ウィークタイズ(弱い紐帯)

ウィークタイズ(weak ties)とは、家族や恋人や親友といった社会的つながりが密接な人よりも、適度に顔を合わせる程度の人間関係の方が有益な情報をもたらしてくれる可能性が高いという理論「弱い紐帯の強み」における、弱い社会的つながりのこと。「弱い紐帯」。

密接なつながり「ストロングタイズ (strong ties)」には強い信頼関係があるが、接触や交流は冗長で新規の探索にはあまり適していない。一方、弱いつながり「ウィークタイズ」では交流の冗長性が低く、有益で新規性の高い情報を得やすい。そのため、転職や休職においてはウィークタイズの方が重要となるというものである。

アメリカのスタンフォード大学の社会学者マーク・グラノヴェッター(Mark Granovetter)が、1973年の論文『The strength of weak ties(弱い紐帯の強み)』にて発表した。

続きを見る »

キングメーカー

キングメーカー(kingmaker)とは、大統領な首相など、政治の最高権力者に関する人事権に大きな影響力を持つ人のこと。自らはその時点ではトップの政治権力者ではないが、裏方として最高権力者の人事権を大きく握り、その選出や退陣に対して非常に強い影響力を持つ。そのため、政治を左右する力を事実上持っていることになる。

少数のキングメーカーによって最高権力者の人事権が掌握されている場合、政治権力の二重構造になりやすい。

ビッグマック指数

ビッグマック指数(Big Mac index)とは、2つの通貨間の購買力平価を比較するために簡易的に用いられる経済指数のこと。世界的なハンバーガーチェーンであるマクドナルドの商品「ビッグマック」のアメリカドル建て価格を比較して、為替レートの水準を推計する指標である。イギリスの経済専門誌「エコノミスト」が1986年に考案し、その後毎年発表している。略称は「BMI」。

マクドナルドの「ビッグマック」は世界中で近似した品質で販売されており、自由市場経済において同一商品は同一価格になるという「一物一価の法則」を前提として考案された。実効為替レートであるビッグマック指数と実際の為替レートとの比較が本来の用途である。実際にはビッグマックの内容や質量、市場環境は各国で異なるため、参考指標の一つである。

類似する指標に、スターバックスの「トールラテ」の価格で算出した「スターバックス指数 (Starbucks index)」「トールラテ指数 (Tall Latte index)」がある。

The Big Mac index | The Economist

FYTD (fiscal year-to-date, 年度初来)

FYTDとは、「fiscal year-to-date」の略で、「年度の初日から今日まで」「年度初来」を表す英語である。主に財務会計などで、会計年度の初日から直近の日付もしくは直近月までの累計の金額を表す際などに用いる。

類似の表現に、1月1日から今日までを表す「YTD (year-to-date, 年初来)」がある。YTDも、会計年度の初日から直近の日付までを意味する用語として用いられることがある。

カテゴリーキラー

カテゴリーキラー(category killer)とは、特定分野の商品に限定して、豊富な品揃えと低価格で大量販売する小売店の業態のこと。家電や衣料品、スポーツ用品や玩具など分野を特定しており、大型量販店であることも多い。

名称は、カテゴリーキラーが商圏に出店すると競合スーパーや百貨店の当該カテゴリーの売上が大きく低下し、縮小や撤退に追い込まれることに由来する。

当初は同一商品分野での豊富な品揃えによるディスカウント販売のものが多かったが、次第に品揃えの分野を拡大することもあり、総合スーパーや百貨店のポジショニングと重複し始めている。

ファンマーク(ファンマ)

ファンマークとは、特定の対象の熱心なファンであることを示すためにプロフィールに記載する絵文字の組み合わせのこと。有名人やアーティスト、アイドルがInstagramやTwitterなどのソーシャルメディア(SNS)アカウントのプロフィールに特定の絵文字の組み合わせを使用し、ファンも自身のプロフィールにそのファンであること(ファンダム)の証として同じ絵文字の組み合わせを使用するというものである。略称は「ファンマ」。

