるというケースもある。「タコスピザ」は、チェダーチーズやサルサ、豆といったメキシコ料理のタコスの食材を使い、ピザとして調理される。

日本にも他の食文化を取り入れた料理は多い。独自に発展したラーメン文化、カレーうどんやタラコスパゲッティ、冷やし中華などは、本来は他国の食文化をベースにしたものだが日本独自のアレンジで普及した料理である。

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デジタルアダプション

デジタルアダプション(digital adoption)とは、ユーザーがデジタルなソフトウェア、アプリ、Webサイト、システムなどを使いこなしてその価値や恩恵を受けている状態、もしくはその状態に向けた整備やプロセスのことを指す。「デジタル定着」と訳されることもある。

デジタル社会に進むにつれて、デジタルな技術の利用機会は大きく増加した。企業に対してもデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進が求められ、生活や仕事におけるソフトウェアやシステムの利用は必須となっている。その中で、ソフトウェアやシステムが意図されたとおりに利用され、誰もがその価値を最大限に享受できる社会が理想とされ、その状態やそれに向けたプロセスがデジタルアダプションである。日本でも2021年にデジタル庁が発足し、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」と掲げたのも象徴的である。

それに向けた取り組みや支援が行われており、企業からは「デジタルアダプションプラットフォーム (DAP)」や「デジタルアダプションツール」などが提供されている。