絵文字1文字の場合もあるが、より特定対象のファンであることを判別できる2文字以上の絵文字の組み合わせが用いられることも多い。

ファンネーム(ファンネ, ファンダムネーム)

ファンネーム(fandom name, ファンダムネーム)とは、特定の対象に対する熱心なファンたちの名称、総称のこと。音楽芸能のアーティストやアイドルのファンの集合体、コミュニティである「ファンダム」に付けられた名前である。

アーティストが自身のファンのことを呼ぶ際や、ファンクラブの名称、ファンが自分たちのコミュニティを表す際などに用いられる。公式にアーティスト側が決定したり認めることもある。「ファン名」「ファンダム名」、略称は「ファンネ」。

タイムパフォーマンス(タイパ, タムパ)

タイムパフォーマンスとは、あるものに費やす時間とそれによって得られるものや満足度を対比させた度合いのこと。できるだけ短い時間で得られるものが大きい場合、「タイムパフォーマンスが高い」と表現する。

費用対効果を意味する「コストパフォーマンス(コスパ)」の「コスト」には金額だけでなく時間の概念も含むが、そのコストパフォーマンスから派生した言葉である。「コスパ」と同様に「タイパ」「タムパ」と略されることもある。和製英語。

スマートフォンの普及後、自分の意志で自由に使える時間「可処分時間」は短時間化の傾向にあり、まとまった量の可処分時間を確保するのが難しくなっている。その限られた可処分時間に対する満足度をできるだけ大きくしたい、損をしたくないという意識がZ世代など若い世代を中心に広がり、「タイムパフォーマンス」の概念が登場したといえる。

タイムパフォーマンスに対する意識は特にコンテンツ消費の領域で顕著で、「タイパ消費」とも呼ばれる。利用に長時間を要する映画(動画)やマンガ、ゲーム、書籍といったコンテンツにおいて、タイムパフォーマンスが高いかどうか、誰かがオススメしていたりダイジェスト版を視聴できたりするかどうかが事前の関心事項の一つになる。そのため、短い時間で効率よく楽しめる(が違法性の可能性もある)「ファストコンテンツ」に対する需要が高く、コンテンツを倍速で視聴するといった行動も見られる。

App Clip

App Clipとは、通常のiPhoneアプリとは異なりダウンロードせずに一部機能を一時的に素早く利用できるミニアプリ、もしくはそのようなiPhoneの機能のこと。Apple社のiPhoneのiOS14から搭載された。読みは「アップクリップ」。

アプリのようにApp Storeからインストールをする必要がなく、標準のiPhoneの状態でQRコードやNFCタグを通じて機能を呼び出して利用できる。利用時のデータは一定期間を過ぎると自動的に消去される。そのためユーザー側への負担が非常に小さい。ユーザーは提供者によって準備されたQRコードなどの案内に従って利用し、事前準備や使用方法の理解などは必要ない。

店舗での注文や商品の決済、地図案内などの場面で、店舗ごとにアプリをインストールする必要がなく利用でき、今後の拡大が期待される。

ホカンス

ホカンス(hocance, 호캉스)とは、ホテルに宿泊し、主にホテル内のスパをはじめとした施設、インテリア、アメニティや食事といったサービスや雰囲気を楽しみながら休暇を取ること。英語の「hotel(ホテル)」と長期休暇を意味するフランス語「vacances(バカンス)」を組み合わせた造語で、韓国で用いられ始めたコングリッシュ(Konglish, 韓国語式英語)である。

宿泊ホテル内での滞在で一定期間の休暇を過ごすというものである。そのため必ずしも周辺地域の観光を目的としておらず、交通機関を利用して手軽に行ける場所のホテルで宿泊するものも多い。

2020年からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、世界中で自由な観光旅行が困難になる中で登場した休暇の過ごし方の一つである。近場に宿泊しながら休暇を取る「ステイケーション」の一種と言える。

ポップアップストア

ポップアップストア(pop-up store)とは、空き店舗やイベントスペースなどを利用して一時的なキャンペーンイベントとして設けられる期間限定の店舗のこと。多くは開店してから数日間から数週間の営業である。「ポップアップショップ(pop-up shop)」ともいう。

常設店舗との対比として扱われることもあるが、単なる売上獲得の場や「期間限定ショップ」というわけではなく、ブランドの認知獲得のためのプロモーションや顧客体験の場、テストマーケティングの一環として設けられることが多い。

ハオい

「ハオい」とは、日本人の発想や感覚からは生まれないようなもので怪しくキッチュ(下品な/安っぽい/インチキな/通俗的)に見えるが、それでいて中国文化が垣間見える愛おしい表現、芸術、モノや製品で、非常に魅力的に感じ心をひかれる様子のこと。

中国の文化や表現、風俗に強い興味関心を持つ日本人の間で用いられる表現で、主に日本人から見て「一見B級で違和感やいかがわしさを感じるが、愛さずにはいられない中国文化」に対して用いられることが多い。

中国語で「良い、優れている」「素晴らしい」を意味する「好 (hǎo)」に由来し、日本語化した表現である。

ここから転じて、B級的なものであるかや中国文化であるかに限らず、単に「魅力的に感じて心惹かれる様子」のことを「ハオい」と呼ぶケースもある。

知的財産 (IP, intellectual property)

知的財産(intellectual property, IP, 知財)とは、人の創造的活動から生まれた創作物や著作物、コンテンツや製品、標識(商標などの識別情報、イメージ)、独自のノウハウや技術情報といった有用な情報など、経済的な価値を有する無体物、無形資産のこと。著作権や特許権、商標権といった法律によって保護され、創出者に使用の独占権などが与えられるものも多い(知的財産権)。

所有者と使用者による使用権の取引や知的財産そのものの売買など、市場における取引も活性化している。アニメやゲームをはじめとしたエンターテイメント業界などにおいても、コンテンツやキャラクターのライセンスビジネスとしても注目され、「IPビジネス」「IPコンテンツ」などと「IP」と略されることがある。

NFT(非代替性トークン)

NFT(non-fungible token, ノンファンジブル・トークン)とは、ブロックチェーン上で発行され、唯一無二の存在であることを証明されたデジタルデータのこと。ブロックチェーン上(デジタル上)における資産鑑定書や所有証明書のような識別子を所有し、「世界に1つだけのデータである」ことの資産価値を持つ。所有者は自由に取引や二次流通を行うことができる。

デジタルデータ自体はコピー可能であるが、NFTとしてブロックチェーン上で追跡でき、所有者はその所有の権利を証明できる。

デジタルデータのコピーや改ざんを防ぐ技術としてこれまでも電子透かしの埋め込みなどがあったが、NFTによってデジタルデータにも所有権や資産価値を付与することが可能になった。そのため、クリエイターのデジタルアート作品にとどまらず、さまざまなコンテンツの領域での活用が期待されている。

2017年にイーサリアムブロックチェーンにてNFTの作成が容易になり、猫の育成ゲームアプリ「CryptoKitties(クリプトキティーズ)」にて作成された猫への識別子の付与がサポートされ、NFT普及のきっかけの一つとなった。

2021年にはTwitterの創業者ジャック・ドーシー(Jack Patrick Dorsey)の初ツイートが約3億円で落札され、多くの注目を集めた。

デフォルト効果

デフォルト効果(default effect)とは、人間の意思決定や選択が最初に設定されている初期値(デフォルト)に影響されるという心理的傾向のこと。変える必要のないものに対して思考エネルギーの消費を回避しようとしたり、現状からの変化を「安定の損失」と認識したりする「現状維持バイアス」などによって、初期値を受け入れるという傾向である。

取得しているものに高い価値を感じ、それを手放すことに強い抵抗を感じる「保有効果(授かり効果)」と類似する。

企業が顧客の意思決定をできるだけ期待するものへと誘導する際の手法「ナッジ」の一つとして利用されている。例えばサービスプランを申し込む際に、任意だが利用可能なオプション項目がデフォルトで選択されている場合、それを受け入れやすいという例が挙げられる。電子機器の初期設定やメールマガジン受信への同意、契約の自動更新などがある。

機会来店(衝動来店)

機会来店とは、事前の強い動機や目的は特になく、「そこにたまたまそのお店があったから」という理由による来店のこと。通りがかりに店舗の看板やディスプレイを見かけたり、店頭で配布物を受け取ったのをきっかけに来店するものが該当する。「通りがかりに」「ふらっと」「なんとなく」による店舗への来店である。「衝動来店」ともいう。

機会来店に対して、事前に「その店に行こう」と目的や動機を持って来店することを「目的来店」という。

トリクルダウン理論

トリクルダウン理論(trickle-down effect)とは、富裕層がさらに富めば、投資や消費などの経済活動が活性化して、したたり落ちるように低所得層を含む広い層にもその恩恵が及ぶと主張する経済理論のこと。大企業や高所得者向けの減税や規制緩和といった経済政策を実施すれば結果として経済全体が良くなる、とする考え方である。水が水道の蛇口から滴り落ちる(trickle down)様子に由来する。

トリクルダウン理論は「富が上層から下層に自然に移行する」メカニズムを前提としている。これは、富裕層が資本をより多く持つことで投資や消費を行い、結果的に経済全体を成長させ、その恩恵が社会の他の層にも伝わるという連鎖的な影響である。例えば大企業の成長が雇用を生み出し、消費者の購買力を増加させ、さらに経済活動が活発になるという流れを想定している。

しかしこの理論は、成長途上の経済では効果があったとしても、ある程度成長した経済社会においては有効な所得再配分政策を講じなければ経済全体は大きく成長しない。そのため、富裕層や中間層の経済規模は拡大しても貧富の格差が拡大しやすく、その有効性は疑問視されている。

エルゴノミクス(人間工学)

エルゴノミクス(ergonomics, アーゴノミクス)とは、人間の特性を分析、理解し、それに最適なシステムや機器、環境など設計、デザイン、構築する学問のこと。人と人工的な機器との関係や相互作用が、安全で快適、かつ高い生産性を維持することを目指している。アメリカでは「human factors engineering」、日本では「人間工学」とも呼ばれる。

人間が無理せず自然にかつ安全に使えるように設計、デザインされた機器や道具を表す際に、「エルゴノミクスに基づいた」「エルゴノミクスデザイン」などと用いる。

類似のものに、年齢や性別、障害の有無などにかかわらず誰もが使えるようなデザイン「ユニバーサルデザイン」がある。

スケーラビリティ(拡張可能性)

スケーラビリティ(scalability)とは、システムやネットワークがその規模の変化に対して柔軟に対応できる度合いのことである。システム規模の拡張性、もしくは拡張可能性のこと。

規模や負荷の想定される増大に対して対応可能なものとして設計されている場合、「スケーラビリティがある」「スケーラビリティが高い」「スケーラブルな」などと表現する。一般的には規模の拡大や増加に対して用いられるが、規模の縮小への対応もスケーラビリティである。

基本的にはシステムやネットワークなどのIT領域の用語だが、物事やプロジェクトの規模の拡張性を意味するビジネス用語として用いられることもあり、「スケールする」と類似する。

続きを見る »

MZ世代

MZ世代(Generation MZ)とは、1980年代半ばから1990年代初頭に生まれた「ミレニアル世代」と、その後の1990年代後半から2010年の間に生まれた「Z世代(ジェネレーションZ)」の2つの世代を合わせたもの。韓国にて世代の分類で用いられることがある。世界的にはミレニアル世代とZ世代は分けて捉える。

ミレニアル世代とZ世代のどちらもインターネットが普及した環境で育った世代であり、デジタルネイティブでソーシャルメディアに積極的に参加するといった共通の特徴を持つ。

続きを見る »